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中東旅行日記


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現在地はどこなの?

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オールドサナアのスーク
2006年5月15日(月)
安眠妨害

 旧市街には沢山のモスクがある。 泊まったホテルの直ぐ周りにも3つほどモスクがあった。 まぁ、モスクがあるのはイスラム教国だから当たり前のことなのだが、あまりに沢山あるとちょっと大変。
 夜中の3時に、部屋の窓からも見える直ぐ前のモスクから拡声器を使ってアザーンが流れ出した。 しかも、ちょっと声が喧嘩腰なのが気になって目が覚めてしまった。 すると旧市街中のモスクからアザーンが一斉に流れ出した。 こうなるともう寝付けない。
 ちょっと音デカ過ぎじゃね?

 “アザーン”とは、モスリムを1日5回の礼拝に招く呼び掛けのことだ。 通常はテープではなく、肉声で「アッラーは偉大なり」など七つの文句を拡声器を使って唱える。 これが人によって唱え方が違う。 俺の泊まった部屋の直ぐ前のモスクで唱えてる人は、『これでもかっ!?』って感じの攻撃的な口調で、明らかに俺の安眠を妨害しようとする意図が感じられる。 ホテルの裏のモスクの人はちょっと音痴気味で、これまた気になって眠れない。 遠くの方から聞こえるアザーンは哀愁を漂わせる唱え方で、これくらいなら子守唄にもなりそうだが、残念ながら喧嘩腰や音痴に邪魔されて存在感が薄い。
 そんな理由で、旧市街には2泊が限界だ。

 ソコトラ島行きイエメニア航空のチケットを発券してもらった。 今週の19日(金)なのだが、早朝5時半発というのが気になる・・・
 ソコトラ島には、結局日本人旅行者7人で行くことになった。 その7人の中には、ナイロビから何度も会っている藤さん、アジス・アベバで同じ宿だった“ラスタマン・チャイナ”(日本人だけど)も入っている。

 イエメニア航空の国内線って自由席だから座席の奪い合いになるって噂なんだけど、本当かな?
 評判の悪いイエメニア航空、ちょっと楽しみ。

旅の出費(2人分)
外食代: 855イエメン・リアル
ジュース代: 130イエメン・リアル
CDケース: 250イエメン・リアル
インターネット: 225イエメン・リアル
航空券(サナア→スコトラ島): 312USドル
合計: 1,460YR+312USD(約36,730円)

ジャンビーラ
2006年5月16日(火)
迷子

 お昼に起きる。 起きたら世間一般はシエスタ(お昼寝タイム)が始まっていたので、そのままボケーっと夕方まで過ごす。 こう書くと、ずいぶんと暇な印象を与えてしまうが、実は色々と忙しかった。

 まず、他の宿の日本人旅行者が部屋に訪ねて来た。 知らない人。 その女性はエジプトからイエメンに飛んで来たらしいが、「イエメンは食事が単調」だって・・・
 こら〜!(怒) アフリカから比べたら食事が豊富なイエメンに向かって、何たる暴言!
 しかし、人によって感じ方が違うものなんだなぁーと面白かった。 アフリカから来た俺はイエメンをベタ褒めだが、他から来た旅行者にはそれほど良いわけでもない場合もあるようだ。
 その彼女に、「エチオピア料理屋に行きませんか?」と誘われた。 ・・・なんでエチオピア以外の国で、金払ってまでゲロを食わなきゃいけないの? 奢ると言われても断る。 「お金をあげるので食べて下さい」と土下座されたら考える。

