ゆずランドへようこそ

アジア横断シルクロード日記


この日記は1週1ページで、最終更新日が一番下になります


現在地はどこなの?

<<前のページ | 次のページ>>
ブルー・モスク
2007年2月12日(月)
二度目のトルコ入り

 去年の9月以来、実に5ヶ月ぶりのトルコだ。 ついにヨーロッパを出たという感がする。 ブルガリアの国境を越えた辺りから、町にモスクが目立つようになってきた。 またイスラム圏に入ってしまった。
 もう豚肉は食べれない。
 もうストリップ・バーはない。

 深夜にブルガリアとトルコの国境を越えてトルコに入る。 国境には免税店があり、バスの乗客たちはここで買い物をする。 俺もマルボロを1カートン20Lvで購入。 ソフィアでは1箱3.2Lvだったから、40%ほど安い。
 さぁ、いよいよトルコ側の国境だという段階になって、俺の席にウィスキーを持ったおばちゃんが入れ替わり立ち代りやってきた。 英語を話せないから、言ってることが分からん。
 何、俺に貢物?
 ホストばりに、ウィスキー片手のおばちゃん連中に迫られる俺だったが、大体何を言っているのか分かった。 トルコの税関で見付かったまずいから、俺にウィスキーを持っていて欲しいらしい。 どうやらトルコには1人ウィスキー1本しか持ち込めない規則になっているようだ。
 なるほど。 しかし、断る!
 トルコへの入国は意外と厳しかった。 バスから乗客は全て降ろされ、乗客は自分の荷物を全て台の上に置いて税関職員の検査を受ける。
 1本以上のウィスキーを持ち込もうとした人たちは、その場で税関職員にウィスキーのボトルを割られていた。 おぉ、怖ぇー!
 俺だけ検査されず、無事に国境通過。

 早朝7時前にイスタンブールに到着。
 ここがヨーロッパが終わり、アジアが始まる。 宿はヨーロッパ側だが、気も早く今週から日記のタイトルを『アジア横断日記』に変更してみた。
 思い起こしてみればイスタンブールは遠かった・・・ ケープタウンから1年以上も掛かってしまった。 去年の8月ごろから、旅の道中で会った人たちと「じゃ、イスタンブールで!」と別れたが、今着きましたよイスタンブール!! 誰も俺の事を待ってなかったけど・・・

 写真は、イスタンブールのブルー・モスク。

旅の出費
ジュース: 1レフ
タバコ: 20レヴァ
食費: 1.8リラ
トイレ: 0.8リラ
トラム: 1.3リラ
合計: 21レヴァ+3.9リラ(約2,120円)

フレーム
2007年2月13日(火)
昼夜逆転は直らない

 昼夜逆転の生活は簡単に直せないもんだね。
 昨日の夜は早寝で夜12時に寝たのに、起きたら午後4時だった・・・ 16時間も寝ていたようだ。
 これから中央アジアの国々のビザ取りが必要になってくるが、昼夜逆転生活を直さないとビザ取りが出来ない。 ほとんどの場合、大使館でビザ申請を受け付けているのは午前中だけだから。
 来週までにはちゃんと昼間に行動するようにして、ビザ取りを始めます。

 写真は、韓国語の『地球の歩き方』。 何年か前から、“黄色い本”を持って旅行している韓国人を見るようになった。 最初は、「『地球の歩き方』のパクリじゃね?」と思っていたのだが、パクリも何も『地球の歩き方』そのものだった。 裏を見ると、ダイヤモンド・ビッグ社の名前が。
 内容は日本語とほぼ一緒。 こりゃ面白い商売だね。 データは変わらないから、日本語から韓国語に翻訳すればいいだけだもんな。
 もう少し中国の一般人の所得水準が上がってきたら、中国語版『地球の歩き方』も出てきそう。

旅の出費
外食代: 7リラ
合計: 7リラ(約640円)

フレーム
2007年2月14日(水)
ガサ入れ

 朝9時頃にいきなり起こされた。
 誰だよ!と思って目を開けてみると、警官が・・・ 数名の警官が宿に乗り込んできてパスポート検査。 しかも英語を話せない警官ばかりで目的不明。
 片言の英語を話せる警官と話してみると、指名手配の外国人を捜査中らしい。
 人が寝てたのに迷惑な奴らだ・・・と思っていると、夕方になって今度は制服を着た市役所の職員が乗り込んで来た。
 今度は何ですか?

