この張掖という町は、何だか居心地が良い。
俺の場合、居心地の良し悪しの80%くらいは宿次第なのだが、その宿もコスト・パフォーマンス最高で何泊でも出来そうだ。
しかも、この張掖は食べ物が美味しい所としても有名で、小吃(ちょっとした食い物)屋台も多い。
さらに、写真のような古い街並みを再現した通りも何ヶ所かあり、雰囲気も良い。
昔から居心地が良い町だったのか?あのマルコ・ポーロも1年間この町に滞在していた。
今日は、『東方見聞録』でも紹介されている『大仏寺』に行ってみた。
伝説によると、元の始祖フビライはここで生まれたらしいが、そんなわけないでしょう。
この寺の最大の見所は、釈迦涅槃大仏。 長さ35m、肩幅7.5mの巨大大仏が寝転がっている。 屋内にある涅槃大仏としては中国で最大らしい。
そんな場所に41元(約650円)も払って入ったわけです。 ところが入ってみると、改修工事中で大仏殿はビニールシートに完全に覆われており、全く外観が見えない! 一応、大仏殿の中には入れたが、中も鉄パイプの足場だらけで涅槃大仏が見辛い!
工事中も通常と同じ入場料を取るというのは、どうも納得がいかん。
まぁ、オフシーズンに入ったから改修工事を始めたのだろうけど。 今日も2万2千平方メートルの広大な敷地の寺に、客は俺1人だけだったし・・・
夜10時頃、部屋に電話が掛かって来た。
そういえば昨日も掛かって来た。 が、中国語なので何を言っているか分からない。
今日も、「ティンプートン(分からない)」を連発して、「我不是中国人(私は中国人ではない)」と言ったら、ようやく向こうも電話を切った。
そのわずか数分後、部屋のドアがノックされた。
ドアを開けると、中国人女性2人が立っていた。 手にはバケツを持っている。 何やら中国語でまくしたてて、いきなり部屋に入って来るなり、人のシャワー・ルームでお湯をバケツに溜め始めた。
ん? 何がしたいんだ?
ズカズカと部屋に入り込んで来た彼女たち。
何を言ってるのか分からんので、紙とペンを渡してみた。 「あなたは何歳だ?」と聞いてるらしい。 こういう意味の分からん状況では本当の年齢を言うようにしている。 29才だと言うと、2人で顔を見合わせてノートに「看起来20」と書いて見せてきた。
看たら、起きて、来た、20?
すると、今度は「この子を何才だと思う?」と聞いてきた。 この手の質問は嫌いなんだよな、と思いながらも適当に「23〜4才くらい」と答えると、答えは17才だった。
『へー、大人っぽいし美人だとは思ったけど17才とは!』と感心していると、年増の女がジェスチャーを始めた。
俺、17才の子、ベッド、一緒、寝る。
売春かいっ!!
「いえ、結構です」とお断りするが、一生懸命に勧めてくる。 しかも、値段は「500元銭」(約7,890円)だって。 高ぇー! トラックの運ちゃんレベルの貧乏人相手の“床屋さん”なら30元(約470円)で買えるのにね。
最終的には向こうも諦めたようだが、なぜか明日に彼女たちの部屋でご飯を食べさせてもらうことになってしまった。 しかも、「明日は用事があるのか?」と聞かれたので、部屋でダラダラするつもりだったのに「観光する」と言ったら、逆効果で案内してくれることになってしまった。
んー・・・観光したくないし、面倒くさい気がする。
まぁ、せっかくの機会だから、売春婦とお友達になってみるのも悪くはないかな?
そういえば売春で思い出したが、敦煌で女を買っていた日本人旅行者がいた。 彼は俺よりも随分と年下だったが、「俺は買わない」と言うと「なーに、純情なこと言ってるんですか!?」と言われた。
えっ、俺が純情?!
俺が買春しない本当の理由を知っている人なら笑いそうだが、まさか「純情」呼ばわりされるとはねぇ〜。 思わずニヤリとしてしまった。
ちなみに、俺が買春しない理由は、道徳的理由からでも、金銭的理由からでも、病気が怖いからでもない。 普通は中々ない理由だろうな。
なんせ、純情だから・・・
旅の出費;
入場料: 41元
外食代: 6.5元
インターネット: 5元
合計: 52.5元(約830円)
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