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アジア横断シルクロード日記


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現在地はどこなの?

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ヒンカリ
2007年4月2日(月)
飲んで食って寝て・・・

 昨日の深夜、散発的に発砲音が聞こえた。
 酔っ払いか馬鹿が、トカレフで遊んでいるのだろう。
 発砲音を聞きながら、再び眠りについた。

 今日は銀行に行って、残っているトラベラーズチェック(T/C)を全て現金化した。
 昔は『旅と言えばT/C!』というくらい、旅の資金を持ち運ぶ常套手段だった気がするのだが、最近『使い勝手が悪い』ことに気が付いてきた。
 T/C化するのに手数料、旅先でそれを現金化するのに手数料、しかも大抵の場合は現金よりもT/Cの方が為替レートが悪いときたら、持っているメリットは『盗まれても安心』程度しかない。 今はカードの方が利用価値大だな。
 グルジアではTBCという銀行で、手数料0.8%でT/Cを現金化出来る。 トルコなんかよりも遥かに安い手数料だ。 しかも、USドルのT/CからUSドルの現金に換えてくれるので、とってもハラショー!

 いつも夕食はバザールの近くにあるお惣菜屋さんで買っているのだが、今日はその隣にあるワイン屋さんにも行った。 ここでは大瓶に入った数種類のワインを量り売りしていて、大体1リッター2ラリ(約135円)前後で買える。 激安だ。 色々と試飲させてくれて、気に入ったワインをコカ・コーラの空きペットボトルに入れて持ち帰る。
 ここで、おっさん達に「お〜日本から来たのか!」ってことで、飲め飲めとワインを奢ってもらう。 一生懸命ロシア語で話しかけてきてくれるのだが、何を言ってるのかさっぱり分からん。 話は適当に聞き流して、とりあえずワインをタダ飲みでガブガブ飲んで逃げる。

 今日の写真は、グルジア版肉まん“ヒンカリ”。 かじると熱々の肉汁がお口の中で広がり、ハヒハヒ言いながら食う。 これまた旨いんだ!

旅の出費
ワイン: 3ラリ
食費: 2.6ラリ
インターネット: 4ラリ
宿代(3泊分): 36ラリ
合計: 45.6ラリ(約3,100円)

フレーム
2007年4月3日(火)
グルジア的生活

 今日もトビリシは1日中雨が降っていた。
 天気だったら観光しようと思っているのに、雨に降られちゃうとねぇ〜。 宿でダラダラするしかないじゃない?
 イスタンブールで1ヶ月以上もダラダラしていたのに、いきなり“旅行モード”に入れるわけがなく、トビリシに移動して来てからも特に観光してません・・・
 ホントは、こんな所で長居する気はないんだけど。

 今日やった事と言えば・・・
 またワインの量り売りのお店に行って、色々試飲したこと位かな? 結局コニャックとワインを買って、宿で皆で飲みました。
 グルジア人と一緒で、ただの飲兵衛になりそう。
 酔っ払って、深夜に町中を徘徊して、外国人を見付けたらナイフで脅して金を取ったり、たまにトカレフをぶっ放す。 これ、グルジア流酔っ払い。

旅の出費
ワイン: 1ラリ
タバコ: 1.5ラリ
外食代: 3.7ラリ
合計: 6.2ラリ(約420円)

フレーム
2007年4月4日(水)

 今、宿に日本人旅行者が俺を含めて3人いる。
 その3人で「豚の生姜焼きを食おう!」という話になって、バザールに豚肉を買いに行った。
 東から来ても、西から来てもここは豚肉オアシス。 周りは全てイスラム教国の中、グルジアとアルメニアだけがキリスト教国で、お肉いっぱい。 お酒もいっぱい。

 トビリシ駅前のバザールは、食料品から衣料品から台所用品まで何でも揃う規模だ。
 そこでお米1kg、豚肉500g、ロシア製醤油を購入。 豚肉は約550円/キロだった。 トルコの8分の1程度の値段だ。
 宿に帰って、乾燥生姜を使って“何となく豚の生姜焼き”を作成。 いやー、久しぶりの豚肉は旨〜い!!
 酒も旨〜い!!

