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アジア横断シルクロード日記


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現在地はどこなの?

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貨物トラック in トルクメニスタン
2007年7月16日(月)
ちんぴらポリス

 中国大使館に行って、ビザの申請をしようとした。
 ところが、中国からのインビテーション(招聘状)が必要だと言われ、あえなく撃沈。 ウズベキスタンの首都タシュケントで申請するしかなくなったようだ。
 まぁ、最悪取れなかった場合はノービザで入国して、カシュガルで1ヶ月ビザに切り替えるという方法もあるので、良いんだけど。 出来れば60〜90日ビザを取りたいと思っているので、事前に取得しておきたい。
 大抵の場合、半年のビザを申請すれば90日、90日のビザを申請すれば60日をくれるらしい。

 夜、宿に泊まっている日本人9人で中華を食べに行くことになった。
 全員揃って行くのではなく「直ぐ行くから、先に行ってて」と、3組に分かれて中華レストランに向かうことになり、俺は2番目に宿を出た。
 道路を横断しようとすると、道路の反対側に警官3人組がダラダラ歩いているのを発見し、横断しないことにした。 旧ソ連の国々では、なるべく警官には近づかないのがベストでしょう。
 警官たちと道路を挟んで並行して歩いていると、最初に宿を出た先発隊3人組が見えた。 彼らは警官たちと同じ側を歩いている。
 見ていると、先発隊3人組の後ろを歩いていた警官たちが口笛を鳴らして彼らを止めようとしている。 それが聞こえたのか聞こえなかったのか?先発隊はそのまま中華レストランに入って行った。 それを追う様に警官3人組もレストランに入って行った。
 う〜む、これは絡む気満々なんじゃぁ・・・

 俺らも続けて中華レストランに入って行くと、やはり思った通りの展開になっていた。 他の客たちが大注目する中、先発隊3人が座ったテーブルの回りに警官3人組が立って、日本人旅行者の1人を「おい、表に出ろ!」と袖を引っ張っている。
 見て見ぬ振りも出来るが、俺もそこまで腐ってはいない。 同胞日本人を見捨てるわけにはいかない。
 こうなったら加勢だ!

 「そーだそーだ、黙って表に出ろ!!」

 ん? 違うな、日本人の方に加勢したんだった。
 レストランの従業員で英語を話せるウェイトレスに通訳してもらって、「何か問題があるのなら、全て日本大使館を通してくれ」と言って、「さぁ、今から電話するから大使館と話をしてちょうだい」と電話しようとすると、多少は怯んだ様子の警官たち。
 最後はレストランのオーナーが話をつけてくれて、警官たちは帰って行った。

 現時点で、『警官が腐っている場所ランキング in 中央アジア』で堂々の1位に君臨しているのは、ここビシュケクである。
 警官に囲まれてパスポートを取り上げられて「パスポートを返して欲しかったら金払え」とか、腕を後ろに捻り上げられて「金払え」とか、首根っこを掴まれて「金払え」とか、他にも難癖を付けて金を巻き上げようとされた旅行者たちの話はよく聞く。
 “夜になるとビシュケクも治安があまり良くない”という話は、言い換えれば“夜になれば警官に絡まれやすくなる”ということである。

 そういえば、ウズベキスタンのタシュケントで警官に2時間尋問された友達の絡まれ方も、素敵であった。
 パスポートをチャックした警官。 ウズベキスタンのビザを指差しながら、「このビザに発給証明のサインをした奴は誰だ? 俺はこいつを知らない。 だから金払え」と絡まれたそうだ。
 突っ込みどころ満載な絡み方である。

 写真は、イランとトルクメニスタンとの国境で見かけたトラック。 見りゃ分かるが、鬼のように荷物を積んでいた。

旅の出費
タバコ: 16ソム
ビール: 74ソム
バス代: 16ソム
外食代: 104ソム
インターネット: 55ソム
合計: 265ソム(約840円)

オシュ・バザールの肉売り場
2007年7月17日(火)
ビシュケク最大のバザール

 ビシュケク最大のバザール、オシュ・バザールに初めて行った。 滞在4週目に入って、ようやくである。
 バザールがあまり好きじゃない俺がバザールに行った理由は、夕食の買出しである。

