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日本上陸目前日記


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現在地はどこなの?

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中国の寝台・硬臥
2007年11月26日(月)
十二年ぶりの上海

 写真は、寝台列車の『硬臥』の様子。
 ご覧の通り、三段ベッドが向かい合って1つの区画になっており、アメリカの刑務所を連想させるような造りになっております。 
 でも新型車両を使っているので新しく、各区画には液晶テレビが付いている。
 難点は、1段目以外は座ることさえ難しいこと。 俺は1番上のベッドだったが、多分2段目のベッドが一番高さが低いと思う。 一番上は、座ろうと思っても頭がぶつかって、常時会釈をしている状態だ。
 窓に向かって「こんちにわ」
 だから寝ている時以外は、廊下でウロウロしたり、1段目のベッドに勝手に座っておくしかない。

 でも、思ったよりも快適な旅でした。
 硬座よりも遥かに楽ちん。 やはり足を伸ばして寝れるというのは長距離移動では大事なことです。

 西安を出てから約16時間後の、昼12時に上海に到着。 後で知ったんだけど、俺とすれ違いでフランスの猿孤児大統領が西安入りしたみたいね。
 俺には関係のないことだけど。

 上海・・・俺にとっては2度目になる。
 でも全然懐かしさがない。 もちろん、様変わりし過ぎて別の町に感じてしまったから、というのもあるかも知れないが、それとも違う気がする。 上海駅だって、12年前も使っているはずなのだが別に何も感じない。
 多分ねぇ・・・俺、何も覚えてないわ。

 上海のスーパーマーケットに入ってみた。
 いずれは巨大スーパーに出撃する予定だが、まずは宿の近所の普通のスーパーで初陣を飾った。
 売られている商品を見てまず思ったことは、日本のメーカーも頑張ってるねぇー。
 アサヒとサントリーがビール戦争でもしているのか、青島ビールよりも沢山置いてあってビックリ。
 清涼飲料水コーナーにも、キリンの『午後の紅茶』や、サントリーの『烏龍茶』など目白押し。
 日清もきちんとカップヌードルを売っている。 中国オリジナル味だ。 何々?
 『意大利牛肉面』

 ・・・・・

 一昨日の日記に、『アメリカ・カリフォルニア牛肉面』について書いたが、日清までも『イタリア牛肉面』って!
 しかし凄いな、牛肉面って。 何にでも融通が利くんだから、大したもんだ。
 次に『ウズベキスタン・カラカルパクスタン牛肉面』とか見付けちゃっても、驚かないから。

旅の出費
食費: 9.4元
地下鉄: 3元
外食代: 12元
宿代(3泊分): 180元
合計: 204.4元(約3,230円)

浦東区 in 上海
2007年11月27日(火)
素敵な出会い

 今日は面白い日記が書けそうです。
 久しぶりに『海外旅行っぽい』体験をしました。
 今日の日記は長いですよー。

 とりあえずは、今日の行動から。

 本日、ついに日本行きの船のチケットを買った。
 来週初めに上海を発つ『蘇州号』のチケットだ。 「学生ですっ!」と言って、2006年末で有効期限の切れている学生証を提出してみたが、予想通り拒否され通常大人価格の1,300元(約20,500円)で購入。
 これで日本帰国は秒読み段階である。

 チケットを買った後は、外灘を散策してみる。
 もちろん12年前にも来た場所である。 列強の租界が置かれていた場所で、ヨーロッパ建築の建物が並ぶ通りだ。
 外灘自体は昔から変わっていない気がするが、周りの景色が違う気がする。 特に川向こうの浦東区は全然違う。 『東方明珠塔』というテレビ塔は、12年前には完成していたが、その周囲はもっと寂しい感じだった記憶がある。 日本では倒産した『ヤオハン』もあって、12年前に行こうか迷ったのだが交通が不便なので結局は行かなかった。 今も『ヤオハン上海』はあるらしいが、創業者の和田一族とは資本関係がないそうだ。
 上海にいる間に、アジア最大の巨大百貨店であり、かつヤオハンが倒産する原因になった上海ヤオハンにも行って見ないと。 ヤオハンは元々、静岡県熱海の八百屋だからね。 昔住んでいた伊豆はヤオハンのお膝元だった関係(?)もあるし。

 浦東区にそびえ立つ超高層ビル群を眺めた後は、ショッピングをすることにした。
 とりあえず靴が買いたい!
 『南京東路』という繁華街を歩きながら、気に入る靴がないか?探した。

 『味千らーめん』で豚骨らーめんを食い、『ユニクロ』を覗いてみる。 『ローソン』でジュースも買った。
 なかなか良い靴が見付からない。
 『味千らーめん』って九州のらーめんチェーン店なんだけど、バンコクにもある。 だが、上海の『味千らーめん』はバンコクのそれと違い、らーめん以外のメニューもあって居酒屋風だった。 味だが、スープはバンコクのと変わらないが、麺が違う気がした。 なぜなら、バンコクの『味千らーめん』は美味しいとは思わないが、上海のは美味しくないとも思わなかったから。
 俺の味覚レベルが下がってるのか?