 また意味不明なガサ入れか?と思っていると、予想外の言葉が耳に入ってきた。
 「ここは閉鎖する」
 へ?! マジで? 確認すると、どうもマジらしい。 荷物を全てまとめて出て行けと言われた。 面倒くせー! もう一回確認すると、やっぱりマジみたいなので、追い立てられるように荷物をまとめて建物から出る。
 ・・・これからどうしよう?

 途方に暮れていると、事態は急展開した。
 市役所の職員が家に帰るので、「今晩だけは泊まっても良い」ということになった。 な、なぜ? 答えはスーパーくだらない。 『5時で仕事が終わりだから』 さすが公務員! 世界共通だね。 残業したくないから、この問題も先送りにされたのでした。

 そもそも、なぜこんな事態になったのか?
 予想されるのは、“嫌がらせ”。 俺が来る前に、ある日本人旅行者が宿にやって来ました。 彼を空港から宿まで送ってきたのは空港職員。 「俺がイスタンブールの安宿を紹介してやる」と、本来は5ユーロなのに「9ユーロで泊まれる」と嘘をついて4泊分を取り、送迎代を取って合計70ユーロほどを旅行者から巻き上げて宿に連れて来たはいいが、満室。 満室だから泊めれるわけもなく、お断りしたところ「無理してでもベッドを開けろ」と空港職員が切れ出した。 そりゃ、自分がもらったお金がパァになるからね。
 そもそも5ユーロなのに9ユーロと嘘をついているし、空港から市内まで40ユーロも掛かるわけもない。 当然「お金を返せ」という話になり、結局半分ほどしか返って来なかったが、空港職員は逆切れして「覚えていやがれ!」と捨て台詞を吐いて帰って行ったそうです。
 本物の空港職員なんだけどね・・・
 タイミング的にも、その空港職員の「覚えていやがれ!」な仕返しで、警察に適当にチクって今回のガサ入れに繋がった模様。
 トルコでは普通のことらしいです。 嫌だね、発展途上国は。

 写真は、そんなガサ入れされた宿。

旅の出費
食費: 1.5リラ
合計: 1.5リラ(約140円)

フレーム
2007年2月15日(木)
えぇー!

 どうやら、俺の寝ている間に“勤務時間中”の市役所職員が再度やって来たようだ。
 それによると、明日をもって宿を閉鎖するということに決定したらしい。 マジでぇ〜!
 ただ条件付で閉鎖を回避する道もあるらしい。
 それは賄賂を払うこと。 出たー、タイと一緒。 トルコってもう少しまともだと思ってたけど、やっぱり。
 トルコの賄賂の相場がよく分からないが、結構高い額らしい。 と言っても、10万円単位だと思うけど。
 こうなると、宿の存続否はオーナー次第ってことになる。 賄賂を払ってまで宿を存続させる金銭的メリットがあれば賄賂を払うだろうし、「その額を払うくらいなら閉鎖した方がマシ」なんだったら賄賂を払わずに閉鎖されることになるだろうし。
 明日、オーナーが市役所に行って賄賂の額を交渉するが、7割がた閉鎖される方向らしい。
 う〜む、日本人旅行者に有名な安宿のラスト・デイに滞在してしまったようだ。 移動が面倒くさい・・・

 賄賂って場合によっては便利なんだけどね。
 俺がタイで運転免許証を取った時も、免許センターの試験官に1,500円くらい握らせたら、筆記試験の時に試験官が俺の横にずーっと付いて「答えはコレとコレ」って答えを全部教えてくれたもん。 「100点だと怪しまれるから、こことここは間違えろ」と親切丁寧だったし。 実技はきちんとやったけど、坂道発進と車庫入れだけだったから簡単。 そして無事に免許証ゲットー!
 運転しててスピード違反で警察に捕まっても、免許証と一緒に300円でも渡せばお咎めなし。 高速道路で120km/hオーバーで捕まった時は残念ながら賄賂が通用せず、無念にも免停になってしまったが、「免許もないのに、明日からどうやって車を運転したらいいだ!」って警官に食って掛かったら、『無免許で運転したらいいだろ』と逆に諭されてしまった。 あれ?お主って警察だよね? 「捕まったらどうするんよ?」って聞いたら、『金を握らせて何とかしろ』だって。 じゃぁ今、金で何とかしろ!
 結局免停になったのだが、その後も俺は普通に運転してたし、知り合いのお母さんが警察の高官で、事情を話したら彼女から警察署に電話してくれて免停終了になった。 家まで警察が免許証を届けに来てくれたし。
 世の中、金と権力なんです。 嫌らしい話だけど、世の中そうなんです。 トルコもそうなんです。

