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4WDで行く南部アフリカ旅日記


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2005年10月3日(月)
サスペンション折れる

 朝、恐ろしいことを発見した! 『ケムケム号』の左後輪のサスペンションがぽっきり2つに折れている・・・
 後輪は、重ね板バネ式サスペンションなので、4枚ほどの鋼鉄板が重なっている。 その1枚が折れたので、走れないことはないが、左後輪だけ車高が低くなってしまっているし、ちょっとした段差を乗り越えるだけでも嫌な金属音がする。 今までの悪路走行で金属疲労がたまって、マルパの悪路でピークを迎えて折れたのだと思う。

 『ケムケム号』最悪!
 現在の『ケムケム号』の状態をまとめると、
 @前のナンバープレートがホロホロ鳥を轢いて以来無くなった、
 A右の補助ライトがマンディンバ→リシンガの悪路で割れた、
 B盗難防止アラームがマンディンバ→リシンガの悪路でどっかに行った、
 Cエンジンを3,000rpm以上(110km/h以上)で回すとエンジンオイルが1日で空になる、
 Dラジエターが調子悪く、長距離を走るとエンジンが異常に熱くなる、
 Eそれと関係して、エアコンも調子が悪い、
 Fガソリン・メーターがエプパ・フォールズの悪路で壊れた、
 G後部に付いていたスピーカー2つが、どっかの悪路で割れた、
 H金属疲労でサスペンションが折れた、これ以上挙げると限がない。

 今日もモザンビーク島観光をするが、やはり折れたサスペンションのことが気になる。
 ガイドブックによると、全長3kmほどのこの島には聖セバスティアン要塞、ノサ・セニョーラ・ド・バルアルテ教会、聖パウロ宮殿、聖アントニオ教会など16〜17世紀にポルトガル人に建てられた見所が沢山あるらしいが、1つも見てない。
 写真のように、普通の街並みも骨董並みにボロボロだが、島の北部はゴーストタウン化している場所も多々ある。 今後もっと保存に力を入れないと、どんどん朽ちていきそうだ。

 午前中でモザンビーク島を引き上げ、ナンプラに向かう。 ナンプラはモザンビーク北部一大きな町で、国全体では3番目に大きい。 といってもスーパーマーケットがあるわけでもない。 今日はここで1泊することにした。

今日の走行距離; 203.4km
今日の出費(2人分)
テント設営代: 270,000メティカシュ
ホテル宿泊代: 650,000メティカシュ
世界遺産入場料: 10,000メティカシュ
外食費: 465,000メティカシュ
タバコ: 70,000メティカシュ
食費: 51,000メティカシュ
インターネット: 40,000メティカシュ
合計: 1,556,000メティカシュ(約6,850円)

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2005年10月4日(火)
モクバ

 ケープタウンに向かってどのルートで帰るか?が問題だ。 モザンビークを旅行し難くしている原因の一つに、北部と南部を結ぶキレイな道路がないことがある。 サスペンションが折れているので、舗装道路だけを通ろうと思ったけど無理。 昨日気付いたんだけど、すごく辺ぴな所に来ちゃったみたい。 どこに抜けるにも舗装道路はない。
 道路地図を見た感じでは、モザンビークの北部と南部は太い線で書かれたメインロードで繋がっている。 マラウィのリロングウェで出会ったフランス人が「道路が悪い」と言っていたが、とりあえず道が悪かろうがモザンビークを縦断することにした。

 ナンプラを出てから100kmまでは舗装されていて問題ない。 その後アルト・リゴンハ(Alto Ligonha)を越えてから200kmが未舗装道路になる。 モザンビーク縦断道路が、こんな道路でいいのだろうか? こんなんでは北部だけ“陸の孤島”になっても仕方がない。

 なるべくサスペンションに負担を掛けないように、段差を避けて通るが、未舗装道路では難しい。 ずっと路面状況に細心の注意を払った状態で10時間運転すると非常に疲れる。 しかも、4WDのくせに未舗装道路でスピードを出せないイライラもある。 しかもスピードを出していないのに、凸凹の振動で補助ライトが消えてなくなっていた・・・ ナンバープレートに続き失くし物。

 未舗装道路がやっと終わったと思ったら、舗装道路だけど穴だらけの道路になる。 これが一番イライラする。 スピードを出そうと思うと、大きな穴が道路の横いっぱいに開いているのだ。