 さらに靴を探し歩いていると、突然中国人女性に声を掛けられた。 もちろん何を言っているか分からないので、英語で「中国人じゃないから」と答える。
 すると、突然英語で話し始める彼女。
 えー、ワタクシ、『犬も歩けば売春婦に当たる』ということわざでも有名な性産業の都バンコクに五年住んでいたことがあります。 このワタクシが、ピピッと「こいつは素人じゃないな」と直感したわけです。
 この直感が正しかったことを証明したわけですが、俺が予想していたのと違う形で素人ではありませんでした。
 今日の日記の本題はここからです。

 突然、英語で話し始めた彼女だが、本人曰く「昨日、青島から上海に遊びに来た」のだそうだ。
 そのくせ、「アディダスのお店はどこ?」と聞いたら、「あっち」と即答できたことは称賛に値する。 昨日来たばかりにしては、随分と詳しいねぇー。
 さらには電話で連絡を取り始め、直ぐに別な女性が現れた。 「一緒に青島から来た友達」だそうだ。
 ハイハイ・・・
 後から来た友達は、なぜか日本語を少し話す。 理由は「日本が好きだから」。
 偶然にしては随分と出来すぎたお話しですこと。 日本語を話せる子が、偶々日本人を捕まえた?
 何だか面白そうなので、少し彼女たちに付き合ってみることにした。

 しばらく話をしていると、「座ってお茶でも飲みましょう」と言われた。
 言われるがまま付いて行くと、繁華街のど真ん中にある近代的なショッピングセンターの3階にあるコーヒーショップに連れて行かれた。 随分とオープンな感じの、小奇麗な店である。
 メニューを見ると、高い。
 が、「まっいいや」と思って30元(約470円)のコーヒーを頼んだ。

 するとコーヒーと一緒に、頼んでもいない特大フルーツ盛り合わせ、ピーナッツなどの“おつまみ”が出てくる始末である。
 ほーぉ、大体どんなお店か想像がつくな。
 と思いながらも、食っちゃったけど・・・
 さらには、女の子2人が勝手にウィスキーを頼み始めた。 まぁ、ついでだから出されたウィスキーは全部飲んじゃったけど・・・

 女の子たちは、やたらと「ガールフレンドどうこう」だの、「中国人女性と付き合ったことはあるか?」などの『男女関係』系の話題を振ってくる。
 「男の下心を上手に利用してやろう」という思惑がある話の振り方だ。 ガキの分際で、俺を嵌めようとしてますね?

 程よく酔っ払ってきたし、お勘定をお願いした。
 出てきた請求額は・・・

 6,000元(約9万5千円)也!!

 ワーォ、予想していたよりもかなり高くてビビっちゃった!! 上を取られたねぇ・・・
 途中から、この2人は美人局や援助交際ではなく、俺をぼったくりバーに連れてくるのが目的だったということには薄々気付いていたけど。
 俺としたことが『素人ではない』と読んだところまでは良かったが、読みが浅かった・・・

 でも、俺のポケットには250元(約4千円)しか入っていない。 日本行きのフェリーのチケットを買っちゃったからね。
 すると、マネージャー風の、請求書を運んで来た女性が中国訛りの日本語で「あなた、暴力が欲しいの?」と聞いてきた。
 難しい質問である。
 己に暴力を欲するほど、マゾではない。 でも、6,000元の請求に対して250元しか持っていないわけですから・・・「欲しくはないけど、(それも)仕方ないでしょ」と答える。
 すると「他にお金ないの? 調べなさい」と、いつの間にか命令口調で指示される始末。
 素直に「はい」と、ポケットをまさぐる。
 結果、俺の財布の中にあった1000トルクメニスタン・マナト(約5円)、60ベラルーシ・ルーブル(約3円)、100ウズベキスタン・スム(約9円)、80ザンビア・クワチャ(約2円)、50セルビア・ディナール(約90円)、1トランスドニエストル・ルーブル(価値ゼロ)など、合計110円相当の札束が見付かってしまった。
 なぜか、チラ見しただけでポイッと投げ捨てられた。

 まぁ、完全にぼったくりバーだったわけですが、何故かめちゃくちゃ冷静沈着でいられた。
 酔っ払ってたからかな?