 シエスタが終わってから、ツーリストポリスに行ってみた。 イエメンの地方を旅行する時には、場所によってツーリストポリスが発行する“旅行許可証”が必要だ。 検問で、その旅行許可証を見せないと追い返されるし、そもそもバスのチケットが買えない。
 いつも面倒臭いのでガイドブックの類や情報ノートを読まない俺は、ツーリストポリスの場所をきちんと確認しないまま出掛けた。 それが失敗だったようで、ツーリストポリスが全然見付からない。 しかも道行く人に尋ねても、『ポリス』という英単語すら通じない。
 ようやく『ポリス』が通じた人が教えてくれたのは、普通の警察署。 そこでツーリストポリスの場所を聞くも、全く理解されず再びウロウロ探す羽目に。
 結局1時間ほどウロウロして、最終的に英語を話す警察がツーリストポリスまで送ってくれた。 送ってもらって分かったけど、こんな場所絶対に分からねー! 普通の住宅街の奥にある、普通のホテルの1室がツーリストポリスだった・・・ しかも『ツーリストポリス』という看板すらない。
 本当にここがツーリストポリスなんだろうか?と心配になってきた。 聞くと「俺はツーリストポリスだ」と言ってはいるが、イエメンのツーリストポリスってこんなにしょぼいの? 心配だったので、一度宿に戻って場所を再確認してから出直すことにした。

 夜、情報ノートでツーリストポリスの場所を確認すると、今日行った場所で合っていた・・・

 写真は、イエメン人の男が差しているジャンビーラ。 ライフルを持っている人も、下腹部にはジャンビーラを差していたりする。
 明治時代に廃刀令で帯刀を禁止された日本の侍と、未だにジャンビーラを差すイエメンの男と、結果的にどちらが良いのかは分からないが、未だに伝統を守っている姿を見ると羨ましいと感じる時もある。

旅の出費(2人分)
コピー: 45イエメン・リアル
外食代: 690イエメン・リアル
ジュース代: 100イエメン・リアル
DVD-RW: 800イエメン・リアル
合計: 1,635イエメン・リアル(約960円)

サナア旧市街の子供たち
2006年5月17日(水)
ジャッキーとニンジン

 午前中に昨日に引き続きツーリストポリスに行く。
 ソコトラ島からの帰りに、サユーン(Sayun)、シバーム(Shibam)に寄り、そこからサナアに帰って来るルートに必要な旅行許可証を申請した。 許可証は無料で、直ぐに発給してくれる。
 ただ、このルートはバス会社がチケットを売ってくれない例が多い(外人が乗っていると、検問で一々面倒臭いから)らしく、許可証は取れたけど、バスで帰って来れるか?は不明。

 ツーリストポリスからの帰り、シャイ屋(お茶屋さん)に寄った。 紅茶を頼んで飲んでいると、うちらより先に来てお茶を飲んでいたおじさんが、帰り際に「君達の分は私が払っておいたから」と言って、そのまま帰って行った。
 全然知らない人に奢ってもらっちゃった。 何なの、この国?!
 道を歩いていると、脇を走り去る車の中から「Welcome to my country!」と声を掛けてくる人もいたりしてビビる。 それが海をちょっと渡ってアフリカ大陸に渡ると、「ユー、ユー、ユー、ファックユー!」になるんだからな・・・恐るべし暗黒大陸。
 イエメンでも、「ジャッキー」と呼び掛けられたりすることもあるが、ムカつく感じで言って来ないのがアフリカと違うところ。 ちなみに、ジャッキーとはジャッキー・チェンのこと。 世界中でジャッキー・チェンの知名度は凄い。 もちろんアフリカでも皆知っている。
 これがアフリカではどーなるのか? 道を歩いていると、後ろから全速力で追い掛けて来る大人。 追い付いて、息を弾ませながら俺の前に立ちはだかると、カンフーの真似をしながら「ジャッキー!!」と叫んでまた走り去って行く。
 ・・・・あんた誰? って言うか、馬鹿? 子供なら分かるけど、大人がやるからね。 脳味噌が猿並みってことに気付いてない様子に、可哀相で涙が出そうになる。

 今日はラスタマン・チャイナ(日本人ね)も、道を歩いていたら反対側から歩いて来たイエメン人のおじさんにニンジンを1本貰っていた。 これは意味が分からんが、最初は断っていたラスタマンも、「俺のニンジンが食えねーって言うのか?!」というおじさんの剣幕に、渋々ニンジンを貰ってかじっていた。
 生ニンジン1本。 馬だと思われたのかな?

