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アフリカ大陸縦断旅行日記


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現在地はどこなの?

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2006年3月6日(月)
野生のゴリラ

 早朝5時半に起きちゃったぜ。 外は暗いし、かなり寒いのでセーターを着込む。
 迎えに来たランドクルーザーに乗り込み、ベルギー人カップルを拾ってキニギ(Kinigi)のORTPNオフィスに向かう。 道路はかなり悪く、俺は助手席でピョンピョン飛んでた。 この距離は歩くの無理だね。

 ORTPNオフィスには、9人の旅行者が来ていた。 ここ『Parc National des Volcans(ヴォルカン国立公園)』には、ゴリラのグループが4つあり、どのグループを見たいか?自分で決めることが出来る。

 現在国立公園内に生息しているマウンテン・ゴリラの群れの内、最大グループは35頭から成るスサ・グループ。 サビニョ・グループは13頭、アマフラ・グループは16頭、グループ13はわずか6頭しかいない。
 ゴリラの群れは大体10から15頭で構成されるので、スサ・グループは特別大きいらしい。 ただ会うのに一番大変なのもスサ・グループで、3〜4時間歩かないといけない場合もあるそうだ。

 しかし、見るならスサ・グループだろ!と、大して考えもせず決定。 年配の人たちは、比較的見るのが簡単と言われているグループを見に行くようで、今日は2つのグループに分かれた。

 スサ・グループを見に行くのは、俺を含めて4人。 他人の自己紹介を聞いていなかったので、他の3人の名前も国籍も知らない。
 ランドクルーザーに乗り込み、1時間半ほど移動する。 移動の為に、ルヘンゲリの町中に一旦出てきたのが意味分からん。 なんでわざわざ金払ってまでキニギに集合する意味があるんだ?

 ゴリラは毎日移動するので、昨日と同じところにはいない。 運が悪い日だと、標高3,500mを超える地点まで登らないとスサ・グループに会えない場合もあると言う。
 ゴリラの各グループには、トレッカーと言われる人たちが毎日張り付いているらしく、現在どこにいるのか?は無線で連絡が来るようだ。

 車を下り、ガイド1名、武装したルワンダ軍兵士3人と一緒に山の中に入っていく。 1999年に隣接するウガンダの国立公園で観光客8人が殺されてから、治安には神経を尖らせているようだ。
 歩き始めて10分で息が上がった。 でも、一回息が上がったらあとは余裕。 自分でもよく分からんが、俺って実は体力あるのかも、フフフ。
 想像していた山と違い、登る山は竹林に覆われていた。 ゴリラって、笹とか竹の子を食べるんだって!! 知らなかったぜ、それってパンダじゃん。 とにかく鬱蒼と茂る竹林を奥に歩いていく。 確かに歩き辛いが、思っていたほど大変ではない。
 1時間半ほど歩くと、ガイドの無線が鳴った。 スサ・グループを監視しているトレッカーからで、スサ・グループが山を降りてこちらに向かっているとのこと。
 めちゃくちゃラッキーなんじゃね?!

 速度を落として少し登ると、いきなり黒い物体が竹林の中で動いているのが目に入った。
 出た!野性のゴリラ!! ちゅーか、デカっ!!
 ゆっくりとスサ・グループの中に入っていく。
 オスのゴリラは、12才を過ぎると背中に銀色の毛が生えてくるので、シルバーバックと呼ばれる。 スサ・グループのボスは、シルバーバックの中でも一番大きく、体重は200kgを超える。 そいつが、竹林の中から勢いよく飛び出てきた時にはかなりビックリした。 シルバーバックとの差、わずか2〜3m。 しかも、すっげー俺のこと見てる・・・ う〜む、怖い!!
 赤ちゃんゴリラも1匹、子供ゴリラは4匹ほど見掛けた。 子供は人間に興味があるらしく、近づいて来たり、走って逃げて行ったりと忙しい。

 5m以内には近づかないように言われているが、ゴリラの方から近づいてくる時もあり、最も近づいた時で2mくらいだと思う。
 しかもデカイし、ゴリラ同士でじゃれ合ってる時とかキングコングみたいに胸をバチバチ叩いているし、かなりの迫力だ。