 すると、女の子2人が「私たちが頼んだのが悪いから、3人で割り勘にして1人2000元ずつ払いましょう」と提案して来た。
 「ほら、私のカードで4000元を払うから」だって。
 一見すると至極真っ当な意見のようだが、釣られて同意しては向こうの思う壺である。
 「いやー、俺の方が沢山飲んじゃったから、それは悪いよ」と、意味不明な言い訳をして誤魔化す。

 こういう場合は第三者立会いの下で話をした方がいいだろう、と思い「とにかく警察に行って話をしましょ」と言うと、「よっしゃぁーっ、警察に行ってやろうじゃねーか!」的に何故か気合満々の男性ウェイターたちが集まってきた。
 女性マネージャー曰く「私、ヤクザ知り合いね」。
 同時に女の子2人が態度を急変させ、「警察に行くのは良くないから、私が全部を払う。 これで終わりにしよう」と言って来た。

 あっ、日記書いていて気付いたけど、俺ミスってるわ。 ここで女の子たちの言う通りにしていたら、このまま終わっていたかも知れない。

 が、なぜかそれには同意せず、警察に行くことにこだわった俺。 すると気合満々のウェイター(デブ)が「よしっ、警察行くぞ!」と俺を引っ張った。
 ここで告白してしまうが、俺は人様に引っ張られることが嫌いである。
 そこで「その汚い手で俺を触るな」と英語で言ったわけです。 放送禁止用語も交じえてね。
 すると、デブが蹴ってきた。 前蹴りってやつ。
 「何っ?! もう一度言ってみろ!」と。

 普通だったら俺も当然のごとくキレるが、今日は自分でも驚くほど冷静だった。 強がりで言う訳では決してないけど、全然痛くなかったし。
 「だから、その汚い手で俺を触るなって言ったの」
 すると、また蹴ってきた。
 『ここで俺が殴り返したら、後々状況が俺に不利になる可能性がある』などと頭の隅で考えながらも、『相手は女抜きにしても5人だから、勝てないだろうな』と状況分析。
 しかし頭では冷静でも、ついつい口には出ちゃうものです。 女性マネージャーが口喧しいので、せっかくだから「ビッチ」呼ばわりしたわけです。
 そしたら、ビンタされちゃいました!

 女性にビンタされたのは初めてかも・・・
 ビンタされた時、俺はそんな事を考えていた。

 「殴りたいなら、女性の私を殴り返してみなさいよ!」と、本物のビッチっぷりを発揮する彼女。 何だか彼女がわざわざ「女性」という言葉を使ったことが滑稽で、笑いながら「いや、俺は殴らない。 ここにいる“ビッチの息子たち”(SOB)とは違うからねぇ」と言うと、今度は周りのウェイターたちがキレた。

 改めて文字にしてみると、若干だが俺が火に油を注いでいた気がしなくもない・・・

 俺の発言にキレたウェイターたちに囲まれ、胸ぐらを掴まれる。
 何を言っていたか?よく聞き取れなかったけど、多分というか間違いなく脅し文句を言っていたと思う。
 でも意味が分からなかった・・・

 その内に向こうも飽きてきたのか?「もう行け!」という事になった。 ショッピング・センターのガードマンも来ていた。
 そのガードマンが、店から離れたところで「あの店には近づくな」的なジェスチャーをしてきた。 ということは、常習犯ってことだな。
 女の子2人は、俺がウェイターたちと揉み合いをしている間に消えていた。

 「色々とお疲れ様でした!」 とりあえずタバコでも吸おうとタバコを口にくわえるが、ライターがない!
 あの店に忘れてきた・・・
 仕方がないから、戻る。
 「俺、ライター忘れちゃったみたい」と。
 そしたら、今日買ったばかりの上海の地図も忘れていて「おぉ、すっかり忘れてた!」と返してもらったが、肝心のライターがない。
 結局、ウェイターからライターを貰っちゃいました。

 ちなみに、後でポケットの中を探ったらライターありました・・・

 一服しながら、どうしようか?考える。
 店でCitibankのATMカードを取り上げられて、俺の目に見えないところに持って行かれた空白の数十秒がある。 スキャミングされている恐れもあるから、とりあえず止めておこう。

