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北朝鮮観光

【5日目】
 ホテルの部屋にはTVが置いてあります。

 映るチャンネルは、全
8チャンネル

 中国CCTVなど中国語放送が4チャンネルあり、ロシアPTPの他、イギリスBBC、我が日本のNHK world(英語放送)が映りました。
 ローカルは、平壌中央放送のみ。

 ガイドさんによると、北朝鮮には平壌中央放送以外に2チャンネルがあるらしいですが、放送は週末だけとのこと。

 TV放送はそのまま流されているようで、オレは当時『韓国海軍哨戒艦沈没には北朝鮮が関係している可能性がある』というNHKニュースを平壌で見てましたww
 逆に気を使って「こんなの流して大丈夫なんか?」と思っちゃいましたが、どうせ外国人旅行者しか見ていないから問題ないのでしょう。

 平壌中央放送は、やたらと力み過ぎで高圧的な口調が「体に悪いんじゃないか?」と心配になってしまう、“あの”おばさんアナウンサーで有名(?)な放送局です。
 最近も、「全面戦争だっ!!」と言ってましたね。
 お昼と夕方にニュースがあって、その後に天気予報があります。

 それ以外の時間は何を放送してるか?

 実は
カラオケ映像です。
 歌詞字幕の映像をずっと垂れ流してました。 超つまんねぇーの!


 オレが泊まっていた羊角島国際ホテルには客室が1000室あると、以前に書きました。

 そんなに観光客が来ているのか?

 何階から何階までか?という具体的なことは分かりませんが、どうやら低層階から中層階まではホテルの従業員が住んでいたり、ガイドたちの宿泊所になっているようです。
 深夜にベロベロになって部屋に戻ろうとエレベーターに乗ると、深夜にも関わらず混んでいたりします。
 ホテルの従業員たちが、自分の部屋に戻っていくところでした。
 実質の『客室』としては、1000を遥かに下回るんじゃないか?と想像します。

 あと、基本的に各階のエレベーターロビーは電気が点いていない時が多く、真っ暗だったりします。
 停電は1日数回、数秒ほどの短いのはありましたが、すぐに回復しましたね。


 実は帰国してから知ったのですが、ホテルの地下にマッサージ屋さんがあって、通常マッサージの他に、“
スペシャル”な男性向けマッサージもあるそうです。
 英語サイトの情報によれば、中国人経営で女性たちも中国人だそうです。 『悦び組』じゃぁないのね・・・

 でも、脱北者で元北朝鮮軍・政治部機動芸術扇動隊長の鄭氏の情報によれば、外国人用ホテルには『
外貨獲得突撃隊』と呼ばれる党公認・北朝鮮人娼婦組織が配置されているとか。
 突撃隊って・・・全裸で突っ込んでくるのかな?
 ただし、『国賓級の外国人相手』ってことらしいので、国賓級ではないオレには突撃隊の気配すら感じられませんでした。


 あと、平壌市内の動画を忘れていました・・・




 5日目の朝は、いよいよ出発の時です。
 朝9時頃にホテルをチェックアウトし、バスに乗って
平壌駅へ。


 こちらが平壌駅ですが、平壌国際空港よりはデカイです。

 ここで北朝鮮ガイドさんたちとはお別れ。
 帰国してから気付いたのですが、ガイドさんたちの写真を1枚も撮っていない・・・ まぁ、どうしても欲しかったらツアーメイトに送ってもらえばいいだけの話ですが、別にいらねー。


 別れ際にガイドさんがこう言っていました。

 「皆さん、北朝鮮を楽しみましたか?
 世界では北朝鮮を「危険な国だ」などと言ったりしていますが、今回皆さんは実際に北朝鮮に来てみて分かったと思います。
 北朝鮮は安全だし、人々は親切だし、素晴らしい国だと
 だから、皆さんが自分の国に帰ったら真の北朝鮮の姿を友達に教えてあげてください」

 これを聞いて、オレは北朝鮮が外国人観光客を受け入れる本当の目的がはっきりと分かりました。
 彼らにとっては、外国人観光客は『
広告塔』なのです。

 仮にオレが北朝鮮を大絶賛したとしましょう。
 反論してきた人には、「お前は北朝鮮に行ったことないだろ? オレは実際に自分の目で見てきたんだ!」と言えば、それだけである程度の説得力が生まれるものです。
 それを狙ってるんでしょ?