 ゴリラと接することの出来る時間は、1時間と決められている。 ゴリラにストレスを感じさせないためらしい。
 ゴリラに出合うまで1時間半歩いて、ゴリラを見て1時間、これで4万3千円は高いのか?安いのか? 俺の感想としては、俺の財布的には高過ぎるが、色々考慮すれば妥当か、少し高いくらいかな?
 まず、1日当たりにゴリラを見れる観光客の数は制限されているわけだから、収入にも限度がある。 さらに、ゴリラ・パーミットの10%は地元コミュニティに払われるそうだ。 それによって、地元住民もゴリラを保護することが自分たちの利益にもなるという意識を持つことが出来る。
 環境への配慮も含めた色々な取り組みから見ると、べらぼうに高いわけでもないと計算した。
 いずれにしても、経験としては良かった。 もう1回見に来るか?って聞かれたら、「Non」だけどな。

 最後に、写真撮影が難しい。 薄暗い竹林の茂みの中なので、カメラの感度を1600に設定したが、9割はボケていた。 まして望遠レンズを使うと手ブレがひどい。

 ここヴォルカン国立公園は、映画『愛は霧のかなたに(原題:Gorillas in the Mist)』のモデル、ダイアン・フォッシーが1985年に殺されるまでゴリラと共に過ごした場所でもある。
 映画『ホテル・ルワンダ』も観ないといけないし、『愛は霧のかなたに』も中々良いらしいし、忙しいな・・・

旅の出費
宿代(1泊分): 3,500ルワンダ・フラン
外食代: 5,700ルワンダ・フラン
チップ: 5USドル
交通費: 11USドル+2,200ルワンダ・フラン
合計: 16USドル+11,400RFr(約4,190円)

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2006年3月7日(火)
ウガンダ共和国入り

 ブルンジ、ルワンダと物価が高い国に長居すると、金の出が早い! これが旅好きだったら、キブ湖(Lake Kivu)とかにも寄るんだろうけど、俺は行かない。
 ということでルワンダなんか出てやる!!

 ルヘンゲリからミニバスに乗り、ウガンダとの国境を目指す。 少し前まではここら辺もゲリラが出没したらしいが、今はAK-47を担いだルワンダ軍兵士がウヨウヨしているから安全だ(多分)。
 ブルンジ、ルワンダ共、国が小さくてよろしい。 わずか40分ほどで国境に到着。 出国スタンプを押してもらい、アッと言う間に出国手続き完了。

 俺にとってアフリカ13カ国目になるウガンダ共和国にやって来た。 ウガンダを3つのキーワードで表すと『虐殺』、『ゴリラ』、『ピグミー』(以上、俺の独断と偏見)。 キーワード、ルワンダと一緒じゃん。
 昔、イギリスのチャーチルに“アフリカの真珠”と言われた国らしいが、そんな事はどーでもいい。 そもそも、チャーチルなんかどーでもいい。
 1971年にクーデターで政権を取ったアミン少将は、独裁体制中に30万人を虐殺。 1978年10月(ちなみに俺の誕生月)に、何を考えたか?いきなりタンザニアに侵攻&爆撃するも、タンザニア軍の返り討ちに遭いアミンは追放される。 だせー!
 ゴリラは、ルワンダ、コンゴ(DRC)との国境地帯に生息しているが、会える確率はルワンダの方が高い。
 そして、ピ、ピグミー・・・

 ちなみに最近のニュースだと、ウガンダでは毎週1千人が病気や襲撃で死亡、約200万人が難民化しているらしい。 特に北部は、『主の抵抗軍(the Lord's Resistance Army)』というカルト系武装勢力が“十戒復活運動”と称して村を襲って人を殺しまくり&犯しまくりみたい。
 しかもウガンダは、西にコンゴ(DRC)、北にスーダンと、2大内戦国にサンドイッチされてるからねぇー。 もうゲリラとか武器が西から北からバンバン入ってくるんだろうな。

 ウガンダの入国手続きをする。 国境で30USドルを払えばビザを取得出来るが、ウガンダにはなんと!学割制度がある。 そして、俺は実は中学生なので学生証を見せれば20USドルになっちゃうのだ! グヒヒ
 あれ?国境のウガンダ警察の方、確か昨日お会いしましたね? 竹林の茂みの中に潜んでいたスサ・グループのメンバーじゃないですか?! と、間違えちゃうほどゴリラそっくりで、1人でププッと笑いそうになった。
 でも思っていたよりゴリラ顔は少ないぞ。