 高級ホテルのビジネス・センターから日本のCitibankに電話を掛けたら、97元(約1,530円)も取られた。
 ついでに、在上海の日本領事館にも電話する。 250元(約4千円)を払ったことはどうでもいい。 だが、デブが俺を蹴ってきたことは許せん。 女のビンタは・・・別にいいや。
 最寄の警察署の住所を聞き、「中国の警察って、どうなんでしょう?」と一応は聞いてみる。 途上国の警察は腐っていて当然だからな。 裏で暴力バーと繋がっていて、警察に行っても無意味なら、行くだけ時間と労力の無駄だし。 そしたら、「少なくとも上海の警察はまとも」らしい。
 大使館の人によると、上海では暴力バーが流行っているそうだ。 「注意を呼びかけているんですけど」と言っていたが、まんまと引っ掛かったワタクシ。

 教えられた住所の警察署に行き、英語を話す警官に通訳してもらい、怖そうな顔の警官に経緯を説明する。 彼は別の仕事をしながら、フンフン聞いている。
 その後、放置プレイ。
 ・・・ん? 質問とかしないの?

 ボケーっと10分ほど警察官たちに囲まれながら、何がどうなっているのかも分からないまま待っていると、俺の隣りに立った人がいる。
 ん? 見たことがある顔だな・・・
 と思ったら、俺を蹴ったデブじゃねーか?!

 何だ、この手際の良さ?
 やはり常習犯で、警察も直ぐ誰と特定出来るんじゃねーか? 調べもせずにデブに連絡が行っているということは、そういうことだろ。

 デブは、いきなり俺に250元を返してきた。
 が、「金は要らない」と突き返す。
 するとデブは「何だ?! お前は何がしたいんだ?!」と声を大きくした。
 「俺もウィスキーをカパカパ飲んじゃったしねぇー、お金は仕方がないと思ってるけど、お前が俺を蹴ったことが許せん」と言うと、「じゃぁ、何だ?! 何がしたい?!」と聞いてくる。
 「じゃぁ、俺と寝ろ!」と言ったら、こいつビビるかな? でも「いいよ」って言われたら、今度は逆に俺がビビるしな・・・などと考えていると、「どうしたい? 俺を蹴るか?!」と言って来た。
 おっ、それグッド・アイデア!
 「何発、俺を蹴った?」と聞くと、「3発」と言う。
 そんなに蹴ってたんかい!!
 「じゃぁ、俺にも3発蹴らせろ」
 警察からもOKが出たので、蹴らせて頂いた。

 むかーし、むかしにムエタイのジムにずっと通っていたことがある。 仕事帰りのエクササイズとかではなく、朝のマラソンから始まって、ひたすらサンドバッグを蹴って、ミット打ちで1日が終わる数ヶ月。 結局は(マラソンはサボっていたし)体力がないし、動体視力が悪いから止めたが、今はその頃の面影すらないのでムエタイの事を自分の口から出すことはない。 格闘技経験者と勝負をしたら、確実に負ける自信があるからな。
 でも、デブよりは蹴りが上手い自信がある。

 全身全霊でローキックを3発、警官たちの前で放ってきました。

 そして、警官が「よしっ、これで終わりだ!」と宣言し、店の名前を書いた紙を破り捨てろと指示された。 そして、なぜかデブと握手をしてお別れ。
 一度は断ったものの、「やっぱり返せ」と250元も返してもらい、最終的には実害ゼロで終わりました。
 どちらかと言えば、タダ酒を飲ませていただいて恐縮してます。

 『何だか、今日は充実していた一日だったなぁ』と思いながら、警察署から地下鉄駅に向かっていると、中国人2人組が中国語で話しかけてきた。
 女性2人組である。
 「中国語は話さない」と言うと、いきなり英語に変わり「本屋さんはどこですか?」と聞いてきた。 普通、外国人に聞くか?
 だが、心優しい俺は地図を買った本屋さんを教えてあげた。
 すると、「一緒にお茶でも・・・」だって(笑)
 これ、ネタじゃないです。
 またあの店に行ったら面白いかな?とは少し思ったが、そこまでする元気はない。 「さっき会った別の2人組と手口が似てるよ」と言うと、あからさまに嫌な顔をされて離れて行った。

 『なんて町だ、上海は!』と思いながら、地下鉄に乗って宿に帰ってきました。
 かなり混んでいた車内から出て、ジャケットのポケットに手を突っ込んだら違和感が・・・
 右ポケットに入れておいた物がない!!
 すられた・・・

 日本領事館の電話番号を書いた紙と、暴力バーに忘れていったが結局は返ってきた上海の地図。

 欲望と罠が渦巻く大都会・上海を満喫中です。

旅の出費
地図: 8元
地下鉄: 8元
外食代: 38元
電話代: 97元
蘇州号(→大阪): 1,300元
合計: 1,451元(約22,900円)

