トビリシを北上して、グルジア軍道をロシアとの国境まで行く。
『グルジア軍用道路』とは、ロシアのウラジカフカスとグルジアのトビリシを結ぶ交通路のことで、帝政ロシアが南下政策で建設した道路の名称だ。
現在のロシアとグルジア、アゼルバイジャンを隔てる国境は、4〜5,000m級の大カフカス山脈沿いに引かれている。 それでアルメニアも含めた3カ国は、南カフカス3カ国と呼ばれている。
今回の目的地は、グルジア軍道ではグルジア側最後の町カズベキ。 その先はロシアとの国境になるが、情勢不安定により第三国の外国人はこの国境を越えられない。
バスやマルシュルートカで直接カズベキに行くことも可能だが、出来ればグルジア軍道の見所を見ながら北上したいと思い、同じ宿の日本人旅行者2人と一緒にタクシーをチャーターして行くことにした。
ある程度の人数が集まらないとチャーターは金銭的に辛いから、今回はラッキーだ。
値段交渉して、カズベキまでの片道を60ラリ(約4,080円)で行ってもらうことになった。 1人当たり約1,360円なら、まぁまぁ許容範囲内だ。
トビリシを出たタクシーは、まずムツヘタという町に寄って、ここでスヴェティ・ツホヴェリ大聖堂を見学。 そこからグルジア軍道を北上して、途中でアナヌリ教会を見る。
さらに北上を続けると、徐々に峠道に入ってくる。
グネグネの峠道を登っていくと、今まで遠くにしか見えなかった雪が道路脇に積もっているようになる。 2m以上は積もっているだろうか? そのまま上がって行くと、スキー場がある。 辺り一面が銀世界で、これなら十分に稼動できる。
さらに上っていき、グルジア軍道の最高地点ジュヴァリ峠(2,379m)を越える。 周りの景色は雪一色で、木も生えていないから太陽光が雪に反射してチカチカ目が痛い。 サングラスを持って来れば良かった・・・
ジュヴァリ峠から下りになり、平らになった所から山々の谷間をしばらく走るとカズベキがある(写真)。
写真に写っていないが、逆側には万年雪を被った標高5,033mのカズベキ山がそびえている。
トビリシを出て、何ヶ所か寄り道しても4時間程度で着いてしまった。 意外と近いもんだ。
周囲を雪を被った山々に囲まれて景色は抜群のカズベキだが、町自体はしょぼい。
な〜んにもない、共産主義時代の遺産みたいな寂れた町だ。 ここからトレッキングにでも行くなら数日間は滞在出来るが、それ以外は辛そう。 俺も2泊するつもりで来たが、1泊だけにします。
な〜んにもすることがないから、夜8時に就寝。
一度、夜中に目が覚めて窓の外を見たら、満開の星空が広がっていた。
旅の出費;
雑費: 1.5ラリ
地下鉄: 0.2ラリ
宿代(2泊分): 24ラリ
タクシー(→カズベキ): 20ラリ
合計: 45.7ラリ(約3,110円)
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