 国境からボダボダ(バイクタクシー)でキソロ(Kisoro)に向かう。
 ちなみに、ルワンダでもボダボダは足代わりに使っていた。 バイクの場合もあるが、チャリンコの方をよく見掛ける。 ルワンダでは、よくチャリンコ版ボダボダを使っていた。 上り坂になると速度が落ちるのが難点だ。 そういう時は、「おらっ! もっと気合を入れて漕げ!」と激を飛ばしてあげよう。 大体、バイクもチャリンコも運賃が一緒というのが意味不明だ。 だったらバイクの方がいい。
 しかし、タンザニアのダラダラ(ミニバス)といい、ルワンダのボダボダといい、名前がなめてるよな。
 ちなみに、昔タンザニアで『マジマジの反乱』というのがあった。 ケニアでも『マウマウの反乱』というのがあった。 まぁ、分かりやすく言えばオレオレ詐欺みたいなもんだ(多分な)。

 キソロから乗合タクシーでカバレ(Kabale)を目指す。 カローラに、大人7人+子供1人が乗る。 しかし、ルワンダは道路が良かったよなぁ〜。 ウガンダに入った途端、未舗装道路じゃん。 キソロからカバレまでは約80kmの距離だが、2時間半以上掛かった。 埃がひどくて、顔も荷物も真っ黒だ。

 ルワンダから来ると特に思うが、ウガンダは物価安っ! ホテルがシングルで255円。 共同トイレ・シャワーだが、シャワーはお湯が出る。 レストランでメニューを見ても、ルワンダとは値段が全然違う。
 そろそろ節約始めようかな?

 カバレはウガンダで一番標高が高い町だ。 海抜2,000mあり、夜は寒い。 キソロから山を越えて来たから、キソロからの道は少なめに見積もっても2,500mはあったのかな。

 写真は、国境で会ったウガンダ警察の方。 じゃなくて、スサ・グループのNo.1シルバーバック・マウンテン・ゴリラ。 相当デカイよ。 こんな奴に追っ掛けられてみ?ちびるぜ。

旅の出費
タバコ: 40RFr+250USh
外食代: 1,800RFr+3,000USh
バス代(ルヘンゲリ→チャニカ): 500RFr
ウガンダ・ビザ代: 20USドル
ボダボダ: 4,000ウガンダ・シリング
乗合タクシー(キソロ→カバレ): 10,000USh
SIMカード: 10,000ウガンダ・シリング
宿代(1泊分): 4,000ウガンダ・シリング
合計: 20US$+2,340RFr+31,250USh(約4,805円)

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2006年3月8日(水)
1日中雨

 プチ禁煙始めました。 タバコを箱で買わず、現地の貧乏人のように道端で1本ずつ買う。 ルワンダならSMが1本20RFr(約4円)、ウガンダではサファリが1本50USh(約3円)だ。 これなら道端でタバコを吸っていても「タバコくれ」とたかられないし、いちいち1本ずつ買うのが面倒臭いから、自然と量も減る。 ただ、俺を吸い終るのを待っている奴に「最後残った分くれ」とは言われるが。

 ルワンダの首都キガリにあるチャイナショップで“高級夜光安全風雨衣”(カッパのことらしい)を買って正解だった。 昨日からずっと雨が降っている(写真)から、大活躍だぜ。
 ただ後ろに『TONGZHOUFENGYU』と意味不明な言葉がローマ字でデカデカと書かれているのが若干気になる。 何か知らんが、だせー。 さらに英語でも、『Exciting Outdoor Sports Natural Combination』と書かれている。 なんじゃ?この英語は?! なんか、適当に思いついた英単語を並べただけという感じで、着ている俺まで頭が悪そうだ。

 ボダボダに乗ってカバレの町中をツーリング。 町中なら200USh(約13円)でチャリンコを漕いでくれる。 ちなみに、ルワンダでは200RFr(約40円)だった。
 ボダボダでツーリング中にも言われるが、ルワンダの北部辺りから「チャイナ」ではなく、「ムズング」と呼ばれるようになった。 ちなみに「ムズング」とはスワヒリ語で『白人』という意味だ。
 いずれにしても俺に対する呼び方としては間違っているのが気に食わん。 俺はチャイナでもないし、ムズングでもなーい!!