上海の繁華街・南京東路
2007年11月28日(水)
吉野家

 偶々知り合った日本人観光客と立ち話をした。
 他愛もない話をしたのだが、話題が3分で尽きたので「いやぁ、昨日暴力ぼったくりバーに入っちゃって、9万6千円も請求されちゃいました!」と言ってみた。
 ウケるかな?と思って言ったのだが、予想が外れて真顔でマジマジと見られた。
 そして「あなた、海外旅行は初めて?」と聞かれた。
 「えー、4回目・・・くらいですかねぇ」と答えると(回数にするとこんなもんだろ?)、「そんなに旅行されていたら分かるでしょう? 私もね、海外にはもう20回以上来ていますけど・・・」と、若干嫌味に聞こえなくもない不必要なジャブを放ってから、おばちゃんは説教を始めた。

 「海外は日本とは違うのよ。 日本と同じ感覚でいたら、直ぐに犯罪に巻き込まれちゃうわよ! そもそも、知らない人について行ったらいけないのは常識中の常識じゃない?」
 『はい・・・すいません』

 その後、水を得た魚のように、自らの体験が元になった海外話を語り始め、“いかに海外は危険であるか!”を長々と聞かされる羽目になった。
 言わなきゃ良かった・・・
 パリでカバンをひったくられそうになったとか、ニューヨークのダウンタウンをタクシーで走ったら、それはそれは恐ろしげな雰囲気だったとか、散々聞かされながら「うわぁ、怖いですねぇ」と相槌を打つ。

 「俺が今回の旅で一番『やばいかな?』と感じたのは、自称国家・南オセチア共和国で、軍服を着て、口と目だけ見える目だし帽を被って、肩から迫撃弾用ランチャーの付いたAK-74(自動小銃)を下げた2人組に、車に乗せられて未舗装の寂しげな通りに入って行かれた時ですかねぇ」とも言えんだろ?

 「立ち話もなんですから、コーヒーでも飲みながらゆっくり聞かせて下さい」とでも誘ったら、簡単についてきそうな勢いであった。
 そして、あの暴力ぼったくりバーに連れて行くと。

 夜、ネオンの上海を散歩した。
 写真は、上海でも最も有名なショッピング通りの一つである『南京東路』の夜。
 君もここを歩けば、昨日の俺と同じ体験が出来るチャンスが巡って来るかもよ!?

 南京東路には、ユニクロもあるし、味千らーめんもあるし、吉野家もある!
 今日は吉野家で夕食を食べました。
 牛丼(大)が21元(約330円)也。 レジの女の子は日本語を少し話せた。
 「おおきい? ちいさい?」って。

 俺、もしかしたら吉野家で食うのって10年以上ぶりかも知れない。 少なくとも4〜5年は行っていない記憶がある。 わざわざ行かないといけないような店でもないけどな。

 なぜ来週には日本食を食べられるのに、中華料理の本場・中国で日本食を食べているのか?だが、「体を慣らせておく為」とでも言っておこう。
 帰国して突然日本食を食べて、胃がショックを受けて死んじゃうのは避けたい。 そのためにも今の内に徐々に胃に日本食を慣れさせておかねば・・・

旅の出費
地下鉄: 8元
外食代: 51元
合計: 59元(約910円)

アディダス? in 上海
2007年11月29日(木)
お引越し

 アディダスみーっけ!
 と、入ろうとしたら全然違うお店でした(写真)。
 でもスポーツ用品店なんだよねぇ・・・ これは、ぎりぎりアウトだと思うんですけど。 ロゴのデザインを絶対にパクってるでしょ?!

 昔、福建省の厦門という町でケンタッキー・フライドチキンに入ろうとしたことがある。
 だが、違和感を覚えて良く看板を見てみたら・・・
 『ケンロッキー・フライドチキン』と書かれていた。
 完全アウトー!!

 今日は、宿を引っ越した。
 今まで泊まっていた宿は、ドミトリー内でも無線LANが入るし、綺麗で清潔でかなり高得点だったのだが、日本行きのフェリーが出る港からは遠い。 それにドミトリーの分際で60元(約930円)もしやがる。
 そこで、いっぺんに移動すると疲れるので、徐々に港に近づいて行くことにした。
 とりあえず上海に来てから3泊したので、町の中心地にある宿に移動して3泊し、最後は昔も泊まったことがある港近くの『浦江飯店』に移動して2泊する予定だ。
 そんなわけで、今日は人民広場近くの宿に移動して来た。 ドミトリーで40元(約620円)なら、上海にしては良い方だろう。 建物は綺麗だし、設備は整ってるし、各ドミトリーのドアはカードロック式だし、満足。 宿内には無線LANも飛んでいるのだが、俺のドミトリーでは受信出来ないのが残念。

