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アジア横断シルクロード日記


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現在地はどこなの?

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ビシュケクの妖精たち、プールに入る
2007年7月23日(月)
ガスマスク準備完了

 実は、今日で宿30連泊目・・・
 宿代がとんでもないことになっていた。 一気に2万円近くが飛んで行った。 まぁ〜、丸々1ヶ月住んで家賃が2万円だったと思えば安いとは思うけど。
 宿代を清算して明日にはチェックアウトし、同じ宿の日本人数名と一緒に、小旅行でキルギスの北東部を回ることになった。
 ついに行動開始である。

 その前に・・・
 オシュ・バザールに行って、浸水で駄目にしたガスマスク(写真)用のカートリッジを買って来た。
 店側はマスクとカートリッジ(フィルター部)はセットでしか売らないと言って来たが、粘って1個40ソム(約130円)で購入。
 これで、また息が出来るようになった・・・
 ちなみに、店の裏側には色々な種類のカートリッジが置いてあった。 多分、毒ガスの種類によってカートリッジが違うのだろう。
 30cmほどもあるロング缶もあった。 あれを着けたら足元が見えなくなって、う○こを踏む確率が高くなって危険だ。 踏まないための安全性と持ち運びの利便性を考えて、最初に買った時と同じサイズのカートリッジを買った。
 いつでも撃って来い、催涙弾!!

旅の出費
ビール: 32ソム
絵葉書: 35ソム
外食代: 123ソム
カートリッジ: 40ソム
インターネット: 38ソム
マルシュルートカ: 11ソム
宿代(30泊分): 6,000ソム
合計: 6,279ソム(約19,990円)

ソン・キョルのユルタ
2007年7月24日(火)
草原の生活

 ビシュケクから乗合タクシーで、コチュコルに向かう。 距離にして170kmほどである。
 事前にCBT(Community Based Tourism)というNPO団体を通して、ソン・キョル(ソン湖)までの足として四駆をチャーターしていたので、コチュコルから四駆に乗り換えてソン・キョルに向かう。

 ほぼ全土が高原と山岳地帯からなるナルン州の中にソン・キョルはある。
 4,400mと3,991mの山々を両側に見ながら、天山山脈の中に入って行く。 最高地点の峠で、3,100m以上はありそうだ。 気温はどんどん下がっていき、寒風が吹き荒ぶ。
 山の天気は変わりやすく、最初は青空が見えていたのが、山を登っている途中で雨に変わり、最後にはその雨が雹に変わった。
 周りの山々には、まだ残雪が見える。 思わず腕時計の日付を確認してしまった。 確かに7月末である。

 海抜3,016mの高さに位置するソン・キョルの周りには見渡す限りの草原が広がっている。 ここでは夏場の間だけ、遊牧民であるキルギス人の生活を見ることが出来る。
 彼らは、モンゴルではゲル、中国ではパオと呼ばれているものと同じ可動式テント住宅『ユルタ』で生活しながら馬やヤギを放牧している。

 コチュコルから3時間掛かって、ソン・キョルに到着。 車から降りると、半端じゃなく寒い。 何しろ3,016mの草原で吹き荒ぶ風である。 寒いわけがない。
 ここにはCBTが運営するユルタがあるので、今晩はユルタで寝ることになる。
 ユルタの造りは、モンゴルのゲルとほとんど変わらないと思われる。 骨組みを作る木の柵があり、円形の枠に支柱を結び付けて屋根になっており、その上からフェルトと白いキャンバス布を結び付けて壁と屋根を作っている。
 中に入れば風を遮断して、お世辞にも暖かいとは言えないが意外と快適である。 天井の一番上の部分はビニールで覆われており、そこから日光が入り込んで天然の電気の役割を果たしている。
 ここには電気も水道もガスも通っていない。
 暖房は馬糞を燃料とするストーブ、電気はロウソクである。

 長袖シャツの上にTシャツを着、その上に長袖シャツをもう1枚、さらにその上からセーターを着込んだが、それでも外に出ると寒い。
 夏とはいえ、冬用の防寒具は必要である。
 しばらくユルタの中で激しい雨が通り過ぎるのを待っていると、夕方ごろにようやく晴れてきた。

 外に出てみると、な〜んにもない。
 ユルタの周りで馬が草を食んでおり、その遠くにヤギの集団がいた。 それだけのシンプルな自然と生活があった。
 草原を少し走ってみたが、すぐに息が切れてゼェゼェした。 やはり標高が高い。

 夜はすることがない。 持ち込んだウォッカを飲んだが、標高のせいで直ぐに酔っ払った。
 仕方がないから、馬のいななきと風の音を聞きながら眠りについた。

旅の出費
食費: 35ソム
酒代: 60ソム
外食代: 37ソム
生活用品: 5ソム
マルシュルートカ: 5ソム
乗合タクシー(→コチュコル): 160ソム
四駆チャーター(→ソン・キョル): 400ソム
合計: 702ソム(約2,230円)