旅の出費
食費: 5リラ
宿代(4日分): 36.3リラ
合計: 41.3リラ(約3,740円)

イスタンブール・タクシィム広場近く
2007年2月16日(金)
存続決定

 7割方、閉鎖される予定だったので『宿の移動が面倒くせーな』と思っていたのだが、起きたら午後。
 あれ、どうなったんだろう?と思っていると、「当分の間は存続が決定!」との最新情報が。 俺の寝ている間にそんな重大事項が決まっていたなんて・・・ でも、移動せずに済んだから良かった!

 移動しなくてもいい、と思うと何かをやる気すら失せてしまうよね。 唯一外出したのは、ネットカフェを探しにお出掛けしたくらい。 ノートパソコンを繋がせてくれるネットカフェを探していたら、無線LANのある普通のコーヒーショップを発見。 通信速度は高速だったが、コーヒーが1杯4リラ(約360円)もした・・・ 高っけー!!

 写真は、イスタンブール新市街にあるイスティクラール通り。 ここら辺はいつも人で賑わう繁華街だ。

旅の出費
雑費: 4リラ
食費: 1.5リラ
合計: 5.5リラ(約500円)

イスタンブール・鯖サンド屋さん
2007年2月17日(土)
祝・トルクメニスタン新大統領就任

 インターネットでビッグ・ニュースを読んだ。
 トルクメニスタンの新大統領が今月11日の選挙で決まったらしい。 金正日ばりの独裁者だったニヤゾフ大統領(通称バシュ)が去年12月に突然死して以来、ビザの発給がストップ&国境閉鎖状態だったのだが、新大統領が決まれば状況が変わるはず、だろう、という希望を抱いていたのだが、ついに新大統領決定のニュースが!
 地図で中央アジア(シルクロード)の国々を見るとよく分かるが、トルクメニスタンってけっこう邪魔な位置にあるのだ。 今の予定では、トルコからカフカス3国を周ってイランに入り、イランから北上して中央アジアの国々を経由して中国入りをしたいのだが、イランの上にはトルクメニスタンが横たわっており、通れないとなると飛行機で飛ぶしかない。 一度、イランから横に移動してアフガニスタンに入って、アフガニスタンから北上してウズベキスタンに入るという手もあるが、こちらはアフガニスタン北部の情勢次第だからあまり期待出来ない。
 と言うか、あれスタン、これスタンという国ばかりでどこがどこだか分からん・・・ 最近、カフカス3国それぞれの位置を把握したばかり。

 今日で、ケープタウンを発ってちょうど13ヶ月が経った。 この1ヶ月間で使ったお金の総額は、約8万840円! すごいぞ、すごーく節約してるぞ! 外付HDDさえ買わなかったら、6万円しか使っていないことになる。 この調子で節約しましょ。
 そして、この1ヶ月で周った国々はルーマニア、ブルガリア、トルコの3ヶ国。 今週からは、日記のタイトルを『ヨーロッパ旅行日記』から『アジア横断日記』へと改め、日本にどんどん近づいている。

 写真は、鯖サンド屋さん。 開いた鯖を焼いて、それをパンに挟むだけのシンプルなものだ。 けっこう旅行者に人気。

旅の出費
食費: 2.8リラ
雑費: 4.5リラ
CD: 10.5リラ
インターネット: 3リラ
合計: 20.8リラ(約1,880円)

イスタンブール旧市街
2007年2月18日(日)
頑張り過ぎ

 やっべー! 起きたら午後5時を過ぎてた・・・
 でも、考えたら今日は日曜日。 日曜日だったら仕方がない。 だって祝日じゃないか?
 明日からは少しばかり精力的に動くつもりです。

 まず、明日の予定を発表してしまうと・・・『パスポートのコピーを2、3枚とる』! 一生懸命頑張ります。 誠心誠意頑張ります。 雨にも負けず、風にも負けずにコピー屋さんに行っちゃいます。
 我ながら男らしくてカッコいいんじゃないか?と思ってるのですが、どうでしょう?

 明後日の予定は、また明日考えます。
 とりあえず明日の予定を立てることが出来たので満足して、あとは皆でダハブ・ゲームをして夜更かしする“いつもの”パターンでした・・・

旅の出費
食費: 5.3リラ
合計: 5.3リラ(約480円)





  Copyright © 2004- Yuzurand All Rights Reserved