 今日は1日掛けてナンプラからモクバ(Mocuba)まで走った。 このまま走り続けて、5日後にはモザンビークを出る予定を立てた。 モザンビークからスワジランドに入って、南アフリカに戻る。

 モザンビーク北部は安宿が少ない。 時間に余裕があれば、道中の村々でお願いしてテントを張らせてもらっても良いのだが、ここ2〜3日は面倒臭いので町中の安宿に泊まっている。 安宿と言っても20USドル(約2,200円)前後はするし、俺の場合は駐車場が問題だ。 モザンビークでは夜に路上駐車しておくと、サイドミラーやタイヤが盗まれて無くなるので、セキュリティー付きの駐車場がないと泊まれない。 こういう点、車は不便だ。

 写真は問題の折れたサスペンション。

今日の走行距離
; 436.7km
今日の出費(2人分)
ディーゼル代: 1,680,000メティカシュ
食費: 29,500メティカシュ
宿代: 500,000メティカシュ
外食費: 200,000メティカシュ
合計: 1,779,500メティカシュ(約10,600円)

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2005年10月5日(水)
長距離移動

 今日も昨日に引き続き移動日。 モクバから一気に南下して、モザンビーク第2の都市ベイラ(Beira)を目指す。

 モクバを出てしばらくは舗装道路だったが、途中からナマクラ(Namacurra)までの50kmは未舗装道路になる。 でも、この未舗装道路は舗装工事をする前の地ならしをしており、走り難いことはない。

 ナマクラからは舗装道路で、特にニクアダラ(Nicuadala)から入ったEN1号線は、『今までの道路は何だったんだ?』と思うほどキレイ。 このモザンビーク縦断道路EN1号線が北部まで繋がった日には、北部は一気に変わると思う。 今は物流に支障があって、これ以上は発展しなさそう。

 キレイなEN1号線も、寸断されている部分が1ヶ所だけある。 それがザンベジ川。 ザンベジ川の上流には、カリバ湖やビクトリア・フォールズがあるが、下流域になるとさすが大河だけあって、幅が広い。 そのため橋が架かっておらず、22トン・フェリーで行き来しなければいけない(写真)。
 料金は車1台100,000メティカシュ(約440円)で、運転手以外の乗客は1人1,000メティカシュ(約4円)掛かる。

 ザンベジ川を渡ると、そこはカイア(Caia)という町だ。
 ここの物乞いも結構しつこかった。 なんかモザンビークの物乞いは態度がデカイからムカつく。 ペンバで片足がないジジイの物乞いがいたけど、俺がお金をあげなかったら切れやがって杖で『ケムケム号』を叩きだしたからな。 普通、俺の方が切れるのが先だから。 ポルトガル語だから意味不明だったけど、間違いなく文句言ってたし。 こっちも日本語で「死ね、クソじじい」って言ってやったけど。

 カイアからインチョぺ(Inchope)まで走ると、十字路がある。 真直ぐ行くとモザンビークの首都マプト、右に曲がるとジンバブエとの国境、左に曲がるとモザンビーク第2の都市ベイラ。 この十字路からベイラまでは約140kmほどだが、問題はガソリンスタンドだ。
 俺の走ってきたルートで言うと、ニクアダラからベイラの手前ドンド(Dondo)という町までの約630kmはガソリンスタンドがない。 あっても潰れているか、ガソリンがない。 ただ村の道端でドラム缶に入れてガソリンを売っているのをちょくちょく見かけたが、いつのか分からないような怪しい色をしていて入れる気にならない。 入れるなら、それなりに回転の良さそうなカイア、インチョぺが無難そう。

 目的地ベイラに着いたのは日が暮れてから。 今日は780kmを10時間掛けて走破した。 今回の旅で一番走った日かも知れん。

今日の走行距離; 785.5km
今日の出費(2人分)
ボート代: 101,000メティカシュ
ディーゼル代: 423,000メティカシュ
食費: 185,000メティカシュ
テント設営費: 170,000メティカシュ
合計: 879,000メティカシュ(約3,870円)

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2005年10月6日(木)
テント飛ぶ

 昨日泊まったキャンプ場は海の目の前だったのだが、今朝あまりに風が強くてテントが飛んだ。 下が砂地で杭が利いていなかった。 本当はこのキャンプ場に2泊する予定だったのだが、風のせいで無理。