旅の出費
宿代(1泊分): 4,000ウガンダ・シリング
外食代: 7,100ウガンダ・シリング
雑費: 300ウガンダ・シリング
タバコ: 150ウガンダ・シリング
ボダボダ: 800ウガンダ・シリング
インターネット: 3,000ウガンダ・シリング
合計: 15,350ウガンダ・シリング(約990円)

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2006年3月9日(木)
清く美しい心

 毎日イラつくアフリカ人と接しているおかげで荒んでしまった心を、元の清く美しい心に戻すため、自然の中に身を置いてリフレッシュすることにした。
 本当は俺ってピュアだから。
 今後は、ゲリラは出るがゴリラは出ないので、今まで以上にイライラするかも知れないしな(意味不明)。

 カバレの町からすぐの所にあるブニョニ湖(Lake Bunyoni)に行く。 ここは、“アフリカのスイス”と呼ばれているらしいが、誰が呼んでんだ? ウガンダ人だけじゃねーのか?
 大体、物事を西欧の基準で考えるから、白んぼが調子に乗るんだよ。 スイスを“ヨーロッパのウガンダ”と呼べばいいじゃねーか?!
 う〜む、“ヨーロッパのウガンダ”かぁ〜・・・行きたくねー!!
 バンコクが“アジアのベネチア”なんじゃねー、ベネチアが“ヨーロッパのバンコク”なんだ!!
 う〜む、空気悪そう・・・
 やっぱ西欧が基準だな、ウン。

 とにかく、バイクタクシーに乗ってブニョニ湖に行ってみた。 へー、スイスってこんなもんなの? しょぼいよ!
 ガイドブックにまで、『ロード・オブ・ザ・リングの地形は、モロッコやネパールのようだ』って書いてあったけど、ネパールをナメんなよ!!

 しかしせっかくやって来たから、ハイキングをすることにした。 しかし、最近どうしちゃったんだろう? ゴリラ・トレッキングに行ったり、ハイキングしたり、“引き篭もり系旅行者”に似つかわしくない行動が多いな、俺。
 丘の上から“アフリカのスイス”を眺める(写真)。 んー、別に何とも思わねー!! 嗚呼、俺の清く美しい心は、こんなにも荒んでしまっていたのか・・・
 丘をヒィヒィ言いながら登っていると、村人が話しかけてくる。
 「ハロー、ハウアーユー?」
 おっ、フレンドリーなんじゃね?
 しかし、続いて二言目に「金くれ」。
 はぁ〜?! 何様だよ、お前!!
 『金をあげたら、あなたは俺に何をしてくれるの?』と聞くと、「写真を撮らせてやる」だと。 断ると、「なぜだ?」と食い付いてくる。
 質問されたから答えてやったが、お前では絵にならない。 裸で一生を過ごしてますとか、実はピグミーです、と言うなら話は別だ。 でもお前の顔レベルではモデルになれないし、俺はお前みたいな奴を1年以上もウンザリするほど見てるんだよ!!
 くそー、全然リフレッシュにならん・・・

 宿に戻って、「ピグミーに会いたい」と言うと、『湖の向こうの山の中にいる』との答え。 『モーターボートじゃないと行けない』というのを振り切って、カヌーを借りた。
 おっしゃー、カヌーでピグミーに会いに行くぜ!!と漕ぎ始めたが、30分で飽きて戻ってきた。 だってクルクル回って、全然前に進まないんだもん。 しかも冷静に考えたら、俺って泳げないし、カヌーなんて漕いだことないぜ。

 もうウンザリだ、“アフリカのスイス”!! 数日ゆっくりしようかと思っていたが、明日には移動してやる。
 ガイドブックによると、ピグミーは“西の森”に住んでいるらしい。 えらい大雑把だな・・・
 まぁ、とりあえず西の森を目指すか。

 夜、暖炉で暖まりながらドイツ人兄弟とフィンランド人カップルとお喋りをした。 「明日、俺は西の森を目指す」と言うと、フィンランド人カップルも同じ方向に移動するらしい。 しかも話を聞くと、西の森に向かう直通バスは1日1本しか無く、しかも早朝5時発だそうだ・・・
 ぎゅうぎゅう詰めのミニバスで乗り継ぎながら行くのは嫌だし、俺も早朝の直通バスで行くことにした。