 オシュ・バザールは、商品ごとに売り場が分かれている。
 まずは肉売り場に行った。 ここも豚肉売り場と、鶏肉売り場と、羊&牛肉売り場は別々の建物に分かれている。 鶏肉売り場で、腿肉を5kg購入。
 肉売り場は、ずらーっと並んだ店先に肉を沢山ぶら下げていて圧巻だ。
 あとは、野菜や米を買い込んで買出しは終了。

 バザールでは、他に衣類や軍放出品まであり、ガスマスクが1個90ソム(約290円)前後で買える。
 ここでキルギス警察の制服(本物)を買ってコスプレすることも可能だ。 実際に、コスプレ警官が旅行者から金品を搾取すべく出没する話も聞く。

 買出してきた食材を使って完成した夕食は、炊き込みご飯、鶏の唐揚げ、ポテトサラダ、豆腐田楽、味噌汁と豪華で、12人で食べても食べ切れないくらいお腹一杯になった。

 今日で、ケープタウンを発って日本への帰国の途についてから18ヶ月が過ぎた。
 ちょうど1年6ヶ月である。 海外8年目にして日本への本帰国を決意して、実際に帰国し始めてから1年半が過ぎたということは、もう少しで海外10年目になってしまう恐れがあるということだ。
 それは避けたいので、今年中には日本に上陸しようと努力してみます。

 この1ヶ月間で使ったお金の合計は、4万580円。 何もしてないからな・・・
 ちなみに、この1年半の間に使ったお金の合計は、177万円。 使い過ぎなのか? 節約し過ぎなのか? さっぱり分からん。

旅の出費
食費: 130ソム
ビール: 50ソム
タバコ: 135ソム
市バス代: 8ソム
合計: 323ソム(約1,030円)

オーバーランダー in ビシュケク
2007年7月18日(水)
17,000km

 宿に、またオーバーランダーが来た。
 フランスから来た家族で、7才と9才の子供2人を連れて、ランドローバー『ディフェンダー』を改造したキャンピング・カー(写真)でユーラシア大陸を横断してキルギスまで来たそうだ。

 “ユーラシア大陸横断”と聞くと大変そうな感じがするが、実際には中国の上海からポルトガルのロカ岬までは17,000km程度らしい。
 俺が南部アフリカ大陸を四駆で一周した時は、21,000km走っているからユーラシア大陸横断以上の距離は走っている。 それを考えると、ユーラシア大陸横断は思っている以上に手軽(?)な感じで、意外。
 オーバーランダーに会う度に、ヤキモチにも似た感情を抱いてしまう。 それに、焦りも・・・

 ユーラシア大陸のハイライトは幾つかあると思うが、間違いなくタジキスタンのパミール高原もその内の一つに入るだろう。
 現地の遊牧民に『世界の屋根』と呼ばれるここで、天山山脈、崑崙山脈、カラコルム山脈、ヒンドゥークシュ山脈が結ばれており、6〜7,000m級の山々が連なっている。
 ソ連時代は、戦略上の要地として外国人は問題外、自国民さえ立入り制限されていた、いわば“秘境”だった場所だ。
 自動車が走れる限界高度がいくらか知らんが、このパミール高原を愛車で縦横無尽に走り回ってみたいものだ。

 夕食はスキヤキ。 昨日、オシュ・バザールで発見した白菜を使い、中華スーパーで豆腐を買って、キルギスとは思えない感じに仕上がってました。

旅の出費
食費: 85ソム
ビール: 110ソム
合計: 195ソム(約620円)

シェア飯 in サクラ・ゲストハウス
2007年7月19日(木)
滞在延長

 暑〜い! 今日はとんでも暑い!!
 海抜800mに位置するビシュケクでこれだけ暑いという事は、ウズベキスタンとかカザフスタンはどれだけ暑いんでしょ? 行く気が失せる・・・

 明日で外国人登録の期限が切れてしまう。
 そこでオビールに行って登録の延長をして来た。 言ってみればビザ延長みたいなものである。
 外国で滞在延長をする場合は面倒臭いのが常である。 ここキルギスでもそれなりに面倒臭いであろうと気合を入れて行ったのだが、驚くほど簡単に延長出来てしまい拍子抜けしてしまった。
 延長に要した時間は、実に2分であった。

 役所の3階にあるオビールに入っていくと、太ってるけど偉そうなババアがいきなり「日本人?」と聞いてきた。 「ダ」と答えると、パスポートをパラパラとめくり、何も言わずにスタンプをポンっ! 期限を8月20日と書き込んで「ストー」と一言。
 100ソムを手渡すと、パスポートを返してくれて終わり。 2分も掛かってないな・・・1分30秒くらい?

