ちんちゃんちょーん!
ひーほー!
つ、ついにやって来ました『中華人民共和国』!
今まで中国には2回来たことがあるが、一番最後に来たのは俺が17才の時だから実に11年ぶりである。
俺の初めての海外旅行は、16才の時に1人で中国に行った時だが、あの時の強烈なカルチャーショックがなければ、海外に目を向けることはなかっただろう。 それまで海外になんて興味もなかったが、面白半分で遊びに行ってしまったがために今の俺がいる。
「なぜ最初の海外旅行に中国を選んだのか?」と聞かれる時があるが、答えはずばり「俺の中で一番胡散臭い国だったから」である。 思った通り、いやそれ以上の胡散臭さで俺の度肝を抜いてくれた中国。
11年でどれだけ変わっているのだろうか?
昨日の夜9時半にオシュを出発したバスは、夜通し走り続けてタルドゥク峠(3,615m)を越え、国境に到着したのは今日の午前6時半。
ところが、キルギス側の国境が開くのが午前9時かららしく、それまで無駄に待つ。
9時に一番乗りで入ったものの、実際に出国手続きが済んで出国できた頃には12時になっていた。
さぁ、いよいよ中国入国!と思ったら、なんと中国側の国境が開くのは午後2時かららしく、これまた無駄に待つ。 理由が分からん!
午後2時に入国審査が始まり、実際に入国手続きが終わって入国できた頃には午後3時半になっていた。
キルギス側の国境に到着してから、国境越えをするだけで実に9時間が経過していた。 こんなに効率が悪く、無駄に時間のかかる馬鹿馬鹿しい国境は初めてである。
さて、晴れて11年ぶりに来た中国だが、カルチャーショックは中国に入る前からあった。
中国製『寝台バス』と聞いて、何を想像するだろう? 俺は“リクライニング・シートが思いっきり倒れて、寝やすいバス”を想像していた。
ところが、オシュで乗り込んだバスは写真の通り。
座席がない! そのまんま『寝台』だぁー!
「なんじゃこりゃー!」と少し取り乱してしまった。
一列に3ベッドが並んでいて、1つのベッドは長さが2mほどだが、幅が非常に狭くて棺桶で寝ているようだ。 事故ったら、間違いなく死ぬ。
しかも、“座れない”ということが意外と大変でもあることに気が付いた。 どんなに目がギラギラと冴えていようが、外の景色を眺めていたかろうが、寝そべっていないといけない。
こんなバス、初めて。
オシュを発ってから、実に22時間半後にカシュガルに到着。 22時間半の内、国境に9時間いたけど。
今までキリル文字だらけだったのが、いきなり漢字だらけになった。 やべー、意味が分かる。 旧ソ連圏に半年近くいたせいで、キリル文字は読めるようになっていたが、“読めるけど意味が分からない”ことと“読めないけど意味が分かる”ことでは大違いである。
それに、カシュガルは大都会だった。 中国領に入ってからの道路は、中央アジア各国の道路よりも遥かにキレイになっていたし、カシュガルの町自体も中央アジアのどの町よりも“都会”だった。 多分、町の規模としてはタシュケントの方が大きいだろうが、洗練度としてみればカシュガルの方が上である。
何から何までカルチャーショックである。
そして、今日でケープタウンを発ってから1年8ヶ月が過ぎた。 この1ヶ月間で使ったお金の合計は、8万8,990円。
先月の同じ日はウズベキスタンにいたが、そこからタジキスタン(日帰り)、キルギスと来て、中国に移動して来た。
旅の出費;
市バス: 1元
外食代: 19元
合計: 20元(約320円)
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