 今日でケープタウンを出発してからちょうど4ヶ月が過ぎた。 かなりスピード速いけど、ワールドカップには間に合いそうもない・・・
 さてさて、気になる4ヶ月目の出費は? ジャカジャカジャーン、9万8,900円で10万円切ってます!! いやー、涙ぐましい節約の効果が表れていて素晴らしい。
 エチオピアは金を使う場所がない・・・ イエメンは酒がない・・・

旅の出費(2人分)
コピー: 15イエメン・リアル
外食代: 835イエメン・リアル
ジュース代: 180イエメン・リアル
生活用品: 975イエメン・リアル
インターネット: 265イエメン・リアル
合計: 2,270イエメン・リアル(約1,330円)

ジャンビーラ
2006年5月18日(木)
シヴィライゼーション

 実は、昨日の夜からPCゲームをやり始めたら、止められなくなって気が付いたら午前6時半・・・ コケコッコーという鳴き声で、「こりゃ、寝なきゃ」と思って寝たから、今日は何もしてない。
 一応、明日からのソコトラ島への小旅行に向けて、荷物をコンパクトにまとめるのに1日掛かった。
 今日やった事はそれだけ。

 写真は、ジャンビーラ。 “J”の形をした刀で、先端が曲がっているのが特徴。 現在は武器としての役割はない為、刃の部分はステンレス製のジャンビーラが多い。

旅の出費(2人分)
雑費: 95イエメン・リアル
外食代: 780イエメン・リアル
ジュース代: 170イエメン・リアル
インターネット: 160イエメン・リアル
宿代(4泊分): 4,800イエメン・リアル
合計: 6,005イエメン・リアル(約3,510円)

ソコトラ島の海
2006年5月19日(金)
ソコトラ島

 深夜2時半起床。 って言うか、2時間くらいしか寝てない・・・ 非常に嫌々起きて、3時過ぎにタクシーに乗り込む。
 今日はサナアからソコトラ島に移動する日。
 サナア空港からイエメニア航空の国内線で、ムカッラ経由でソコトラへ向かう。

 サナアの空港内は喫煙OK。 まぁ、『禁煙』のマークはあるが、税関職員から利用客からタバコを吸っているから何でもあり。
 チェックイン・カウンターの上を猫が歩いていたり、のどかな雰囲気だ。 搭乗の時も、アーミーナイフを所持していたのだが問題なく乗れた。

 サナアからムカッラまでは約1時間。 ムカッラで乗客を乗り降りさせた後に、飛行機はインド洋を飛んでソコトラ島に向かう。
 サナアからムカッラまでの飛行機は搭乗券に座席指定があるが、ムカッラからソコトラまでは自由席。 どういうことか?と言うと、始発のサナアから乗っていた人は問題ないが、途中のムカッラから乗ってきた人は早い者勝ちで席を取らなければいけない。
 座席に座ってポケーっと眺めていると、ムカッラから乗り込んでくる乗客たちが荷物片手に走って飛行機に乗り込んで来た。 わけ分からん。

 ムカッラからソコトラ島までも約1時間。 機内から島を見ると、島とは感じさせない大きさだ。 険しい山々に、エメラルドグリーンの海、なんだか面白そうな島にやって来た!
 空港で4WDをチャーターした。 運転手付きで1日50USドル(約5,500円)するが、うちらは総勢7人いるので1人当たりにすればまぁまぁの値段だ。

 まず、島の中心地ハディボ(Hadibo)に宿を取る。
 荷物を置いてから島の西側にあるカランシア(Qarancia)という村に行ってみた。 ここはラグーンが非常にキレイ!! 写真が高台から見たカランシアのラグーンだ。 とにかく遠浅で、膝ぐらいまでの深さしかない状態がずーっと続いている。
 カランシア村の浜辺には、錆付いた戦車やら大砲が置いてあって、エメラルドグリーンの海とのミスマッチが中々面白い絵になっているのだが、残念ながら写真撮影禁止。 ここ以外にも、海辺に戦車が沢山並んでいるポイントがあった。 なんで全部、海に向いているんだろう? 敵は誰?