 こちらは平壌駅のホーム。


 本来ならば、↑この改札からホームに入ってくるのでしょうが、外国人は別の入り口からノーチェックでそのままホームに入りました。

 乗り込む列車ですが・・・


 まず北朝鮮の国内列車で、
平壌⇒新義州(中国との国境)行き5列車。
 こちらは
北朝鮮車両で、乗務員も北朝鮮人。


 
平壌⇒満州里(中国)⇒モスクワ行きNo.19国際列車。
 こちらは
ロシア車両で、乗務員もロシア人。


 
平壌⇒北京行きK28次国際列車。
 こちらは
中国車両で、乗務員も中国人。

 この3本の列車が全て連結して、1本の状態で走ります。
 オレらは、平壌出発の時点でK28次列車の1等寝台に乗車。

 中国との国境・新義州で、北朝鮮国内列車は切り離され・・・
 国境を渡った中国・丹東で、モスクワ行きNo.19列車は切り離され・・・
 丹東からは中国国内列車が新たに連結されて北京に向かいます。


 ビールを買いに北朝鮮車両の食堂車に向かうのに、中国車両を抜け、ロシア車両を抜け、最後尾に連結されている北朝鮮車両まで歩いていかないといけません。
 “国際”列車!って感じですね。
 中国もロシアもピカピカの新型車両ですが、突然古めかしい車両になったら、それが北朝鮮車両。
 ドアからして明らかに違うので、すぐ分かります。


 これが、北朝鮮の食堂車。
 ビールを朝鮮語で何と言うのか知りませんが、「пиво」とか「碑酒」とか連呼してたらハイネケンが出てきました。

 昼食はおばちゃんが注文を取りにきて、頼むとコンパートメントまで持ってきてくれました。


 これで、5ユーロ(約600円)。


 10時10分に平壌を出発した列車は、中国との国境に向けて北上していきます。
 現在の詳しいことは知りませんが、京城(現ソウル)と義州を結んでいた朝鮮総督府鉄道
の『京義本線』がほぼそのまま使用されているはず。 当時、義州から先は満州国に入り、鉄道は満鉄に接続されました。

 今回、中国との国境・新義州に到着したのは15時30分。
 鮮鉄時代の平壌⇒新義州間は距離が236kmあるので、それを基準に計算すると列車のスピードは
44km/hってことになります。
 ちなみに、中国に入ってからの平均速度を計算すると
80km/hでした。

 ウワサによると、これ以上のスピードは出せないらしいです。

 『突破せよ、最先端を!』と言ってる割に・・・どうなんでしょ?
 最先端の前に・・・50km/hを突破せよ!!

 彼らが『アメリカ帝国主義の傀儡政権』と呼ぶ南朝鮮を見てみると、ソウル⇒釜山を結ぶKTXは営業速度
300km/hを出すそうです。
 経済力の格差が、列車の速度にまで反映されているのでしょうか?


 ようやく国境に到着し、出国審査がはじまります。

 北朝鮮に行っても、パスポートに出入国の記録は残りません
 ビザは他の国のようにパスポートに貼られるわけではなく、『Tourist Card』という紙になります。


【表】

【裏】

 出入国のスタンプを押されるのは、パスポートではなく、この『Tourist Card』の裏です。

 カードを開くと、中はこんな感じになっています。


 顔写真の下に、氏名、性別、国籍、生年月日、職業、旅券番号、そして滞在期間が記載されています。

 旅行者には出入国スタンプ・コレクターも多いので、そんな人へ贈る北朝鮮入国スタンプの拡大写真!


