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中東旅行日記


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ドバイのショッピングセンター『バールジュマン・センター』
2006年6月12日(月)
ふかわりょう

 イライラする。
 毎回、サッカー日本代表の試合を見る度にストレスを感じるが、今日もイライラし過ぎて寿命が2ヶ月縮んだ。
 周りのアラブ人も皆日本を応援してくれていたのに、あれでは・・・ なんでミドルシュートを撃たないのかね、日本のフォワードは? 日本が中々シュートを撃たないから、周りのアラブ人も机を叩いてたぜ。
 しかもオーストラリア相手に・・・

 昨日も行った『バールジュマン・センター』で買い物し、さらに別なショッピング・コンプレックス『ディラ・シティー・センター』に移動し、さらに買い物。 IWCの200万円する腕時計を眺め、プラダのパソコン・バッグを買おうか迷った挙句、結局はお金を持っていないことに気付き、中途半端に買い物をして終了した。
 映画『ミッション・インポッシブル3』もアラビア語字幕で鑑賞。 『007』と配役が違うだけで、設定は一緒。
 映画の後はビールを置いていないカフェで、健全にカフェラテを飲みながらアラビア語の解説で、黒装束の女の子たちに挟まれながらTVサッカー観戦。 料理を頼んで3,000円以上も払ったのに、負けやがって!! 玄界サラダとチーズケーキ分を返せ、日本代表。
 締めくくりは床屋 in アラブ。 もう半年も髪を切っていないので、最近の俺は落ち武者みたいな髪型になっていた。 「チリチリ毛しか切ったことがない奴らに、俺のストレートを切れるわけがない!」と、さすがにアフリカでは躊躇していた床屋だが、ついに我慢出来ずにアラブで床屋。
 結果・・・ふかわりょうになってしまった・・・

旅の出費(2人分)
雑費: 8ディルハム
床屋: 50ディルハム
映画: 60ディルハム
CD: 165ディルハム
タクシー: 34ディルハム
外食代: 120ディルハム
プレゼント: 200ディルハム
バックパック: 178ディルハム
宿代(4泊分): 680ディルハム
携帯電話バッテリー: 92ディルハム
合計: 1,587ディルハム(約52,370円)

エジプト・カイロの街並み
2006年6月13日(火)
エジプト・アラブ共和国

 エジプトをアフリカに入れるか?、中東に入れるか?、迷ったが、一応アフリカ大陸に位置するから、エジプトは俺にとっての“アフリカ”17カ国目にする。 でも中東でもあるから、『中東旅行日記』というタイトルはそのまま。

 早朝4時から移動。
 まずドバイからシャルジャという町までタクシーで移動し、シャルジャ国際空港から飛行機で3時間半掛けてエジプトのアレクサンドリアという町に行く。 さらにアレクサンドリアからバスで3時間以上掛けて首都カイロへ。
 結局、今日の移動も12時間以上掛かった。
 ちなみに、アレクサンドリアからカイロに来る途中にピラミッドを見てしまった。

 アフリカ大陸縦断に一区切り入れるために、好きでもない飛行機に乗ってやって来たが、エジプトにブラック・アフリカと同じ雰囲気はなかった。 エジプト人がアラブ人だから、雰囲気はアラブそのもの。 やはり北アフリカとサハラ以南のブラック・アフリカでは全く違う。
 そして、アラブの中でもハード・イスラム国家ではないエジプトは、アラビア半島とも雰囲気が違った。 全身黒装束があまりいない。 イエメン、オマーン辺りなら、『そんな格好をしたらヤバイんじゃないの?』的な肌露出系のお姉さん(エジプト人)もいたりして驚く。 ちなみにUAEの場合は外国人が多いので、イエメンのように女性は全員が全身黒装束ということはない。 ロシア人の売春婦も沢山いたくらいだ。 サウジ・アラビアの場合は宗教警察がいるくらいで、イスラムの戒律は外国人にも適用されるので、全ての女性は全身黒装束が義務。 さすがイスラムの聖地。
 さらに、エジプトには“エジプトのビール”があった! UAEでもビールを飲んだが、ハイネケンなどの輸入物だった。 でも、エジプトには『ステラ』や『ルクソール』などの自国産ビールがある。 酒屋があったのにはビビった。 アラビア半島では有り得ないことだ。