 あまりに呆気なかったので、逆に心配になったほどである。 自分のパスポートを確認してみると、きちんと8月20日まで滞在登録が延長されていた。
 あらら、8月20日まで居れちゃいますよ。

 写真は、一昨日の夕食の様子。 こんな豪華なシェア飯は、今まで食ったことがない。
 やはり、女性よりも男性の方が料理を凝るのだろうか?

旅の出費
バス代: 3ソム
食費: 182ソム
ビール: 56ソム
外食代: 127ソム
インターネット: 40ソム
外国人登録延長料: 100ソム
合計: 508ソム(約1,620円)

メロンとスイカ
2007年7月20日(金)
ガス・マスクメロン

 またオシュ・バザールに行ってみた。
 今回の目的は、ガスマスクを買うこと。 バザールでは軍放出品も売られており、毒ガス用マスクも買うことが出来る。

 軍放出品ばかりを取り扱う一角を発見し、値段交渉を始める。 言い値は120ソム(約380円)からスタートしたが、友達と2人で2個買うからと言って、1個85ソム(約270円)まで下がった。
 マスクもカートリッジも新品です。

 これでいざという時は安心だね!
 日本で地下鉄に乗る時に、最初からマスクを被っておけば、『アーレフ』が攻撃を仕掛けてきても大丈夫。 逆に俺の方から麻原にヘッドロックをかけちゃうもんね。
 しかし、攻撃された時に俺だけガスマスクを被っていたら、俺が犯人扱いされる可能性はかなり巨大で、警察対策も考えておかなければならない。

 そもそも、現代の生物化学兵器は呼吸器から入り込むだけじゃないから、マスクだけで防御しても意味がないような気もする。 マスタードガスは、吸引すると内臓がダメになるが、粘膜や皮膚の柔らかい部分には特に有害で、集中的に浴びると致命傷になるから、“全裸でガスマスクを付けて電車に乗った時に、マスタードガスで攻撃された”場合でも安心は出来ないわけだ。
 サリンやタブン、ソマンなどの神経性ガスの場合も、全裸では危険なのかな?
 『顔隠して、下半身隠さず』では、戦場では直ぐ死に繋がりますからねぇー。
 戦場の常識ですよ!!

 そして、今回オシュ・バザールに来た理由はもう一つ。 メロン(写真)を買うためだ。
 俺はスイカがあまり好きではない。
 だって、種があるから・・・ あの面倒臭さを考えれば、わざわざ食べるほどの価値ある味ではない。 ちなみにキウイも嫌いである。 種のブツブツ感が、そばかす少女の頬をかじっているような錯覚を覚えて、とてもではないが「美味しい!」とは感じられない。
 ところが、メロンは大好きである。 スイカを好むような一般大衆とは違い、俺のようなエグゼクティブ住所不定無職はハイソなフルーツを好むのだ。

 そして、中央アジアのメロンは驚くほど甘く、その美味しさに思わず失禁する者が続出するほどである。
 見た目は美味しくなさそう、というか瓜みたいなのにアンデス・メロンも顔負けの甘さが特徴なのだ。
 今日は1個で5.8kgもあるメロンを買ってみた。

 宿に帰ってから、ガスマスクを所有する3人で現代アートな記念撮影をすることにした。
 撮影中、「この人たち、馬鹿だ・・・」とか「変態じゃん・・・」などという外野の声が聞こえたような聞こえなかったような気がするが、アートとは常に凡人には理解出来ないものなのである。
 撮影は、フォトジャーナリスト中村尚雅君による。 この撮影を引き受けたことによって、彼の経歴に汚点が付いたことは間違いない。

 写真を見たい方は、下記のリンク部をクリックしてみましょう。 スライドで写真4枚が見れます。
 トップページの『スライド写真』からも入れます。

       『★ビシュケクの妖精たち★

 ちなみに、プールでの撮影時にガスマスクのフィルター部分が浸水してしまい、全く空気が通らなくなってしまうという事態が発生した。
 乾かしてみたが、完全に駄目になってしまったようで、“被ると、ガスにやられる前に窒息死するマスク”になってしまった。
 半日もない短い命であった・・・

旅の出費
食費: 70ソム
ビール: 75ソム
外食代: 38ソム
衣服代: 80ソム
生活用品: 70ソム
ガスマスク: 85ソム
マルシュルートカ: 8ソム
合計: 426ソム(約1,360円)