旅の出費
食費: 2.5ラリ
合計: 2.5ラリ(約170円)

グルジア・ゴリのスターリン像
2007年4月5日(木)
独裁者の残像

 ぐわぁぁ〜、今日は晴れてしまった・・・
 眠くて仕方がなかったが、「晴れたら観光しよう」とずーっと思っていたので、意地で外出。

 本日は、自分の中でグルジア観光の目玉となる『ゴリ』という町に行って来た。
 首都トビリシからバスで片道2時間ほど掛かる場所にあるゴリ。 町の名前は沖縄出身のお笑い芸人と同じで楽しそうだが、そこに何があるのか?と言えば・・・世界で唯一残っているスターリン像があるのだ!!

 俺は、ここで「おぉー、すげー!」とか言う反応を期待するのだが、皆さんにこの話をしても大抵は「へー」の一言で終わってしまう。 結局、1人で興奮している俺だけが浮いて、「もしかして『赤旗』読者ですか?」みたいな冷めた目で見られてしまうのだ。
 悲しいね・・・感動を共有出来ないって。
 ここで重要なのは、スターリンとか言うおっちゃんの像がどうこうの話ではなく、『限定販売』とか『世界初』とか『最新モデル』とかの言葉に理性を失ってしまうのと一緒で、『世界で唯一』という殺し文句にコロッときてしまう馬鹿さ加減である。
 俺なんて、そのためだけにグルジアに来たと言っても過言ではないほど興奮していたのに。

 で、スターリンって誰?
 レーニンが死んだ後にソ連共産党の書記長だったおっさんです。 ライバルたちを暗殺したり、死刑にしたりして独裁者にのし上がったスターリンは、その次にKGBと強制収容所による恐怖政治で『大粛清』を開始。 このスターリンによる大粛清で、何百万人もの人たちが行方不明になったのだ。
 ヒトラーもびっくりの怖いおっさんですねぇ。

 で、スターリンが死んだ3年後になって、フルシチョフさんって偉い人がソ連共産党大会で「スターリンは偉くない。 ただの怖いおっさんでした」と『スターリン批判』を行なった結果、各地のスターリン像は撤去されてしまったわけ。
 なのにっ! ゴリにだけは残ってます。

 なぜなら、スターリンはゴリ出身だから!
 1879年、彼はゴリで貧乏な靴屋の息子として生まれたのでした。
 だから地元では未だにヒーローってわけ。

 そんな独裁者を生んだゴリには、スターリン像の他に、スターリンの生家、スターリン博物館などスターリン・マニアには涎もののアトラクションがいっぱい。

 そもそもスターリンの生家なんて取り壊されて無くなっていたのに、当時はまだ存命していたスターリンのお母さんの記憶をもとに再現されたという、胡散臭さ満点スポットだ! しかも、聖地化しようと思ったのか?そのボロボロ木造家屋は、コンクリート製の神殿風な建物に覆われていて、貧乏なんだか立派なんだか分からない微妙なオーラを放っている。

 さらにはスターリンを英雄として祀る博物館。
 去年までは1ラリ(約70円)だった入場料が、いきなり今年に入ってからヤクザもビックリの15ラリ(約1,020円)に、15倍値上げ! 意味わかんねー。
 まぁ、でもせっかくゴリまで来たし・・・宿代より高いけど入ってみた。

 ・・・・・・・・・・

 やべー、ここ! 1ラリ分の価値しかねーよ!
 展示内容: スターリンが吸っていた葉巻、スターリンが使っていたペン、スターリンが使っていたコップ、若い頃のスターリンが作った詩、スターリンが友達宛てに送った手紙、中国の人民解放軍戦車部隊から送られた『同志』とだけ書かれた赤い旗、スターリンの死に顔を描いた絵などなど・・・
 「だから何だよっ!」としか言えない品の数々に、俺はチビリそうになり、15ラリも払ったのを忘れ5分で出てきてしまった。 ある意味、粛清である。
 さすがスターリン、死んでも恐ろしい男である。

 今日はゴリで仲良くなったグルジア人の若者3人組に、ゴリでもベストな部類に入るというレストランでご飯を奢ってもらった。
 色々と親切にしてもらったので、「何才?」って聞いたら「17才」だって・・・
 おいおい、今年29才になろうとしているおっさんがですよ、見た目は眉毛も繋がってるし『年上なんじゃねーか?』と密かに思っていたけど実は高校生と同じ年齢のガキ連中に奢ってもらった・・・ しかも俺はビールを飲んだのに、彼らは桃ジュース・・・
 いいんですか、こんなんで?

 レストランでグルジア料理を食った後に、一番おっさんである俺がお金を払おうとしたらですよ、彼らが何と言ったと思う?
 「ゲストに払わせるわけにはいかない」
 くはーっ! 17才が吐ける言葉ですか?!
 凄いを通り越して、気持ち悪い!