 夜は、1本5,000YR(約3千円)も出して手に入れたウォッカで酒盛り。 中東に入ってから1本もビールを飲んでいないから、久しぶりのアルコールだ。

 まだ今日ソコトラ島に着いたばかりだけど、ソコトラ島はおススメ。 まだ人間もすれてないし、自然が美しい。 サナアから飛行機往復たったの150USドルちょっとで行けるのだったら、ケチって行かない理由が分からない。

旅の出費(2人分)
タバコ: 100イエメン・リアル
ウォッカ代: 1,430イエメン・リアル
外食代: 900イエメン・リアル
ジュース代: 460イエメン・リアル
タクシー代: 1,320イエメン・リアル
合計: 4,210イエメン・リアル(約2,460円)

竜血樹
2006年5月20日(土)
ドラゴンの血に興奮

 昨日のメインは海だったので、今日のメインは山。
 昨日は西に行ったので、今日は東。

 宿があるハディボ村から車で2時間以上掛けて、ホムヒル(Homhil)保護地区に向かう。 途中まではキレイに舗装された道路だったが、山の麓辺りから石がゴロゴロ転がる道路になる。 さらに山を登り始めると、かなりの傾斜にランクルも大変そう。 なんせ走行距離28万キロのランクルだからな。
 ソコトラ島の山々は険しく切り立った形をしており、神々しさすら感じる。

 ソコトラ島が旅行者の興味を引く理由の一つに、変わった生態系が挙げられる。 ソコトラ島だけに生息する動植物が150種類ほどいるそうだ。
 ソコトラ島だけに生息しているわけではないが、変わった植物の一つに『竜血樹』(写真)がある。
 ホムヒル保護地区には、この変な木『竜血樹』が森になって生えている。

 竜血樹を辞書で調べてみた。 英語名は、そのまんまの『Dragon's Blood Tree』。 カナリア諸島原産で、高さ20メートルに達する。 最も長寿の樹で、樹齢数千年。 幹から竜の血を連想させる樹脂を分泌し、これを“麒麟血”といい、着色剤・防錆剤に用いるそうだ。

 見た目はキノコ。 すげー変な木だ。
 竜血樹の他にも、大根みたいな見た目の木がウジャウジャ生えている。 これも俺の人生の中で初登場の木だ。 変な格好!!

 ホムヒル保護地区の後は、海岸沿いのデハムレ(Dehamre)に行く。 ここはダイビングポイントになっている。 シュノーケル・セットも500YR(約290円)で借りることが出来る。 シュノーケルで海亀を見た人もいた。

旅の出費(2人分)
外食代: 800イエメン・リアル
タバコ: 300イエメン・リアル
ジュース代: 610イエメン・リアル
入場料: 2,000イエメン・リアル
合計: 3,710イエメン・リアル(約2,170円)

ソコトラ島・ディクソン
2006年5月21日(日)
谷底でジャンプ

 一昨日は島の西、昨日は島の東と行ったら、今日は島の中心部に行かないと。
 ハディボ村から車で2時間ほどの所にあるディクソン(Dikson)に向かう。
 ここにも竜血樹がウジャウジャ生えている。 レソトを思い出させるようなダレホ・キャニオンを横目に見ながら、険しい尾根を車で下りて行く。 岩がゴロゴロ転がっている道で、運ちゃんも大変そう。

 ようやく山を下ると、そこには岩だらけの山々に囲まれた谷間にポツンとエメラルドグリーンの池があった。
 なんだか良い感じの場所♪ 皆で池に飛び込んだりして、2時間ほどまったりと過ごす。 今日が3日目の観光になるけど、ここが雰囲気・景色ともに一番のヒット。 これで、変な動物でもいたら最高なんだけどな。
 道路が悪いという理由でディクソンに行きたがらなかった運ちゃんが一番はしゃいで池に飛び込んでいた。

 本当は、運ちゃんおススメの南海岸にあるノーゲット(Noged)も行きたかったのだが、片道3時間掛かるというので諦めた。
 明日にはソコトラ島を出るが、はっきり言ってソコトラ島良い! ただ、暑さだけは相当つらい・・・ 夜、停電でファンが止まった時には汗ダラダラで目が覚めてしまう状態だ。 エアコンが付いている宿だと1泊50USドルするらしいが、これだけ暑いと魅力的。

旅の出費(2人分)
外食代: 510イエメン・リアル
ジュース代: 200イエメン・リアル
4WDチャーター: 40USD+950YR
合計: 40USD+1,660YR(約5,570円)





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