帽子族 in ソン・キョル
2007年7月25日(水)
キルギスの熱海

 隣りのユルタには、キルギス人の観光客グループが泊まっていた(写真)。
 10人ほどいて、全員が野郎というか、お爺さんだ。
 ほとんどの人が独特な山の高い『カルパク』と呼ばれる帽子を被っていた。 キルギスではカルパクを被っているお爺さんを良く見かける。

 この“帽子族”のお爺さんたちに『クムス』を飲まされた。 これは伝統的な馬乳酒で、酸っぱい臭いと味がする。 アルコール分はビールよりも低いらしいので、ちょっと臭いヨーグルトのようなものだ。
 臭いに若干の抵抗感があったが、実際に飲んでみるとまぁ飲めないことはない。
 ただ、よく馬の毛が浮いていたりするので、気分的に“お腹一杯”になりやすいという難点がある。

 そういえば、ユルタで出された食事でも、よくパンの中に馬の毛が混じっていた。
 馬好きには堪らない至福の一品である。

 色々あって、結局ソン・キョルには1泊だけして山を下りることになった。
 山を下りてコチュコルで皆と解散する。
 ある人はビシュケクに戻り、ある人はウスク・キョル(ウスク湖)の北側に行くという。 俺は、友達と2人でウスク・キョルの南側に行くことにした。
 せっかく重い腰を上げて小旅行に出たのだ。 この際は惰性で“ついで観光”も大事である。

 ウスク・キョルはキルギス語であり、一般的にはロシア語風に『イスィク・クリ』と呼ばれている。 意味は“温かい湖”だが、実際に暖かいわけではなく、標高の割に冬でも凍結しないのでそう呼ばれているらしい。
 ここは天山山脈の北側にある湖で、湖面標高は1,607m。 水深では世界で4番目になる702m、面積は約6,100平方kmで琵琶湖の約9倍の大きさを誇る。
 『西遊記』の三蔵法師も、ガンダーラに向かう途中、天山山脈を越えてここを訪れている。 彼の旅行記『大唐西域記』では「熱海」として紹介されているが、俺の控えめな予想では、“あたみ”とは読まないと思う。

 コチュコルから乗合タクシーで湖の西端にあるバルックチュまで行き、そこから別な乗合タクシーに乗り換えてカジュサイという町を目指す。
 結論を言ってしまえば、湖自体はどーでも良かったが、湖の周りの天山山脈の景色が素晴らしかった。 頂に真っ白な雪を抱いた4〜5,000m級の山々が美しい。

 カジュサイは普通にビーチがある普通の町で、別に美しくも何ともない景色だったので5分で飽きてしまった。
 そこで、もう少し東に行ったところにあるタムガという村まで移動して、そこで1泊することにした。

 タムガは、サナトリウム(保養所)を中心にして出来たような小さな村だ。 ここのサナトリウムの建物の一部は、満州から連れて来られた日本人抑留者が建てたそうだ。
 こんな所まで来ていたのか、日本人抑留者・・・

 タムガでは、途中で知り合った女子医大生ヌリちゃんの家に泊めさせてもらうことになった。
 ヌリちゃんはお洒落さんで、野村サチヨを若くさせて、顔を少しいじったような美人である。
 ん? それは美人なのか・・・?

旅の出費
外食代: 134ソム
宿代(1泊1食分): 383ソム
乗合タクシー(→バルックチュ): 60ソム
乗合タクシー(→カジュサイ): 100ソム
マルシュルートカ(→タムガ): 30ソム
合計: 707ソム(約2,250円)

ウスク・キョル in キルギスタン
2007年7月26日(木)
大き過ぎるのも如何なものか?

 写真は、タムガで撮ったイスィク・クリだ。
 海のようだが、晴れていれば対岸の後ろにそびえる4,000m級の山があるイレニン・アラ・トー山脈が望めるはずだ。

 ついでなので、イスィク・クリの南岸を回ってきたので、ぐるっと北岸回りで湖を一周してビシュケクに帰ることにした。
 タムガから、ウスク・キョル州の州都カラコルに向かい、そこからビシュケク行きのマルシュルートカに乗って北岸を西に向かった。

 車窓から眺めた景色は、「ぜんぜん湖が見えねぇー!」というくらい素晴らしいものであった。 しかも、山も見えないほどの雨天に恵まれ、実に爽やかな観光日和であった。
 その上、イスィク・クルはでかいっ!!
 かなり飽きていたのだが、地図を見るとまだ工程の半分も行っていなくてガッカリした。 東西に170kmの湖だから、実際の道路ではさらに距離がある。

 結局、タムガからビシュケクまで合計8時間も掛かってしまった。
 「もう二度とイスィク・クルには来ねぇー!」と心に決めたのは言うまでもない。
 実際に行ってみた感想としては、自転車とかバイクとか車など自走手段があるのであれば、ポイントポイントで景色の良い場所を楽しめるが、それ以外の場合はあまり面白くないかも知れない。
 やはり湖の景色よりも、山の景色の方が良い。