旅の出費
宿代(1泊分): 9,000ウガンダ・シリング
タバコ: 3,550ウガンダ・シリング
外食代: 15,200ウガンダ・シリング
ボダボダ: 400ウガンダ・シリング
カヌー: 3,000ウガンダ・シリング
バイクタクシー: 4,000ウガンダ・シリング
合計: 35,100ウガンダ・シリング(約2,265円)

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2006年3月10日(金)
北半球

 おかえり、俺。 ついに赤道を越え、俺のホーム半球である北半球に帰ってきたぜ。 ホーム半球に入っちゃえば、ホームカントリー日本は近いぞ。

 早朝4時に起きる・・・ 実は昨日の夜はテント泊だったので、めちゃんこ寒い・・・ ちなみにテントは宿で借りた。
 ブルブル震えながら準備を整えて、フィンランド人カップルと一緒に“スペシャル・ハイヤー・タクシー”に乗ってカバレに向かう。
 ウガンダではタクシーにも、@乗合タクシーと、Aスペシャル・ハイヤー・タクシーの2種類ある。 乗合タクシーは、知らない人と相乗りして隣町に向かうのが主で、スペシャルは、日本で言うところの普通のタクシーのことだ。

 朝5時前にカバレのバス・スタンドに着く。 すると、「バスはもう出た」だって・・・ はぁ〜?訳分からん。 しかも、早朝4時に出たらしい。 昨日、バス会社のオフィスに問い合わせたら、『明日の朝5時発』って言ってのにだ。 ウガンダのバスのシステムがいまいち分からん。
 仕方がないから、カバレからムバララ(Mbarara)行きのバスに乗って、ムバララで乗り換えて西の森フォート・ポータル(Fort Portal)を目指すことにした。
 頑張って4時に起きた意味は何だったんだ?

 早朝5時にカバレを出たバスは、2時間後にムバララに到着。
 ここで俺はすごいものを見てしまった!! 普通に町中でゴミを漁る沢山の鳥。 その鳥がやたらデカイ!! 何だ?!コイツら? 人間の子供くらいの大きさの鳥がウヨウヨしている光景に、久しぶりに興奮したぜ。 アフリカって怖い所だ・・・ コイツら、襲って来ないだろうな?と、ちょっとヘッピリ腰で撮った渾身の1枚が、今日の写真だ。

 ムバララで乗り換えたバスは順調に北上し、クイーンエリザベス国立公園の横を通る。 南部アフリカのサファリでは見掛けなかった動物がいた。 鹿そっくりの顔したウォーターバックや、アフリカン・バッファローなどは、南部では見掛けなかったぞ。
 フィンランド人カップルは、ここで降りてクイーンエリザベス公園でサファリをするそうだ。 俺は引き続いて北上する。
 昼頃、窓の外をポケーっと眺めていると、しょぼい白くて丸いモニュメントがあった。 通り過ぎる瞬間、文字が見えた。
 『Equator』
 ついに赤道を越えました!! アフリカ大陸最南端からここまで2ヶ月弱かぁー・・・ 嫌だけど、もうちょっとペース上げないと年末までに日本に帰れないな。 あんまりダラダラしていると、“3,000万円貯めて、改造四駆で世界一周”の目標達成が遅くなってしまう。

 午後2時半、フォート・ポータルに到着。 しかし、ここが今日の目的地ではない。 ピグミーを求め、さらに森の中を目指す。
 フォート・ポータルの近くに、『キバレ・フォレスト国立公園(Kibale Forest NP)』がある。 フォート・ポータルはウガンダの西にある。 そして森=フォレスト・・・絶対にここだぁー!!
 ミニバスに乗ってキバレ・フォレスト国立公園に向かうが、変な所で降ろされちゃって、チャリンコをヒッチハイク(無料)してようやく国立公園に辿り着いたのは夕方5時。 ブニョニ湖を出てから12時間以上が経っている。 山道を、俺を後ろに乗せて汗ダラダラでチャリンコを漕いでくれたお兄さん、ありがとう。 俺なら、自分がチャリンコを漕いでる時に総重量20kg強のバックパックを背負った奴は乗せません。 だって、絶対しんどいじゃん。
 早速、インフォメーションに行って「ピグミーいませんか?」と聞いてみるが、『チンパンジーならいるよ』との答え・・・ あれ?
 しかも宿泊代が高けぇー!! かなり迷ったが、今さら戻れないし、1泊して、しかもチンパンジー・トレッキングに行くことにしちゃった。
 コテージが1泊30,000USh(約1,940円)、国立公園入園料が学割が使えて15USドル(約1,725円)、チンパンジー・トレッキングが50USドル(約5,750円)で、合計1万円。
 実は怖くて数えてないんだけど、俺の残り資金かなり減ってます・・・

