しくじったー!!
エチオピアからジブチへは物資輸送の大動脈となるキレイな舗装道路が走っている。 正確に言うと、内陸国エチオピアの海の玄関口としてジブチから入ってくる物資輸送用道路だ。
その道路でジブチに行くはずだったのに、なぜか俺は砂漠を縦断する未舗装道路を走るバスの中にいた・・・
早朝3時半起床。 早朝って言うか、まだ夜だぞ、こんな時間。
半寝ぼけのまま、総重量20kg強のバックパック2個を前後に背負い、バスに乗り込む。 乗り込んだはいいけど、出発しねーじゃん! 結局、空が白け始めた6時過ぎに満員になったバスはディレ・ダワの町を出発。
4〜5時間経ってふと気が付いた。 なんで砂漠のど真ん中を走ってるの? ガイドブックには『ほとんどの道路がしっかりと舗装され山道でありながら、急カーブもさほどなくかなりのスピードで運転できる』って書いてあったから、その気だったけど、これって別な道路じゃねーの? 途中、「このバス、まさかソマリア経由ジブチ行きとかじゃないよな?」と心配になったりもした。
すっげー暑いし、腹減ったし、豚骨ラーメン食いてー。
デウェレ(Dewele)という何もない砂漠のど真ん中の国境でエチオピアを出国する。 ここから1kmほど歩いてジブチ領に入る(写真)。
俺にとってアフリカ16カ国目となるジブチ共和国にやって来た。
ジブチを一言で表すと、『どこそれ?』
簡単に説明すると、国は北海道の4分の1くらいの大きさで小っちぇー。 公用語はアラビア語とフランス語で言葉通じねー。 見所もねー。 でも物価だけはヨーロッパ並みに高い。 ガイドブックに載っているホテルなんて、最安で29USドル(約3,300円)。
ま、ただの通過地点です。
国境から乗合タクシーで最寄の町に向かい、そこからバスに乗り換えて首都ジブチ・シティへ行く。
ところがバスに乗る時に一悶着あった。
どうやらジブチのバス・ターミナルには“シェフ”(フランス語)と呼ばれるボスみたいな奴が君臨していて、そいつが仕切っている。 ちなみに、シェフはシェフでも料理人ではない。 松田聖子の元彼でもない、ただの禿げ。
そいつが、「ジブチ・シティまで、人1人500DF(約330円)。 荷物は1個300DF(約200円)」などと強欲パワーを炸裂してきた。 人の料金は現地人と一緒だが、荷物代は何なんだ? 現地人はタダなのに。
ここで、西アフリカでフランス語を駆使して戦って来たミラクル登場。 しかし、相変わらずの喧嘩腰で速攻シェフに嫌われたミラクル。 怒ったシェフは、「絶対に料金は負けない」と鼻息荒い。 俺? 俺はタバコを吸いながら静観。 だってフランス語しか通じないんだもん。
2時間以上の交渉(?)の末、結局言い値で乗ることに(泣)。 バスしか交通手段がないから圧倒的にこちらの不利。 しかも、シェフが全て仕切ってるから、どのバスもシェフが首を縦に振らないと俺らを乗せない。 汚ねーよ。
思うんだけど、アフリカのバスで“荷物代”を請求してくるのは旧フランス植民地。 旧イギリス植民地では言われない。
エチオピアと違い、ジブチは道路がめちゃめちゃキレイ。 元々国が小さいのもあるが、2時間で首都に到着した。 と言っても、ディレ・ダワを出てから13時間が経っている。
首都ジブチ・シティの宿は、旅行者情報によると“最安ホテル”らしい『Hotel Horseed』。 それでも1人3,000DF(約1,970円)もする。 でもこの値段でエアコン付き。
エアコンが付いてないといられない、ジブチ。 暑い!! タンザニアのダルエスサラームを出て以来ずっと高原だったから、この暑さは久しぶり。 そしてやる気が失せた。
旅の出費;
タバコ: 2ブル+100ジブチ・フラン
外食代: 4ブル+700ジブチ・フラン
乗合タクシー: 220ジブチ・フラン
バス代: 800ジブチ・フラン
タクシー: 150ジブチ・フラン
生活用品: 150ジブチ・フラン
合計: 6ブル+2,120ジブチ・フラン(約1,470円)
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