 ちなみに、タムガから中国との国境線までは直線距離にして約150km。 地図を見ると、中国までほんの少しの距離だ。 しかし天山山脈が中国との国境を南北に走っており、実際にキルギスと中国の間で開いている国境は2ヶ所のみ。 その内1ヶ所は中国側で許可証が必要なため、事実上旅行者が通る国境は1ヶ所しかない。
 目の前なんだけどね、中国。 実際に入るのは10月くらいかな・・・

旅の出費
食費: 22ソム
外食代: 55ソム
ビール代: 55ソム
宿代(1泊分): 200ソム
マルシュルートカ(→カラコル): 65ソム
マルシュルートカ(→ビシュケク): 200ソム
合計: 597ソム(約1,900円)

ウイグル・バザールのラグマン
2007年7月27日(金)
ウイグル麺

 わざわざアラメディン・バザール(別名:ウイグル・バザール)にラグマン(写真)を食べに行った。
 中央アジアのどの国々でもラグマンを食べることが出来るが、大抵の場合は不味い。 何が不味いか?と言えば、『麺が』の一言に尽きる。 べチャべチャのフニョフニョな場合が多々あり、時にはスパゲティを使っていることさえある。
 ところが、ウイグル人の作るラグマンが美味しいのは、自家製の腰が太い麺を使っているからだ。
 今回、中央アジアに入ってから初めてウイグル・ラグマンを食べたが、他とは比較にならないくらい美味しかった。
 やはり地理的に天山山脈で隔てられた中国側と中央アジア側では、食事の豊富さ、味においても食文化的な天山山脈が存在しているようだ。

 夕方からカジノに行った。
 ビシュケクで2度目となる出陣である。 前回は25USドルを勝っているので、今日は一気に100USドルの勝ちを目指すことにした。
 軍資金は前回の2倍になる200USドル。 1回の賭け金も最小で10USドルにした。
 場を立ててもらってプレイ開始。

 あっと言う間に、170USドルが消えた。
 むむむ、これはかなりまずい・・・と、かなり焦ってきた。 プレイ中にオレンジジュースを1杯飲んだだけで、このままではとてつもなく高額なオレンジジュースを飲んだことになってしまう。
 残り30USドルから、1時間以上かけて何とか手持ち200USドルまで回復させた。
 精神的に疲労困憊したので、結局ここでストップ。 ±ゼロで終了した。
 一緒に行った他の旅行者たちも、1人は±ゼロ、他は−7.5USドル、−80USドルと、1人も勝った人はいなかった。

 前回は全員が勝ちだったのと対照的に、今回は良くて±ゼロだった。
 やはりギャンブルは所詮ギャンブルである。

旅の出費
タバコ: 16ソム
外食代: 207ソム
マルシュルートカ: 10ソム
合計: 233ソム(約740円)

ロバに乗る帽子族
2007年7月28日(土)
絶好の不外出日和

 久しぶりに“何もしない”1日を過ごした。
 ビールを買いに近所の商店に行った以外、外出なし。 昼食も夕食も作ってもらったし、外出する理由がなかったのだから仕方がない。
 さらには、久しぶりの快晴に恵まれて、絶好の『外出しないぜ日和』。

 夕方からはサウナを焚いて、極熱サウナと極寒プールに交互に入っていたら疲れ切ってしまい、早く寝ることにした。
 昨日も午前4時まで飲んでいたし、相変わらずの健康的な日々を送っています。

旅の出費
食費: 65ソム
タバコ: 16ソム
ビール: 91ソム
合計: 172ソム(約550円)

アラメディン・バザールのフルーツ屋台
2007年7月29日(日)
今後の予定

 早いもので、今日でまた1週間が終わってしまう。
 いつ行動を起こすか?が問題だが、予定では8月5日以降にカザフスタンに移動。
 石油バブルで物価が異常な上がり方をしているカザフスタンでは、宿代も鬼のように高い。 そこで長居出来るほど懐が暖かいわけでもないので、ウズベキスタンのビザが始まる8月15日にカザフスタンを出国することから逆算して、カザフスタンに10日滞在するとしたら8月5日入りになる。
 あまり早くカザフスタンに行ってしまうと、「もう飽きた!」となってもビザの関係で逃げ道がなくなるので、じっくりと計画を練ってから行かねば。

 そんなわけで、来週1週間が丸々ヒマ。
 何しよう? やはりビシュケク市内の安宿を泊まり歩くしかないか?
 またカジノに行っちゃおうかなー・・・

 そんなわけで、またカジノに行って来ました。
 ビシュケクで3度目になる出陣です。 今日は快晴で、負ける気がしねぇー!!
 ただ、心臓に悪いので今回は100USドルまで軍資金を減らしての参戦。
 まぁ、結論だけ簡単にパーッと言ってしまうと、100USドル全部すりました・・・
 最初の25USドルの勝ちを差し引いて、合計75USドルの負け。 や、やばい。

 写真は、アラメディン・バザールにて。 またメロンを買いました。

旅の出費
バス代: 6ソム
食費: 212ソム
タバコ: 17ソム
コピー代: 3ソム
外食代: 170ソム
生活用品: 70ソム
カジノ: 100USドル
インターネット: 49ソム
合計: 527ソム+100USドル(約13,680円)





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