 しかも、「お前は猿好きか?!」ってくらい最近の俺は類人猿ばかり攻めている・・・
 いつになったらピグミーに会えるんだろう??
 実際に会ったら間違いなく落胆するのは分かっているだけに、期待が膨らみ過ぎているのが怖い。

旅の出費
宿代(1泊分): 30,000ウガンダ・シリング
外食代: 7,800ウガンダ・シリング
バス代: 18,500ウガンダ・シリング
スペシャルハイヤータクシー: 5,000USh
国立公園入園料: 15USドル
チンパンジー・トレッキング: 50USドル
合計: 65USドル+61,300USh(約11,440円)

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2006年3月11日(土)
野生のチンパンジー

 朝8時からチンパンジー・トレッキングに行く。
 参加者は、俺を入れて6人。 アメリカ人が1人、イギリス人が3人、オランダ人が1人とムズングだらけだ。
 熱帯雨林の中に入っていく。 今日も中国製雨合羽が役に立った。 怪しい色したキノコが生え茂る地面を踏みしめ、やたらデカイ『アフリカン・ジャイアント・カタツムリ』(本当の名前)を見ながら、茂みを掻き分けて奥に進む。

 トレッキングを始めてすぐにチンパンジーを見掛けるが、中々近づけない。 やはり人間に一番近い動物だけあって、頭が良い。
 鳴き声がする方に歩いていくと、全然違う方から鳴き声が聞こえたりと、トリッキーな動きをする。 チンパンジーに翻弄され、歩くこと2時間以上。
 ようやく1つのグループに近づく事が出来た。 でも、ゴリラの時よりも遠くて、300mm望遠レンズを使ってもアップの写真が撮れない。 しかも熱帯雨林の中だから、暗くて撮るのが難しい。 フラッシュは禁止されているが、使えたとしても遠くて届かないだろう。

 結局、行き帰りで4時間以上歩かされたが、チンパンジーを間近で見れたのは10分ちょっと。
 歩くのが好きという人は知らないが、20USドルの国立公園入園料と、50USドルのトレッキング代を払ったにしては内容に不満が残る。 ゴリラ・トレッキングの5分の1の値段だが、俺としてはゴリラ・トレッキングの方が費用対効果としては良かった。

 キバレ・フォレスト国立公園の前で車が通るのを待つ。 1時間ほど待って、ようやく普通車が1台通ったのでヒッチハイクする。 昨日のチャリンコと違って、今日はしっかりと金を取られた。

 フォート・ポータルで週明けまでジッとしてないといけない羽目になった。 手持ちのウガンダ・シリングが30,000USh(約1,940円)しかない。 今日明日と銀行は週末で休みでお金が換えれない。
 『Exotic Lodge』という怪しい名前の宿に、1泊5,000USh(約325円)で泊まることにした。 水シャワーしか出ないが、それ以外は文句なし。 部屋にコンセントまであるが、当然のように停電中・・・

 道を歩いていて、いきなり「金くれ」と言われることが多い。 別に難民キャンプ内を歩いているわけではないのにだ。
 アフリカ人の(一部だろうが)こういう物の考え方に思うところがあったので、ブログに『意識改革』という題で俺の考えを書いてみた。

旅の出費
宿代(1泊分): 5,000ウガンダ・シリング
外食代: 8,100ウガンダ・シリング
ヒッチハイク: 3,000ウガンダ・シリング
合計: 16,100ウガンダ・シリング(約1,045円)

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2006年3月12日(日)
セムリキ盆地のピグミー

 どーだ!!チンパンジーのアップの写真は? 昨日の日記に『チンパンジーに近づけなかった』と書いたが、実は目の前で撮った写真が1枚あった。
 超接写。

 宿でおばちゃん達が洗濯しているのを見て、俺も洗濯をしようと、洗面器を借りて洗濯をする。 一生懸命洗っているのに、おばちゃん達が俺を見て笑ってやがる。
 「下手」だって・・・ 何が下手なのか?よく分からんが、おばちゃん達としては見ていられなかったのか、代わりに洗ってくれた。
 なんだかおばちゃんの洗っている姿が逞しくて惚れそうになった。 是非、俺の専属洗濯係に!!