 夜、飯を食いに南京東路を歩いていたら、前方から顔見知りが歩いて来た。
 俺は気付いたが、彼女は気付いていない。
 目の前に行って、「ひーほー」と声を掛けた。
 ギョッとした彼女は、自称・青島から遊びに来ている女の子(自称20才)。 なぜか、走って逃げて行ってしまった。
 また新たなカモを物色している最中だったのかな? 別に何とも思ってないんだから、逃げることないのに。

 一昨日の『暴力ぼったくりバー』での一件を日記に書いてから、ホームページのアクセス数が今月最高を更新した。 アクセス数をもっと伸ばしたかったら、もっと体を張れってことですか?
 お断りだっ!!

 新しい宿のドミトリーで、日本人旅行者2人と一緒になった。
 1人は週末を利用して上海に遊びに来ているサラリーマンだったが、日本からの航空運賃を聞いて軽くショックを受けた。
 往復で19,000円だって・・・
 俺の船(しかも片道)より安いじゃねーか!!

 彼らにも暴力ぼったくりバーの話をしたら、全然ウケないんですけど・・・
 「えっ、普通は向こうから声を掛けてくる段階で怪しいって分かるじゃないですか?」って真顔で言われた。
 そんなことにすら気付かなかったのか、このボケが!的な雰囲気すら漂わせている。
 むぅ、もう誰にも言わんぞ、この話!!

 しばらく話をしていて、向こうから聞かれたので俺の今までの海外歴を話ししたら、「えー! さっき暴力ぼったくりバーに引っ掛かったって言ってたから、てっきり海外初心者なのかと思ってましたよー!」って言われた。
 むぅ、暴力ぼったくりバーに引っ掛かる=ちょっとおバカな海外初心者なのか? 海外慣れしている=暴力ぼったくりバーには引っ掛からないのか?
 実害ゼロだったら、色々経験した方が面白いと思っているのは俺だけなのか?!
 やっぱり、もう誰にも言わんぞ、この話!!

旅の出費
洗濯: 8元
食費: 17.5元
地下鉄: 10元
外食代: 58元
タバコ: 14.5元
テレホンカード: 50元
宿代(3泊分): 120元
合計: 278元(約4,310円)

リニアモーターカー in 上海
2007年11月30日(金)
最高時速431km/h

 今日は空港に行ってきました。
 どうしても空港のローソンでオニギリを買いたかったから。
 そんなわけで、オニギリを買いにリニアモーターカーに乗ってきました。

 正式名称は『上海磁浮列車』。
 一応、世界初の商用営業の高速リニアモーターカーである。
 上海の浦東新区の龍陽路駅(地下鉄2号線)と、浦東国際空港を結ぶ30kmの区間を営業している。
 早速、地下鉄2号線に乗って龍陽路駅まで行ってみた。

 地下鉄駅と隣接してリニアモーターカーの駅があり、真新しい感じで綺麗だ。
 チケットは、エコノミー席とVIP席の2種類があり、エコノミー席で片道50元(約775円)する。 当日の航空券を持っていれば20%OFFで乗れるらしい。
 リニアモーターを体験してみたいだけなので、本当は片道でも良かったのだが、往復で買うと80元(約1,240円)らしいので「おっ、割安!」と往復を買った。
 後で考えたら、宿2泊分であった。 同じ値段で7分×往復=14分である。 高ぇー!

 やはり運賃がネックになっているのか?乗客の半分以上は外国人旅行者だ。 席もガラガラで、1列を1人で使っても余裕。
 多分、皆さんリニアモーターカーに乗った理由は俺と同じだと思う。 スーツ姿の西洋人のビジネスマンたちも写真をバシバシ撮ってたもん。

 そもそも、リニアモーターカーって何km/hで走る物体なのか?という、基本的な知識が欠如していた俺は、グングンとスピードをあげていくリニアモーターカーにちょっとビビってしまった。
 一応、車両の電光掲示板ではリアルタイム速度表示が出る。
 あれ、300km/h超えた!
 「速ぇー!」と思って、電光掲示板の速度表示を写真に撮ったら、そんな速度はまだまだ序の口だった。
 あれ、400km/h超えた!!
 最高速度が何km/hか分からないので、シャッターを押すタイミングが分からない。 最高時速は431km/hだったが、最高時速をマークしていたのはホンの短い時間だけだった。 写真に撮ろうとした時には、既に減速を始めていた。

