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ヨーロッパ旅行日記


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現在地はどこなの?

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ドナウ川とベオグラード
2007年1月15日(月)
猪木にセクハラ

 ここベオグラードもドナウ川沿いに発展している町だ。 同じくドナウ川沿いにある町と言えば、オーストリアの首都ウィーン、スロバキアの首都ブラチスラヴァ、ハンガリーの首都ブダペストなどがある。 4カ国の首都に接している川というのも珍しい。
 今日は、このドナウ川沿いを散歩してみた。
 引きこもりの俺には珍しくアグレッシブである。 橋を歩いて渡ってドナウ川を越え、対岸から旧市街を望んだのが今日の写真。
 どの旅行者も同じことを言うが、ベオグラードには大した見所がない。 歴史的建造物がほとんど残っていないのが影響しているかも知れない。 この2000年ほどの間に、ベオグラードが攻撃された回数は54回。 平均で37年に1度は攻撃されている計算になるらしい。 一番最近のが、1999年のNATO軍による空爆だ。 そりゃぁー、歴史的建造物など残ってるわけがないわな。

 夜、セルビア人たちと飲んだ。
 『カワイイ子と知り合って、その後はムフフ(ニタ〜!)』と思っていたのだが、なぜか俺の隣に座ったのはブチャイク。 しかも彼氏付き。
 髪を撫でられたり、抱きつかれたりしたのだが、相手が女にも関わらずこんなにもテンション下がるもんなんだなぁ〜・・・ ある意味、拷問ですよ。
 そんな彼女が耳元でこう呟いた。
 「見て、私の彼氏。 私たちにジェラシー!」

 ・・・・・・・・・・

 ジェラシーだぁ〜!? 死ね、ボケ!
 そんなジェラシーを抱いた彼氏が俺にこう呟いた。
 「彼女、君のことが好きだって」

 ・・・・・・・・・・

 無理! あなたの趣味がどうこうの話はここでしませんよ。 でもね、前歯がねぇーし! しゃくれてるし! 喋り方が猪木みたいだし! どんだけ守備範囲が広い俺と言えど、あなたの彼女は酷過ぎですよ・・・
 美人ばかりの国なのに、隣にはブス。 どんだけの確率で、こんな状態に持ち込めるわけ? 確率だけの話で言えば、俺って相当凄い! そう考えなきゃ、やってられん。 慰めで、もう一度言う。 俺ってすげー。
 しかも、皆ベロベロで酔っ払ってるのに、俺だけ飲んでも飲んでも酔えない。 やはり隣に妖怪“猪木ババア”がいるせいか? 年齢を聞いてみたい気もしたけど、意外に俺とタメとか年下の可能性もあったので怖すぎて聞けなかった。

 さらに思ったんだけど、酔っ払いをシラフ状態で相手するのってつまらんなぁー!! 全然っ、話が面白くない! まぁ、過去に酔っ払った俺に絡まれて話を聞かされた人がいたら、ここで謝っておきます。
 ごめんなさい。
 酔っ払いの話はホントつまらんわ・・・ 今日、しみじみと実感した。

 途中退席で逃げ帰ってきた。

旅の出費
タバコ: 54ディナール
食費: 355ディナール
合計: 409ディナール(約800円)

セルビア・ベオグラード
2007年1月16日(火)
K-1

 今日、特に何もしてないんだよねぇー。
 別にベオグラードで見たいものもないし。 そんなわけで、先週ダウンロードした去年大晦日放送の『K-1 Dynamite 2006』を観ました。
 結論から言えば、昔に比べてK-1の対戦カードもパッとしないねぇ。 そろそろ限界なんじゃない?
 武蔵の対戦相手が、韓国の砲丸投げ選手ってどういうこと? そこまで落ちたか、武蔵・・・としか思えんだろ! とは言っても、その砲丸投げ選手と戦えと言われても、俺は即断るけどな。
 だって、ムキムキじゃない・・・
 曙も相変わらずだし、トータルでつまらなかった。 メインが桜庭と秋山ってのも、K-1としてどうなんでしょ? 最初の頃は『立ち技世界最強決定戦』とか謳ってたような記憶があるんだけど・・・

 『K-1』も観たし、もうベオグラードに思い残すことはありません。 移動再開!
 駅に行って、ルーマニアの首都ブカレスト行きの列車チケットを買ってきた。 ベオグラードからブカレストは、お隣の国なのにものすごく交通の便が悪い。 長距離バスは無し、国際列車は1日1本のみ。
 しかも、なぜか運賃が高い!
 14時間、座席で移動するのに5,265円もする。 ちょっと、距離と座席の種類から考えても高いんじゃないの?