 ケニアのナイロビ、エチオピアのアジス・アベバ、イエメンのサナアと毎度会ってるチャリダーの藤さんとカイロでも再会。 さらに、ナイロビで一緒だった人たちとも偶然の再会。 皆でシーシャ(水タバコ)を吸いながらおしゃべり。

旅の出費(2人分)
ビール: 19ポンド
宿代(5泊分): 180ポンド
エジプト・ビザ代: 15USドル
雑費: 3ディルハム+8ポンド
タクシー: 52ディルハム+47ポンド
外食代: 24ディルハム+29.75ポンド
バス代(アレクサンドリア→カイロ): 50ポンド
合計: 79Dhs+15USD+333.75E£(約11,010円)

露店の八百屋さん
2006年6月14日(水)
日本人が沢山

 起きたら夕方4時・・・ イエメンの首都サナアを出てから、何だかんだ言って毎日が忙しい日々だったので、久しぶりに“起きないといけない”時間が決まっていない素晴らしい日でした。

 今泊まっている所は、ビル全体が安宿になっている。 下に『スルタン・ホテル』、真ん中に『ホテル・ベニス』、上に『サファリ・ホテル』があり、全部合わせたら日本人旅行者だけで30人以上はいる感じだ。 ドミトリーだと1泊9エジプト・ポンド(約180円)で泊まれる。 ちなみに俺が泊まっているツインは、1泊36ポンド(約720円)。 ベッドとファン以外は何もない部屋だ。
 こんなにも沢山の日本人と会ったのは、ケニア・ナイロビの『ニューケニアロッジ』以来だ。 “日本人に会いたくて会いたくて堪らない人”なら別にして、日本人旅行者が多いと多いなりに面倒な部分も出てくる。 うざい人がいたりとかね。 情報を集めるには便利なんだけど。

 今日はタバコを買いに外に出かけた以外は、寝てたか、ビール飲んでたか、漫画を読んでた。
 カイロに来て、宿の近くの酒屋とタバコ屋以外はどこも知らないのもマズイから、明日はお出掛けしよーかな?

旅の出費(2人分)
食費: 7ポンド
タバコ: 6ポンド
ビール: 16ポンド
インターネット: 6ポンド
合計: 35ポンド(約700円)

カイロの地下鉄
2006年6月15日(木)
タダ乗り in カイロ

 今日はお昼前に起きたぞ!!
 とりあえず寝起きなので、ベッドの上でボッケーっとした後の午後2時半頃に動き出す。
 こんなことを書くと、まるで俺が駄目人間のように感じる人もいるかも知れないが、それは全くの間違いであーる。 何も考えていないように見えて、実は『女性イスラム教徒の黒装束って、スカラー波が大嫌いなパナウェーブの白装束と色違いなだけじゃん!』とか、小難しい事を日夜考えているのだ。 黒装束の方がスカラー波を吸収し易いとかあるのかな? 心配だな・・・パナウェーブに問い合わせてみようかな?
 「スカラー波を吸収し過ぎると、教祖みたいにブスになるんですか? でも、全身黒装束のアラブ女性の方が間違いなく教祖より美人なんですけど、それはピカチュー波と関係あるんですかね?」と。
 あー、俺スカラー波で殺されちゃう・・・