 金がないから宿でガイドブックを熟読してヒマ潰しする。 改めてきちんと読んでみると、ピグミーがいる所を書いてあるじゃん!! おいおい、なんだよぉ〜! もっとデカく書いておけよな。
 ガイドブックによると、フォート・ポータルよりさらに西、コンゴ(DRC)との国境付近にあるセムリキ盆地(Semliki Valley)のメインアトラクションは、温泉とピグミー村だそうだ!! 温泉にも行きたいが、とりあえずピグミー優先だ。 交通手段が少ないのが問題らしいが、何としてでも行ってやるぜ!
 ガイドブックにはさらにピグミー情報が載っていた。 『The pygmy villagers are seriously commercialised - their culture for sale -』だって・・・ さらに、『あなたのシリング(お金)を狙ってタカってくるだろう』とも書いてあった・・・ 『人間サファリ』らしい。
 ん〜、やっぱりお前らもかぁー・・・ イリアンジャヤに行った時も、ダニ族の村で村長がやって来て「歓迎の踊りを踊ってやるから、金払え」って言われたもんなぁ。 『それって、歓迎されてねぇーじゃん!!』ってツッコミを入れそうになったぜ。 しかも「歓迎の踊りには豚の丸焼きが必要だから、豚一匹買え」とも言われた。 『それも、お前らが食いたいだけだろ?!』って感じ。 金を払わなかったら、当然のごとく歓迎の踊り無し。
 しかも、ダニ族って本当は裸族(ペニスケース)のくせに、普段はジャンパー着てるんだよね。 確かに、バリエム渓谷って標高5,000m級の山々に囲まれた高地で寒いんだけどね(じゃぁ、なんで裸族なんだ?って話だけど)。 それで、俺が村に行くと皆急いで服を脱いでペニスケースを装着して「さぁ、いつでも写真撮れ」ってやって来るの(笑)。 撮り終わるとジャンパー着ちゃってさ、寒いから(苦笑)。
 まぁ、歩いて片道15日くらいニューギニアの奥地に行けば、未だに首狩り族の“本物の”裸族がいるらしいけどね。 でも、わざわざ15日も歩いて会いに行ったのに、首狩られちゃったら笑うに笑えない。
 俺がおじいちゃんになって、死んでも悔いが残らない年頃になったら、ニューギニアの奥地に潜入だな。

 ウガンダの英字新聞を読んでいると、国際欄に日本のニュースが載っていた。 外国メディアが日本をどんな目で見ているのか?気になる。
 『イラク帰りの4人の日本兵が自殺した。 防衛庁のスポークスマンは4人が自殺した事実を認めたが、「彼らの自殺の理由を断定するのは難しい」とコメントした。
 朝日新聞によると、イラクでの経験が彼らの心に傷を残したことが自殺の原因と見られる。
 昨年自殺した一人は、何度かロケット弾で攻撃された駐屯地に配属されていた。 また彼の部隊に所属する他の兵士が、アクシデントでアメリカ兵によってもう少しで撃たれそうになったこともあった。
 日本は比較的安全なサマワに600人の部隊を派遣しているが、復興任務中の部隊は武器を使用することすら禁止されている。 戦闘は1947年にアメリカによって押し付けられた日本の平和憲法で禁じられている』
 原文のまま訳してみたが、これを読んだ人は「戦闘を憲法で禁じられている軍って一体どんな軍?」って不思議に思うだろうな。 自衛隊なんて見た目は軍でも、本当は所詮“格好だけは武装してるけど土木作業員”だからな。 しかし、それを外国人に説明するのが難しい。 自国の軍隊が、武器も使用出来ないただの土木作業員だなんて、恥以外の何ものでもない。

旅の出費
宿代(1泊分): 5,000ウガンダ・シリング
タバコ代: 350ウガンダ・シリング
新聞: 1,000ウガンダ・シリング
外食代: 4,900ウガンダ・シリング
インターネット: 5,500ウガンダ・シリング
合計: 16,750ウガンダ・シリング(約1,635円)





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