 正確には7分20秒で空港に到着。 呆気ないね。
 空港のローソンでオニギリを2個と、プリンと、午後の紅茶を買って、再びリニアモーターカーに乗って帰ってくる。

 総工費に幾ら掛かっているのか知らないけど、間違いなく採算は取れていないだろうな。 日本の場合もそこがネックになっているのだろうけど。
 ただ、実際に『リニアモーターカーが走っている』という事実だけでプラスになる面も大きいと思う。 中国も「中国ってこんなに凄いんだぜ!」と外国人にアピールするには有効な手段だと思っているから、赤字だろうが営業しているのだろう。
 自分たちの技術じゃないんだけどな。

 振動も騒音も、それほど気にならなかった。
 ただ、停車状態から発車する瞬間のグッと引っ張られるような感覚が気になった。 3分ちょっとで400km/hを超えるためにはそれなりの加速が必要だから、仕方ないのだろうけど。

 宿に帰ってから、日本のリニアモーターカーについて調べてみたら、山梨実験線で最高速度581km/hを記録してるらしい。 実験線の距離が43kmってことは、上海より少し長いだけだから、加速時のGが凄そう。
 日本のリニアモーターカーにも乗ってみたくなった。
 走行中に窓から顔を出したら、首から先が飛んで行くんじゃね?

 夜は、『和民』で夕食。

旅の出費
食費: 12.8元
地下鉄: 11元
外食代: 81元
磁浮列車: 80元
合計: 184.8元(約2,860円)

ジャズバンドの野外演奏に聴き入る乞食 in 上海
2007年12月1日(土)
行動する男、オレ

 日本に帰ったら何をしようか?考えた。

 日本を外から冷静に眺めていると、日本の未来に不安を感じずにはいられない。 太平洋戦争で負けた日本は、その敗戦から真の意味での教訓は学んでいないのではないか? 一例を挙げれば、情報(インテリジェンス)の大切さに関して何も教訓を生かせていないではないか。
 面白かった本に、堀栄三著『大本営参謀の情報戦記 - 情報なき国家の悲劇』というのがある。 戦時中は“日本のマッカーサー”とアメリカに恐れられた著者がインテリジェンスについて書いている。 旧日本軍は、アメリカと戦争を始めた後にようやく大本営参謀本部内に『米国課』という独立部署を開設したそうだ。 そりゃ負けるわ!
 戦後は自衛隊の統合幕僚会議第2室長(情報室)として、ずっとインテリジェンスのプロとして生きてきた人の言葉から何も学び取らないのだろうか? 『情報なき国家の悲劇』を繰り返さなければ良いが・・・
 そこで、俺は日本に帰ったら立ち上がろうと思う! 言葉だけでは何も変わらない! 行動こそが変化を生み出すのだ!
 そんなわけで、プレステ3を買おうと思う・・・
 『ウイイレ2008』と、『メタルギアソリッド4』がやりたいです。

 国家の情報戦略を、プー太郎の俺がどうこうするのは難しいな・・・
 もっと身近な場面で考えてみよう。 ニュースにこんな記事が載っていた。
 「山梨大は、女子学生を「ちゃん」付けで呼び不快に感じさせたのはパワーハラスメントに当たるとして、同大大学院医学工学総合研究部の50代の男性教授を懲戒処分にした」(産経新聞)
 ・・・・・
 病んでますな。 具体的なことが分からないから、この記事の文だけで評価してしまうけど、日本って国はとてつもなく変な国ですよ?!
 日本人全体というか、個々の人物がどんどん小振りになっている気がする。 もっと“ワイルドさ”が欲しいよなぁ。 “心のゆとり”と言ってもいいけど。
 そこで、ストレスというものを感じたことがない、いわば“心が緩々”な俺なら何かお役に立てるかも知れない! 暴力ぼったくりバーでも“心にゆとり”を持って対応出来るノウハウを伝授して、皆様のお役に立ちたい!
 そんなわけで、年末は『M-1グランプリ』が楽しみ。 元PRIDEが大晦日に『やれんのか!2007』を開催するらしいけど、テレビ中継するのかな? あと、今年はガキの使いの『笑ってはいけないシリーズ』はやらないのかな?
 テレビが楽しみー。

 今日は、ついに靴を買った。 長旅でボロボロになった靴もゴミ箱にポア(旧オウム、現アーレフ用語)して、帰国準備も着々と進んでおります。
 今夜の夕食は、『カレーハウスCoCo壱番屋』。

 (手振れ)写真は、ジャズバンドの野外演奏に聴き入る乞食。 上海は、1920〜30年代はアジア一の音楽の都だった影響もあり、今でもジャズで有名だ。 もしかしたら、この乞食はジャズに対する造詣が深いかも知れない。 「上海なら有り得る」と思ってしまうのは、上海マジック。
 上海で一番有名なのは和平飯店の1階にある『オールド・ジャズ・バー』ではないだろうか? 平均年齢70オーバーのオールドジャズメンが奏でるジャズを聴きに集まる観光客も多いと聞く。
 俺も一番好きなジャズ・ベーシスト『マーカス・ミラー』の曲でも聴きながら夜の上海を散歩してみようかな?