 ガイドブックから引用: 『グルジアは外国人への暴力犯罪が多い一方、客人の歓待ぶりも凄まじい。 良くも悪くも極端である』

 夜中に町中でトカレフをぶっ放してる奴もいれば、17才にして外国人を歓待する奴もいるわけでしょ?
 極端とかじゃなく、普通がいい・・・

旅の出費
食費: 3.6ラリ
入場料: 15ラリ
外食代: 1.5ラリ
地下鉄: 0.4ラリ
バス代(トビリシ⇔ゴリ): 7ラリ
合計: 27.5ラリ(約1,870円)

フレーム
2007年4月6日(金)
そろそろ予定を・・・

 今日は雨だったから、昨日のうちに観光しておいて良かったぁ〜。 グルジアに来てから早9日が経ったにも関わらず、人様に言えるような観光は昨日のゴリのみ・・・ それ以外はトビリシで、だらだらモード全開。
 もう少しだけ気合が入っていたら、トビリシの旧市街にでも出かけるのだが、なかなか難しい。 だって地下鉄で3駅も離れてるから・・・ 宿から地下鉄の駅まで徒歩5分以上も離れてるから・・・

 しかーし! ふと気が付けば、俺には5月18日までにトルクメニスタンに入国しなければならないという重大な予定が入っている。 あと1ヶ月ちょっとで、グルジア、アゼルバイジャン、アルメニア、イランの4カ国を回らなければいけない計算になる。
 はぁ〜、面倒くせーな・・・
 来週になったら、アゼルバイジャンのビザでも取りに行こうと思う。 気が向いたら、だけど。

 写真は、スターリン像のアップ。

旅の出費
タバコ: 1.5ラリ
地下鉄: 0.4ラリ
外食代: 9.1ラリ
宿代(4泊分): 48ラリ
インターネット: 3.5ラリ
合計: 62.5ラリ(約4,250円)

グルジア・スターリンの生家とスターリン博物館
2007年4月7日(土)
映画と漫画とグルジア

 写真手前の真ん中に建っているのが、スターリンの生家。 コンクリート製の建物の中に、木造のオンボロ家屋がある。 その後ろの大きな建物がスターリン博物館。 俺がこの写真を撮ったのは、スターリン公園から。 その前を走るのはスターリン通り。

 今日は何にもしてないから、一昨日のゴリ観光の写真を3日連続にわたってお送りしております。 そろそろネタ切れなので、明日あたりでも観光に行かないとな・・・

 今日は一歩も宿から出ず、映画と漫画で一日が終了してしまいました。 まず、宮藤官九郎の『タイガー&ドラゴン』とかいうドラマ全11話を連続で全部見て、続いて北野武監督『座頭市』を見た後は、漫画『北斗の拳』を一気に全巻読破。 あっ、あとシャロン・ストーン主演の『氷の微笑2』も見たかな?
 グルジアをより深く知るための情報収集です。

旅の出費
ゼロ

グルジア正教の総本山スィオニ大聖堂
2007年4月8日(日)
総本山

 最近、早起きが出来ない。
 イスタンブールにいた時からそうなのだが、ふと目を覚ませば午後になっているケースが多々ある。
 あーっ、エチオピアでツェツェ蝿に刺されたから“眠り病”になったのかな? 病気なら仕方がない。

 今日はイースター。 復活祭ってやつで、キリスト教国ではクリスマス同様に大切な祭日だ。
 午後から少しお出掛けしてみたのだが、いつもは人で賑わっている駅前がガラガラ・・・ びっくりするくらい、人がいない。

 先週の土曜日に近くまで行っておきながら、足を踏み入れなかった旧市街に行ってみた。 旧市街には色々と教会があるから、「もしかしたら今日はイースターだし、パーティーとかやってるんじゃねーか?」と思って行ってみたのだが、やっぱり人が少ない。
 写真は、グルジア正教の総本山スィオニ大聖堂。 思ったよりも小さかったから、見落としてしまった。 さすがに、ここでは礼拝する信者が多少は出入りしていた。
 続いて行ったのは、ナリカラ城塞跡。 ここから見下ろすトビリシ市街は景色が良い。
 それだけ。

旅の出費
食費: 4.3ラリ
タバコ: 1.5ラリ
地下鉄: 0.4ラリ
合計: 6.2ラリ(約420円)





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