 今後の予定を言えば、ルーマニアの首都ブカレストの後はブルガリア、そしてついに待望のイスタンブールです! 何気にイスタンブールに行くのは、これが初めて。

旅の出費
食費: 155ディナール
宿代(1泊分): 650ディナール
国際列車代(→ブカレスト): 2,700ディナール
合計: 3,505ディナール(約6,830円)

壁の落書き・ベオグラードにて
2007年1月17日(水)
2度目のルーマニア入り

 ベオグラードを歩いていると、偶に写真のような落書きを見掛ける時がある。
 写真の落書きにも、NATOどーたらこーたら書いてあるから、アンチNATOの落書きだろう。
 そんなセルビアも、皮肉なことに現政権の最重要課題はEU加盟。 NATOへの段階的な参加も視野に入れているだろう。
 昨日の敵も明日の友なのか?
 ヨーロッパではEU加盟が大流行している。 ヨーロッパと呼んで良いのか微妙なトルコまで入りたいと言い出したもんだ。

 そのEUに、この1月1日から正式加盟したルーマニアに移動する。 先月にルーマニアの北部を横切った時は、まだEUに加盟していなかったのにな。
 午後4時20分の、ベオグラード発ブカレスト行き列車に乗り込む。 ちょっと怖いくらいガラガラなんだけど、何で? コンパートメントに1人だし、車両に2人だけ・・・ これだけ乗客がいないと、逆に盗難が心配だ。

 出発してわずか2時間後に国境通過。
 おぉっ! ルーマニアの入国スタンプがEUバージョンに変わってる! つい先月まで、赤色のスタンプだったのに。
 ルーマニアに入ってからも乗客は大して増えず、相変わらずガラガラのまま。 そりゃ、1日に1本しかないわな。 採算が取れないだろ、これでは。

 今日で、ケープタウンを発ってからちょうど1年が過ぎた。 アッと言う間の1年だったが、当初考えていた2006年中に日本到着は残念ながら実現出来なかった。 まだ日本との中間地点くらいだ。 これからユーラシア大陸を横断するのに、あとどれ位の時間が掛かるのだろう? 最近、旅も飽きてきたのでサッサと横断して日本に帰りたい。

 この1ヶ月間で使ったお金は、96,320円。 そして、この1年間で使った旅費の合計は、127万4,715円になった。 月平均で10万円ちょっとは使っている計算だな。 ヨーロッパに4ヶ月もいる割には使っていない方だと思います。

 しっかし、この1年で色々な国に行ったなぁー。
 実は俺、1995年に初めて海外旅行に行って以来、2004年までの9年間で行ったことのある国ってわずか16カ国だったんだけど、2005年に四駆でアフリカ9カ国を爆走してようやく25カ国に・・・ それが2006年にケープタウンを発ってからは、たったの1年で38カ国も周ってしまった。
 現時点で行ったことのある国の合計は、63カ国。 ようやく、それなりに旅行者って感じになったな・・・

旅の出費
食費: 165ディナール
合計: 165ディナール(約320円)

ブカレスト・凱旋門
2007年1月18日(木)
ちょっと楽しい・・・

 早朝の、まだ暗闇のブカレストに到着。
 ベオグラードに続き、ブカレストの宿も無線LANの入る安宿を選んだ。 こうやって観光もせず、宿でダラダラするパターンが完成しつつある。
 だが、今日の俺はとーってもやる気満々!
 午後からバスに乗って市内観光に繰り出した。

 ブカレストで一番の見所と言えば、『国民の館』でしょう! 何だか、名前からして怪しい臭いがプンプンしているが、1989年まで共産国家ルーマニアの独裁者だったチャウシェスクが、総工費1500億円を投じて造らせた自分のための宮殿が『国民の館』。 名前は皆のモノって感じだが、ホントは自分だけのモノだったんだけどね。
 床面積の広さはアメリカの国防省ペンタゴンに次いで世界第2位の広さを持つ、巨大建造物だ! 部屋数は3107あるらしい。
 分譲マンションにして売り出したら、1部屋平均で4800万円以上じゃないと利益出ないな・・・

 と、散々説明しておいて言うのもなんだが、今日は近くまで行っておきながら見てないのよね、『国民の館』。 ちょうど時間帯的に逆光だと思って。 起きれたら明日の午前中に行きます。 というか、午前中に行かない限り行かないと思う。
 そんなわけで、今日は旧共産党本部などを見て回った。 で、思ったんだけど、俺はブカレストの雰囲気が好きかも。 東欧の中でも、プラハとかブダペストみたいに歴史的街並みの部類に入る都市もあるけど、ブカレストは間違いなくベラルーシのミンスクやウクライナのキエフと同じ共産臭い街並みの部類に入る。
 やはりチャウシェスクのおかげ(?)か。
 ただ、ミンスクのように都市全体が無機質で、ただ建物だけがバカでかいのと違って、資本主義に飲み込まれた感が町の雰囲気に顕著に現れていて面白い。 俺的にはブダペストより全然面白いわ。