 畳んで出発の準備をした後、市内を回る。 ベイラは内戦の被害を受けた町らしいが、そのせいかは知らんが市内の建物はかなり寂れている。 メンテナンスをしていないためボロボロのビルが多く見られる。

 銀行で両替をしたり、インターネットカフェに行ったりする。 モザンビークに入ってから一度もホームページのアップが出来ていないが、ここでも無理だった。 とにかく遅い。 ベイラの場合、通信速度はまぁまぁなのだが、エクスプローラーを開くだけでも2〜3分掛かる。 我慢出来なくなって自分のノートを繋げたら、見付かって追い出された。

 ベイラには、南ア系スーパーマーケット『SHOPRITE』もある。 モザンビークに入ってから品揃えの豊富なスーパーを見かけたのは、これが初めてだ。 やはりザンベジ川以南に来ると物が豊かに感じる。

 午後、ベイラを出発。 インチョぺまで約140km走って戻り、そこからEN1号線に入って南下する。 昨日のEN1号線は非常にキレイだったので、今日走るEN1号線も快適な道路だと思っていた。 しかも今日走る区間の方が首都に近づいている。
 だが考えが甘かった。 約100kmほどは工事中で未舗装、その後も舗装されているものの穴だらけ。

 工事中の区間は、中華人民共和国の皆さんが道路を作っている。 重機を運転しているのは大抵中国人だし、モザンビーク人の労働者も『交通・中華人民共和国』と書かれた安全チョッキを着て働いている。
 でも、民間企業が工事を落札したのだったらいいけど、政府援助だとしたら日本人にとっては白けるな。 実際に中国はアフリカで政府主導の開発援助をしているけど、そんなアフリカの貧しい国に援助出来る国に日本がODAで援助しているわけだから意味分からん。 日本のODAの金が、中国のODAとしてアフリカで使われていたりして。

 今日の目的地インハッソロ(Inhassoro)に着くまでの道で、エアコンがまた壊れて、シガーソケットが壊れた。 シガーソケットが壊れると、電源が取れなくなって冷蔵庫が使えなくなる・・・

今日の走行距離; 525.4km
今日の出費(2人分)
タバコ: 30,000メティカシュ
インターネット: 30,000メティカシュ
ブレーキオイル: 35,000メティカシュ
ディーゼル代: 1,040,000メティカシュ
食費: 220,000メティカシュ
外食費: 59,000メティカシュ
合計: 1,414,000メティカシュ(約6,220円)

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2005年10月7日(金)
休息日

 今日は久しぶりにのんびり。 連日の長距離移動でたまった疲れを癒す。 実際、先週モザンビークに入ってから昨日までで3,500km以上を走っている。 この距離は日本縦断と一緒。 この内、2,000km以上は未舗装道路を走っているから体も車もボロボロだ。

 昨日壊れたシガーソケットを直そうと、『ケムケム号』のキャビネットを外してみる。 で、気付いたんだけどドライバーやレンチがないから無理。 アーミーナイフに付いているしょぼいドライバーは使えない・・・ シガーソケットなんてどうせ配線が外れた程度の問題だろうけど、自分で直せないのがムカつく。 中途半端にキャビネットを外して断念する。

 今泊まっているインハッソロは、ヴィランクール(Vilankulo)という町と並んで、バザルート諸島(Bazaruto Archipelago)観光の起点となる町だ。 このバザルート諸島はモザンビークで最も美しいらしく、シュノーケリングやダイビングなどを楽しめるそうだ。 行きたい!が、時間がない。 次回モザンビークに来た時の楽しみに取っておこう。

 写真は先週通ったマルパからの道。 写真を撮れるほどの余裕があった時なので、これでもまだマシな方。 写真左に写っている道は、自転車や歩行用なので見た目よりも狭く、車で走るには幅、傾斜とも無理っぽかった。 こんな、いやこれ以上に悪い道が写真奥の山を越えるまで続く。 そりゃサスペンションくらい折れるって。

今日の走行距離; 0km
今日の出費(2人分)
雑費: 20,000メティカシュ
テント設営代: 600,000メティカシュ
合計: 620,000メティカシュ(約2,730円)