 カイロには地下鉄(メトロ)なるものがあった!!
 これは凄いことですよ! 俺の知ってる限り、アフリカ大陸で唯一。 というか、カイロは人口を見てもアフリカ一の大都会だからな、ナメてはいけない。 南のヨハネスブルグ、北のカイロの間にはマクドナルドさえないんだから。 ナイロビにさえ無いんだぜ。 そりゃ毎日暴動するわな。
 メトロは距離は関係なく1回乗車で0.75ポンド(約15円)。 そのメトロに乗って、国際学生証を作りに行ってきました。 やっぱり国際学生証を持ってると、ヨーロッパで重宝するかな?と思って。 この際、俺が学生なのか?というのはあえて問題にしないので悪しからず。
 訳の分からん駅で降りたはいいが、学生証を作ってくれる所が見付からない。 そうこうしている間に、彼女に置いて行かれて一人ぼっちになってしまった。
 地図も持っていないから、今いる場所がどこかも分からない。 お財布は彼女が持っているから、コイン1枚すら持っていない。 しばらくボケーっと考えて、1人で宿に帰ることにした。 歩いて帰れないので、地下鉄で帰るしかない。 0.75ポンドさえあれば宿に帰れるのだ。
 地下鉄の駅に戻って、金持ちそうな人を見付けては「バクシーシ(金恵んでおくれ)、1ポンド」と声を掛けてみる。 そしたらさー、超小馬鹿にしたような顔で『けっ!』ってされてスタスタ逃げて行かれた。 こりゃぁー、エジプトの乞食に負けてしまうと、訳の分からんライバル意識が目覚めてしまい、お腹を空かせたような顔をして、右手の指をすぼめて口に持っていき「1ポンドー・・・」。 ガハハ、エジプトの乞食も顔負けの名演技だぜ!と思ったはいいが、誰からも素無視・・・
 よく考えたら、自分で言うのも何だけど、俺って小奇麗な格好してるから説得力が無い。 ポケットに思いっきりチェーン付き財布が入ってるし。 財布の中身はなぜか60ザンビア・クワチャ(約2円)のみなんだけどね。
 そんな訳で、改札口を乗り越えて無賃乗車で帰って来ました。 着いた駅で降りる時に、駅員と思いっきり目が合いながらも改札口を乗り越え、無事生還。

旅の出費(2人分)
タバコ: 3ポンド
シーシャ: 6ポンド
外食代: 7.5ポンド
地下鉄: 2.25ポンド
インターネット: 6ポンド
国際学生証: 70.5ポンド
バス代(カイロ→バフレイヤ): 42ポンド
合計: 137.25ポンド(約2,750円)

白砂漠
2006年6月16日(金)
白砂漠

 エジプトでも砂漠ツアーに参加することにした。
 上の階の宿に泊まっている2人組が企画した案に便乗する形で、俺と同じ宿の人も合わせて合計5人で1泊2日の小旅行に出掛ける。
 宿の入っているビルを出ると、大きなバックパックを背負った女性が声を掛けて来た。 「砂漠チームですか?」と。 チ、チーム・・・? これってチームだったんだぁー。 結局、彼女も含めた6人で砂漠チームが結成された。
 さらには、カイロからの長距離バスに偶々乗り合わせていたカップルも合流したので、最終的には日本人8人チームの大所帯。

 カイロからバスで4時間ほど南西に行ったところに、バフレイヤ・オアシスがある。
 バスを降りた途端、100万人くらいの客引きに囲まれ、『お前ら中国人か?』と思うほど煩い客引きが始まった。 全員して同時に話をするな! 誰かが何かを言えば、直ぐに周りの人間がそれを否定するから、全く会話にならない。
 全ての交渉は砂漠ツアー企画者のチーム・リーダーに任せ、他の7人は場外観戦。 交渉する方は大変だが、見ている分には面白い。
 2時間以上掛かって、最終的にランクル2台で行く砂漠ツアーが1人100ポンド(約2千円)で交渉成立。

 バフレイヤ・オアシスから行く砂漠は、白砂漠と黒砂漠。 今日は黒砂漠を通り越して、白砂漠に向かった。
 オフロードを走って白砂漠の奥に入って行くと、石灰岩と思われる白い岩が変な格好で乱立している(写真)。 視界の中に白い部分が多いので、『白砂漠』と呼ばれていることも納得。

 今までナミブ砂漠、カラハリ砂漠、チャルビ砂漠、アスサブアタイン砂漠、ルブアルハリ砂漠などを見てきたが、どこの砂漠も違う景色を持っている。
 砂漠は面白い。 裸族がいれば、さらに面白い。

 夜は砂漠の真ん中で野宿。 テントを張らずに、砂の上でマットレスを敷いただけで雑魚寝する。 寝転がって上を見上げると、夜空一面に広がる星が見えた。 “星が降る”という表現を使うんだったら、この夜空のことを差すのだろうと思った。
 風が無い穏やかな日だったので、夜もほぼ無風。 全く音のない世界で、もし1人だったらあまりの静寂さに耳がキーンとなったかも知れない。
 深夜12時頃になってようやく、赤い色の大きな月が姿を現した。

旅の出費(2人分)
タバコ: 3ポンド
外食代: 7ポンド
合計: 10ポンド(約200円)