 上に『朝鮮★平壌』、下に『航空通行検査所103』と書かれたスタンプです。

 この『Tourist Card』ですが、北朝鮮に入国する時にイミグレーションの手前で渡され、入国審査が終わると回収。 出国する時も、出国審査の前に渡されて、終わると回収。
 旅行者本人の手元にあることは基本的にありません。
 カードを持ち帰ることも不可

 ちなみにですが、パスポートも北朝鮮滞在中は回収され、自分で持っておくことは許されません。
 旅行者には肌身離さずパスポートを持っている人も多いので、そういう人にとっては心配みたいです。
 オレは、旅行中もパスポートは持ち歩かない派なので、別に何とも思わなかったけど。
 オレのパスポートが偽造パスポート作成の研究材料になってたりしてww

 まぁ、そこは日本の先端技術を信じることにしましょう。
 突破できるかな、日本の最先端を。


 イミグレは別にどうでもいいのですが、問題は
税関です。

 本来は撮影禁止の車窓ですが、ガイドは平壌駅で別れたし、誰も見張っている人はいないので、撮ろうと思えばいくらでも撮れるわけです。
 そんなわけで、写真を撮る旅行者が多く、カメラの中をチェックされたりすると聞き、ちょっとビビるオレ。

 結論から言えば、税関審査が終わるのに2時間かかりました。

 コンパートメントごとに細かくチェックする税関職員。
 順番に荷物検査をしていくので、オレのコンパートメントに来るまで時間がかかります。

 だいぶ時間がかかって、ついに隣のコンパートメントまで来ました。
 隣は同じツアーメイトたちが使っています。

 この時点で、税関職員はいい感じに酔っ払っているようで・・・
 1人が職員にタバコ(マルボロ)を2箱あげると、彼はコンパートメント内でタバコを吸いだしました。 さらに他の乗客にも強制的に勧めたものだから、室内はアッと言う間に煙だらけに。
 もちろん車内は禁煙なのですが、あまりの煙に火災報知機が作動して、中国人鉄道服務員が飛んできましたが、あっさりと税関職員に追い返されていました。
 さらに、税関職員はツアーメイトが持っていたノートパソコンを起動させて、中をチェックし始めます。

 「面倒くせーな」と思っていると・・・その税関職員はツアーメイトが持っていたウォッカ2本を没収して列車から降りて行ってしまいました。
 いわゆる・・・
カツアゲってやつですね。

 あれ? オレらのコンパートメントは??

 「あの税関職員どこ行った?」と聞くと、「ウォッカ飲みに行った」

 いやー、懐かしいっすねぇ!!
 中央アジアみたい!!

 だいぶ経ってから、先ほどとは別の税関職員がやってきましたが、オレらのコンパートメントの審査は超簡単!

 目視のみww

 カバンを開けることすらなかったんだけど、さっきの隣との差は何?!


 ついに全ての車両で出国審査が終わり、いよいよ北朝鮮を出る時が。


 ↑北朝鮮・新義州の工場と思われる建物。

 
鴨緑江という川を渡ると、そこは中国です。
 列車が『中朝友誼橋』を渡って国境を越える時、皆もテンションMAX!!


 対岸に中国の街並みが見えてきます。

 「
Freedom!!」と、叫ぶツアーメイト。


 いや、同じ共産国家・中国なんだけどね・・・


 でも何だろ?
 オレも感じた、“中国なのに”ホッとする感は?(笑)



 国境を渡っている途中、『
断橋』という朝鮮戦争時にアメリカ軍の爆撃によって破壊された橋が見えます。


 全員が「北朝鮮を出た」というだけでテンションが上がり、北朝鮮の出国審査が終わって電車が走り始めてからずっと写真を連写で撮っていて、中国国境でも写真を撮りまくっていたので、中国兵に怒られましたw


 平壌を発ってから23時間後の翌8時半、列車は北京に到着。
 ツアーメイトたちとは北京駅でハグして別れ、北朝鮮ツアーは終わりました。

 ちょうどこの時、アイスランドの火山が噴火した影響で、ヨーロッパの空港がほとんど閉鎖され、ヨーロッパからのツアーメイトたちは帰国するのに大変だったらしい。

 オレは、なぜか帰りの飛行機が普通にチェックインしたにも関わらず、機内で案内されたのがファーストクラスで「これは北朝鮮の陰謀か?!」とドキドキしながら帰って来たのでした。
 これが生まれて初めてのファーストクラスww


 日記は以上ですが、帰国後よく人に聞かれることを【まとめ】の形でアップします。


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