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2005年10月8日(土)
4回目の南回帰線

 インハッソロで体力を戻したので、今日は移動。 南下してインハンバネ(Inhambane)を目指す。

 モザンビークを南下すればするほど首都マプトに近づいているのに、道路は一向に良くならない。
 今日走った360kmの内、280kmくらいは未舗装道路か穴だらけの舗装道路。 凸凹だし、ボロボロ。 1国の主要縦断道路、1号線に当たる道路がこんなにひどいとは・・・ モザンビークをなめるなよ! マジで穴開きすぎ。 その穴も、落ちたら車が壊れそうなレベルで、道路に無数に開いている。

 サスペンションが折れている車で、こんなに長い距離の悪路を走る羽目になるとは思ってもいなかった。 今回の旅がナミビアに始まり、モザンビークで終わるのも南部アフリカを体験するには良かったのか?

 マシンガ(Masinga)の郊外で南回帰線を越えた。 これで、アフリカ大陸で南回帰線の通っている全ての国、南アフリカ、ナミビア、ボツワナ、モザンビークで南回帰線を通った。 次は北回帰線を制覇して自慢しないと。
 俺、回帰線王。

 今日の目的地はインハンバネ。 地図上で見るとかなり南下してきた。 緯度で言うとボツワナの首都ハボロネくらいまで来た。

 今日はインハンバネで一泊。 宿で、ボツワナ人とジンバブエ人の夫婦と知り合った。 ちなみに2人とも白人だ。 ビールをおごってもらって、町の桟橋に一緒に散歩しに行った。 来年のクリスマスに日本に遊びに来るらしい。 日本と言えば相撲と芸者だから、連れて行く所は決まってくるな。

今日の走行距離; 359.5km
今日の出費(2人分)
外食費: 140,000メティカシュ
ディーゼル代: 485,000メティカシュ
インターネット: 50,000メティカシュ
ビール: 90,000メティカシュ
合計: 765,000メティカシュ(約3,365円)

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2005年10月9日(日)
27

 なぜか今日は誕生日。 いつ死んでも悔いが残らないように生きてきたけど、知らない間に27才になってしまった。
 最近、『ケムケム号』よりもいい車で世界一周をするという目標が出来てしまったので、目標を達成する予定の35才までは生きないと悔いが残る。 こんなことを書くと、俺が不治の病に侵されているんじゃないか?って疑う人もいるかも知れないので一応断っておくけど、健康体です。

 今日も移動。 インハンバネを発ってEN1号線を南下、首都マプト(Maputo)を目指す。 道路は1区間を除いては良い。 約80kmの距離だけ未舗装道路で訳分からん村の中を通らされるが、これは道路工事中のための回り道なので、数年後にはキレイになっているはず。

 未舗装道路が終わると、途端にキレイな道路になる。人間の心理としては、今まで凸凹で埃だらけの道路から急にキレイな舗装道路に出たら、自然とアクセルを踏んでしまうもの。 すると交通警察が飛び出てくる。
 「検問かぁ〜?!」と窓を開けると、いきなりスピードガンを見せられて「法定速度の40km/hオーバー」だって・・・ 野球少年の球速を測るような、どこ製か分からないしょぼいスピードガンだけど、きちんと動いてるじゃん。 見せられたスピードで確かに走っていました。
 で、罰金が1,000,000メティカシュ(約4,400円)。
 その警察官、(見た目は)真面目そうで袖の下の話に持って行き辛い雰囲気。 モザンビークにまさかスピードガンがあるなんて!というショックと、スピードガンの表示速度がぴったり合っていたこともあって、今日は簡単に納得してしまった。 やはりモザンビークは侮れん。

 シャイシャイ(Xai-Xai)からは、なんと!有料道路になる。 金を取るだけに状態は非常に良い。 ようやく南アに近くなって来た。
 今日はマプトの手前35kmにあるマラクエネ(Marracuene)という町にテントを張ることにした。 町から数キロ離れた所にあるキャンプ場ということで行ってみると、『4X4 Only』と書かれた道を行く羽目に・・・ 今更引き返すわけにもいかず、サスペンションに気を使っている割にひどい道を走ってしまった。

今日の走行距離; 525.2km
今日の出費(2人分)
テント設営代: 140ランド+320,000メティカシュ
罰金: 300ランド+100,000メティカシュ
ディーゼル代: 1,185,000メティカシュ
タバコ: 25,000メティカシュ
雑費: 50,000メティカシュ
合計: 440ランド+1,680,000メティカシュ(約14,645円)





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