黒砂漠
2006年6月17日(土)
黒砂漠

 やはり砂漠の夜明け前は冷える。
 でも、陽が昇りだすと暑くなるから大変だ。 去年くらいに日本人2人組がここで6日間遭難したそうだ。 ツアーに参加せずに、個人で砂漠の中に入った結果らしい。 最後の方はオシッコ飲んでたらしいよ、その人たち。 水飲まなくてもオシッコが出るんだねー。 勉強になった。

 昨日の白砂漠に引き続き、今日は黒砂漠。
 まず、『クリスタル・マウンテン』とか言う場所に行った。 遠目はどーってことない山なのだが、近づいてちょっとびっくり。 山全部がクリスタル。 だから?と言われると、俺も困る。
 黒砂漠は、黒い小石が砂漠の表面を覆い尽くしているので黒く見える(写真)。 しっかし、白い砂漠の直ぐ近くに黒い砂漠があるわけだから面白いよな。

 お昼にはバフレイヤ・オアシスに戻って、そのままカイロ行きのバスに乗る。
 カイロでは、ケニア・ナイロビの電脳部屋で一緒だったヒマさんと再会。 来てることを全然知らなかったからビックリしたー! さらにイエメン・サナアで会った人とも再会。 またカイロ生活も面白くなって来た。

 実は、今日でケープタウンを出発して5ヶ月が過ぎました! パチパチ。 スーパー高速移動で、アッと言う間にアフリカ縦断しちゃいました。 超速い、俺。
 この1ヶ月間で使ったお金は・・・ズバリ24万400円。 この1ヶ月も、イエメンまではあまり金を使っていなかったんだけど、オマーン、ドバイの国にわずか1週間以内の滞在で10万円以上が飛んでいった。 恐るべし石油成金国家。 でも考えたら、この金額は2人分だからしょうがない。
 えー、ちなみにもう金なくなりました、俺。 すっからかん。 タイでお金を湯水のように使っていなければ、多少は貯まっていたかも知れないお金だけど、全くもって将来設計をしてなかったもんで、今月をもちまして全現金は枯渇致しました。 パチパチパチ。
 今後は借金をしながらの目標日本国上陸。

旅の出費(2人分)
雑費: 5ポンド
食費: 8.6ポンド
メトロ: 1.5ポンド
ビール: 20ポンド
砂漠ツアー代: 200ポンド
バス代(バフレイヤ→カイロ): 50ポンド
合計: 285.1ポンド(約5,700円)

白砂漠のキノコ岩
2006年6月18日(日)
学生気分

 GK川口は凄いのか、凄くないのか分からん。
 ストレスが溜まるからTV観戦するか迷ったが、結局観てしまった。 やっぱ弱ぇーな、日本・・・ クロアチアとのレベル差が歴然としていて全然楽しめん!
 クロアチアもイマイチだったし、オーストラリア戦よりはマシだったものの試合内容はレベルが低かった。
 それでも、分かっていながらも、そんなに期待はしていないながらも、ブラジル戦も観ちゃうんだろうなぁー・・・

 今日は国際学生証を作りに行った。
 バンコクで作る偽学生証と違い、カイロで作れるのは本物の国際学生証だ。 でも俺は偽者の学生だ。 それでも作れちゃう。 これがあればヨーロッパで色々節約出来るはずだ。 エジプトでさえ、考古学博物館に半額で入れるもんねー。
 ちなみに偽学生証と本物の違いは、ラミネートの模様。 本物はカードを斜めにすると模様が浮かび上がるが、偽物は模様がそのまま印刷されていてどの角度からも見える。 昔は偽物でも使えていたが、最近は通用しなくなっている。

 夜は上の宿にお邪魔して、皆と一緒に鶏照り焼き丼をご馳走になっちゃいました。 これがまた超旨いでやんの! さすが、ナイロビでも親子丼を作ってくれたヒマさん。
 ちなみに、今日の昼飯はそうめんでした。

旅の出費(2人分)
メトロ: 1.5ポンド
食費: 16.2ポンド
タバコ: 2.25ポンド
ビール: 10.25ポンド
シーシャ: 3.75ポンド
国際学生証: 70ポンド
インターネット: 10ポンド
宿代(5泊分): 180ポンド
合計: 293.95ポンド(約5,880円)





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