オシュ・バザール
2007年7月21日(土)
脱力モード

 今日は何やら猛烈な脱力感に襲われて何もやる気が起きず、インターネットカフェに行った以外は外出せず。

 やはり、昨日の夜に入ったサウナのせいか?
 酔っ払っていたから調子に乗って水を掛けまくって、室内温度が100度近くまで上がっていた。 我慢が出来なくなると、水温がやたらと低いプールに飛び込む。
 冷たさに我慢出来なくなると、また激暑サウナに入って・・・の繰り返しをしていた。
 あのサウナだけで体力をかなり消耗して、かなり疲れた。 昨日、サウナに入った全員がやる気ナシでだらだらモード。

 そろそろ行動を起こさないとな・・・
 来週から動き始めます。 まずは、ビシュケクにあるゲストハウスを泊まり歩いてみる。

 写真は、オシュ・バザールの様子。

旅の出費
食費: 12ソム
ビール: 25ソム
外食代: 183ソム
インターネット: 63ソム
マルシュルートカ: 8ソム
合計: 291ソム(約930円)

ガスマスクを分解してみた
2007年7月22日(日)
本当に毒ガスを浄化出来るのか?

 駄目になったガスマスクのボンベ部分を分解してみた(写真)。 やはり中身が気になるでしょ?
 ボンベをどの角度で見ても、どうやって中を密封したのか?分からない。 絶対にどこかで溶接してあるのだろうが、そう簡単には開かないように出来ている。
 そこで、ボンベの側面を缶切を使って穴を開け、そこからペンチとニッパーを使って穴を広げていく。
 地道な作業だが、好奇心だけが原動力である。

 実は、バンコクでやっていた会社では工業用空気清浄機を扱っていた。 粉塵、油煙、毒性ヒュームを浄化する機械やシステムを売っていたわけだ。
 フィルタとは、『これくらいの大きさの物なら、何%捕まえられますよ』というものだ。
 例えば、普通のエアフィルタでは1μmより小さな粒子をほとんど捕まえられないので、粒子径が0.01〜1μmのタバコの煙には意味がない。
 雨を虫取り網で捕まえようとするようなものだ。
 だから通常は、“0.3μmの粒子を99.97%以上の効率で捕集出来る”HEPAフィルタを使うのだ。

 さて、ガスマスクの中身は?と言うと・・・
 大きく分ければ、フィルタが2段階あった。
 1次フィルタはロール状になった不織布フィルタ、2次フィルタは活性炭フィルタである。 細かく言えば、それらの間に合計3枚のメッシュフィルタが入っていた。
 1次フィルタが、この前のプールで浸水した時に吸水してしまっており、触ると完全に濡れていた。 こりゃ、息が出来るわけがない。

 でも・・・この程度の中身で大丈夫なのか?
 対生物兵器で言えば、細菌の大半は1〜10μmだからもしかしたら大丈夫かも知れないが、ウイルスは大抵は幅100nmに満たないから完全に無理。
 対化学兵器で言っても、毒性の気体を完全に濾過するのは無理だと思う。 催涙ガス程度なら有効かも知れないが、サリンやタブンなどの神経ガスにはあまり意味がないような気がする。
 そもそも、2次フィルタに活性炭を使っていたのが不思議だ。 工業用空気清浄機では、活性炭フィルタは臭い対策で使うのが主なんだけどね。

 1次フィルタの捕集効率を調べたら、数字によっては多少は考えも変わるかも知れないが、結論から言えば『このガスマスクはあまり信用できない!』

 夜、他の旅行者2人と一緒にカジノに行った。
 ハイアット・ビシュケク内のカジノだが、規模はかなり小さい。 ウガンダの首都カンパラで行ったカジノ並みで、日本の小都市にあるゲームセンター程度。
 スロットは4〜5台あるのみで、それ以外はテーブルだ。 多いのはポーカーとルーレットで、ブラックジャックは1台しかなかった。
 今回遊んだのはブラックジャックのみ。

 全員が100USドルを軍資金にゲーム開始。
 1時間半ほどプレイして、俺は25USドルの勝ち。 他も、それぞれ50USドルと100USドルの勝ちで、全員“勝ち組”でカジノを後にした。
 100USドルを200USドルにした彼は、今回がカジノ初めて。 ギャンブルにハマってしまう危険性大である。

旅の出費
外食代: 114ソム
合計: 114ソム(約360円)





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