 でも、チラッとだけブカレストを散歩していて思ったけど、人間って権力を持つとデカイものに憧れるんだね。 モスクワ、ミンスク、キエフはソ連の独裁者スターリンが、ブカレストはルーマニアの独裁者チャウシェスクが造ったわけだけど、デカければデカいほど興奮するんだろうねぇー。 ちなみに、ブカレストの街並みは北朝鮮の平壌を参考にしてるらしいです。

 今日の日記の写真は、ブカレストの凱旋門。 一応、ラオスのビエンチャンにある凱旋門よりは立派。 本物を見たことがないから、比較する対象がラオスの凱旋門ってとこが悲しい・・・
 ちなみに、チャウシェスクはブカレストにパリのシャンゼリゼ通りと全く同じ幅・長さの通りを造ろうとしたらしい。 実際、造ったらしいけど本物のシャンゼリゼより幅がちょっと広いんだって。

旅の出費
バス: 2.2レイ
食費: 9.7レイ
タバコ: 5.1レイ
外食代: 6.8レイ
宿代(2泊分): 20ユーロ
合計: 23.8レイ+20ユーロ(約3,670円)

ブカレスト・旧共産党本部と、革命犠牲者の慰霊碑
2007年1月19日(金)
負の遺産

 さぁ、『国民の館』に行くぞぉー!と起きたら、既に午後。 時すでに遅し・・・ そんなわけで、今日はどこにも行ってません。
 曇り空だったしね。 晴れてなきゃ観光しないから、俺! たまに晴れてても観光しない時もあるけど。

 そんなわけで、昨日撮った写真を使って、さも今日観光したかのような日記を書きます。
 写真は、革命広場にある『旧共産党本部』。 目の前に建っているのは、革命犠牲者のための慰霊塔。
 革命の最中の1989年12月22日、独裁者チャウシェスクはこの建物のテラスで群集を目の前に最後の演説を行なった。 その直後に屋上からヘリコプターで逃亡。 が、翌日には逮捕され、12月25日(クリスマス)に銃殺された。
 この革命の際には、このビルの前に広がる広場で銃撃戦が広げられた。 警察から武器を奪った市民や、革命側に寝返った軍に対して、大統領親衛隊が攻撃を仕掛けた。 実は、この広場の下には秘密の地下道があって、そこから大統領親衛隊が続々と現れたらしいよ。
 慰霊塔は、そんな革命の最中に死んだ市民のために建てられた塔です。

 すっかりルーマニアの悪者になっているチャウシェスクだが、歴史の事実は闇に包まれたままだ。
 大量虐殺と不正蓄財の罪で起訴され、形だけの軍事裁判で銃殺刑の判決を受け、その場で銃殺されたチャウシェスクだが、死後大量虐殺や不正蓄財の証拠は一切見付からなかった。
 チャウシェスク政権の末期に、実質的な権力はチャウシェスク本人ではなく、共産党高級幹部らが握っていたが、当の高級幹部たちは革命の時に国外逃亡しており、チャウシェスクが当時どこまで権力を持っていたのか?は闇の中だ。
 また、革命の際の武力衝突では、ルーマニア軍や大統領親衛隊が当時所有していた武器の能力以上の武力が使われた形跡があり、『じゃぁ、誰が革命に関与していたのか?』説明出来ていない。

 秘密警察を使って恐怖政治を行なわれていたのは事実だが、実際にチャウシェスクがどこまで関与していたか?は不明。 もしかしたら誰かに利用されただけだったのかも知れないな。
 金正日も大丈夫かな? 実は裏で金正日を操っているのが、“悦び組”だったりして。 悦ばされ過ぎて、逆に言いなりみたいな。

旅の出費
食費: 14.2レイ
宿代(2泊分): 20ユーロ
合計: 14.2レイ+20ユーロ(約3,800円)

ブカレスト・国民の館
2007年1月20日(土)
現代版バベルの塔

 ついに行って来たぞ、『国民の館』!!
 ハンガリーのブダペストにも『恐怖の館』というのがあるけど、別に姉妹館ではありません。
 いやー、とにかくデカイ! 一番最初に見た時は「ほぇ〜」ってなったもんね。
 『国民の館』の前からは、真直ぐに統一大通りが延びている。 チャウシェスクがフランスのシャンゼリゼ通りをコピーした通りで、4kmの長さがある。