旅の出費
食費: 8.7元
地下鉄: 6元
外食代: 70元
タバコ: 14.5元
シューズ: 520元
宿代(1泊分): 50元
合計: 669.2元(約10,370円)

上海の路地裏の風景
2007年12月2日(日)
壊れかけ

 本当は今日にも宿を引越して、『浦江飯店』に移る予定だったのだが、急遽中止。
 昔から『浦江飯店』は、「上海のバックパッカー宿と言えば・・・」というくらい超有名安宿だった。 俺も17才の時に『新鑑真号』に乗って上海に来た時には、『浦江飯店』に泊まったものである。
 だが、その『浦江飯店』にドミトリーがなくなったらしい。 えっ?!と思って、ネットでも調べてみたがどうやら本当っぽい。

 「バックパッカー宿だった」と言っても、実は『浦江飯店』って凄いホテルなんだけどね。
 1846年に『リチャーズ・ホテル』として創業を開始したオールド上海を代表するホテルの一つだ。 1907年にはヴィクトリア・バロック様式の建築物に改装され、ゲストにはアインシュタイン、チャップリン、グラント第18代アメリカ大統領などが名を連ねる。
 それがいつの間にかバックパッカー宿に・・・
 バックパッカー宿になる方が不自然だろ?! ドミトリーを潰して正解かもね。

 そんなわけで、『浦江飯店』の選択肢が潰れてしまったので、今の宿にもう1泊だけ延泊して、明日宿を移動することにした。
 新しい宿は『浦江飯店』より港から若干遠い程度なので問題ないだろう。
 明日宿を移って1泊したら、次の日の朝には中国出国ですよ!!
 明後日。
 英訳すると、the day after tomorrowですよ。

 ちょっと緊張してきた・・・

 そこで、買い物に出掛けた。
 なぜか、眼鏡を買ってしまった。 伊勢丹の中に『和真』が入っていて、店員の中国人のおばさんが日本語かなり上手だったから・・・
 眼鏡を買うつもりなどミジンコも無かったのに、何故か買っちまった。 やばい、壊れ始めたか?

 俺が今日買おうとしているのはバッグである。 眼鏡ではない。
 気を取り直し、バッグを探す。 高級ショッピングモールを歩いていると、プラダのショーウインドウに好みのデザインのバッグが売っていた。
 くそー、プラダなんて嫌いだけど好きだ! 偶に俺に買われたそうなデザインのがあるんだよなぁ・・・ 昔、プラダのパソコン・バッグを買おうとしたんだけど、ナイロン製のくせに10万円超えてるってどういうことじゃぁ!? ちょっと金を足せばパソコン本体が買えちゃう値段ってどういうことじゃぁ!? と思い直して諦めた覚えがあります。 ナイロン製品に10万円も払う人は馬鹿だと思います。 原価が幾らか考えてみ? 危うく馬鹿になりそうだった俺からの一言でした。
 グッチは相変わらずデザインも好みじゃない。

 完全にバッグを探すフロアを間違えていた。
 何を隠そう! 俺は貧乏人である! 少し自慢になってしまうが、今回の旅の所持金はグルジア(いつの話だ?)でとっくに尽きている。 グルジア以降は借金パッカーである。 日本に帰ったら返さなきゃ・・・
 プラダのショーウインドウの前で涎を垂らしている次元にいる人間ではないのだ。

 若者向けのフロアに行ってみる。
 俺も若者だからな、グハハハ。
 で、キャップを買ってしまった・・・

 しまった・・・ やはり壊れかけている。

 最終的にはきちんとバッグも買えたが、これ以上壊れると無一文になってしまう。

 今日の夕食は、『食尚食屋(よってこや)』。
 『大阪王将』をフランチャイズ展開するイートアンドが運営する店だ。 『餃子の王将』とは元々は同じだったのだが、喧嘩別れした。
 店が狭いという理由もあると思うが、かなり中国人で混んでいた。

旅の出費
食費: 19元
地下鉄: 3元
眼鏡: 588元
外食代: 57元
アクセサリー: 551元
合計: 1,218元(約18,880円)





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