徹夜で一睡もせずに暗闇の中を山登り。
下山の時は、眠過ぎて意識がちょっと飛び気味で、夢遊病者のように3,700段の階段をフラフラになりながら下る。
シナイ山ツアーは、夜中11時にダハブを出発。
ツアーと言っても、往復の移動だけ。 約2時間掛けてシナイ山に行き、夜中に登って朝日が昇るのを待ち、日の出後に下山してまた2時間掛けてダハブに戻ってくる。
シナイ山の麓に着いたのは、真夜中1時過ぎ。
真っ暗な山道を懐中電灯で照らしながら登る。 他にも欧米人の観光客がウジャウジャいるので、道に迷うことはない。
道の途中にはラクダとおっさんが登山客を待ち構えている。 こっちがハァハァいって登っているのに、「ラクダ乗る?」と話しかけてくるとイライラする。 白人のデブな登山客で、バテてゼェゼェいってるような人を見付けると、彼らはラクダを連れながら『カモを見付けた!』とばかりにデブと並んで歩き出す。 それがまた超邪魔でやんの! ラクダがデカいから、狭い山道とかで一緒に歩かれるとうっとおしいんだよね。 しかもラクダとデブで並ばれると追い越せないし。 しかたなく後ろを歩いていると、ラクダがオナラしたりして最悪。
3時間歩いて膝をカクカクさせながら頂上に着く。
それがまた超寒いでやんの! 前日に、同じ宿の日本人でシナイ山に登った人がいて、彼がTシャツ・半ズボンで登って「頂上も腕が寒かったくらいっす」とか言っていたのをちょっと信用してしまって、完全武装で来なかったのが痛い。
しかも問題は、日が昇る時間までまだ2時間もあるということ。 するとエジプト人が近づいて来て、「マットと毛布をそれぞれ10ポンド(約200円)で借りないか?」と商売を始める。 山を登っている途中はラクダの客引き、登り着くとマットと毛布の客引きで、シナイ山にいる間は客引きから逃れられないらしい。
マットも毛布も借りず、寒風が吹く中で日の出を待つ。
6時前に徐々に空が白みはじめ、地平線が赤く染まりだした。 そして日の出!!
・・・わざわざヒィヒィ言いながら登ったけど、別にその価値がある日の出じゃねーけどな。 白人とかは賛美歌を歌ったり、十字を切りながら朝日を拝んでたけど、俺は日本人だし。
無駄にしんどい。
下山は階段で。 3,700段以上ある階段。
もー、足がヘロヘロで半笑いだったね。 途中、ビーチサンダルを履いた白人のお姉さんが泣きながら下山してたのを見た。 ちょっと山をナメ過ぎ! 他に、厚底サンダルで来た女、なぜか上半身裸の男などを見た。 上半身裸の男は、登り下り・山頂で待機中の時も裸だった。
結論、もうシナイ山は二度と登らん!
旅の出費(2人分);
雑費: 2ポンド
食費: 12.5ポンド
ビール: 15ポンド
合計: 29.5ポンド(約590円)
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