 内部を見学出来るのだが、個人では入れない。 必ずツアーに参加しなくてはならない。
 20レイ(約925円)の参加費だが、「学生?」と聞かれ、つい反射的に「うん」と言ったら、勝手に5レイ(約230円)になった。 さらに壁に貼ってあった料金表には、カメラ持ち込み代が30レイ(約1,385円)と書いてあったが、見なかったことにした。

 中に入る時に、なかなか厳しいセキュリティーチェックがある。 荷物から上着まで全てX線検査させられ、金属探知機でボディーチェックを受ける。
 まず、英語を話すガイドから説明があった。
 ツアーは1時間だが、その間に見れる内部は全体のわずか5%とのこと。 う〜む、全部見て回ったら20時間掛かるってことか・・・
 かくれんぼしたら、誰も見つけてくれなくて泣き出すパターンだな、ココ。

 意味もなく馬鹿デカイ部屋を見て回る。
 ガイドの説明も、この建物には大理石が何トン使われているとか、シャンデリアが何個あるとか、シャンデリアにクリスタルが何トン使われているとか、数字が大き過ぎて理解不能。
 唯一頭に入ってきたことは、『国民の館』を建てるのに10万人が労働させられたこと。
 俺も自分の館が欲しーぃ!! チャウシェスクに勝ちたいから、俺の館では20万人に造らせたいです。
 よく日本のサラリーマンが「自分の城を持ちたい」という言い方をするけど、イメージしてる“城”って、ホントに城サイズなわけ? 男なら野望はドカーンと大きく、「『国民の館』よりデカイ庭付き一戸建てを2世代ローンで建てる!」くらいの豪傑っぷりは欲しいよねぇ。

 最後に、質問を求められたので現在の『国民の館』の維持費を聞いてみた。 たぶん光熱費も含まれていると思うが、年間で600万USドル(約7億2740万円)掛かっているそうです!
 思いっきり経済発展の足手まといじゃん! 宿に帰ってから対GDP比で計算してみたが、思ったより低く対GDP比0.12%程度だったが、それでも7億2740万円があったら吉野家の牛丼を年間151万杯以上も食えるぞ! しかも大盛りで・・・ ベビースターラーメンなんて、年間2424万袋以上も食えるぞ! 1日6万6千袋以上食える・・・
 それなのに、なんて金の無駄遣い・・・

 今回思ったけど、ゆくゆくは『国民の館』をUNESCOの世界遺産に認定すべきだと思う。 エジプト文明のファラオが何万人を酷使して造ったピラミッドが遺産として残っているのに、共産主義の独裁者チャウシェスクが10万人を酷使して造った『国民の館』を認定しないというのはおかしい。
 権力を持った人間は、自分の力を誇示するために大きな建造物を造りたがる(実際に造った)という点では全く一緒だと思うんだけど。
 絶対に日本共産党の志位和夫委員長だって、万が一にも政権を取ったら「スターリン、チャウシェスクには負けられん!」とか鼻息荒く『志位の館』とか建てたくなるはずだ。 建てるってなっても、俺は絶対に働かないからな! 俺が『町民の館』を建てる時には志位も20万人の1人になるんだけどな、グヒヒヒ

旅の出費
ビール: 2.5レイ
バス代: 2.2レイ
外食代: 9.9レイ
国民の館: 5レイ
合計: 19.6レイ(約910円)

国民の館内部
2007年1月21日(日)
国民の館内部

 ↑これが『国民の館』の内部だ。
 館内最大のホールがここで、写真の真正面に見える壁にはチャウシェスクの巨大肖像画がデカデカと飾られていたらしい。 どんだけ自分大好き人間だよ?!
 その反対側の壁にも、彼の奥さんの巨大肖像画が飾られていたそうな。
 いや〜、その絵が見たかった・・・

 窓に掛かっている巨大カーテンは、重さが1枚250kgあるらしい。 開け閉め出来ないな・・・
 さらに、上の天井が電動開閉するらしい。

 夜、宿で他の旅行者に「今日はどこに行った?」と聞かれた。 えーっと、ATMに金を下ろしに行って、スーパーに買い物に行ったかな?
 「ものすごーくホステルのご近所じゃん!」と言われたが、言い返してやった。 今日はサンデーですよ!? 安息日でしょうがぁ〜! 安息日は家にこもって、ひたすらボケーっとして翌週に備えるべく体力を回復させるんです。 そしたら、「金曜日もずっとホステルにいたじゃない?」と突っ込まれた。
 ・・・確かに。
 っていうか、1年以上も毎日毎日観光出来るかっ!ちゅーの。 どんだけの旅行好きよ、そんな奴。
 旅行飽きたなぁ〜・・・

旅の出費
バス: 1.1レイ
タバコ: 4.5レイ
食費: 14.5レイ
合計: 20.1レイ(約940円)





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