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4WDで行く南部アフリカ旅日記


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2005年8月21日(日)
旅最大の危機

 朝、暑くて寝ていられなくなるまで寝て、さぁインターネットでもしに行こうかと車に乗り込みエンジンを掛ける。
 アイドリングをして、ギアを入れようとクラッチを踏むと、スコンと奥までクラッチペダルが行ったっきり返って来ない。 あれ?と何度も試してみるが、一緒。 クラッチが全く使えないので、車を走らせることが出来ない。

 しばらくボケーっと考えるが、車の知識ゼロの頭では考えるだけ無駄。 何も思い浮かばない。
 おいおい!マウンの修理工場でクラッチをいじってから、まだ4日しか経っていないぜ。
 ん?マウン? 暇で10時間もマウンの修理工場でボケーっと見ていたのだが、確かエンジニアはクラッチの様子を見るために車の左側の下に潜り込んで何かを見ていた。 そこで俺も『何か見えるかも』と思い、車の下に潜ってみることにした。
 生まれて初めて車の下に潜る。 Tシャツが汚れちゃうのが気になる。
 で、エンジニアが覗いていた辺りを見ると、何だかゴム製の部品があって、それが外れてオイルが漏れている。 彼女にクラッチを踏んでもらうと、確かにその部分が動いているから、そこがクラッチに繋がっているんだろう。 手が油だらけになってしまったが、外れていたゴムを付け直した。
 付け直した結果は、変わらず。 もうお手上げ・・・

 ゴムが外れてオイル漏れをしていた=オイルが無くなっている、とも考えられるが、クラッチって油圧式なのか? クラッチの仕組みが分からないので、想像しか出来ない。 しかも、クラッチのオイルってどこに入れるのかも分からない。 そもそも問題がオイル漏れなのかさえ分からない。

 最悪の事態を想定して、10万円掛かってもクラッチを直すとか、カサネに1週間以上滞在するとか、ボツワナで車を捨てて飛行機で帰るとか、色々考える。 今回の旅最大の危機だ!

 キャンプ場のオフィスに行って、カサネの修理工場を調べてもらうが、今日は日曜日で全て休み。 そんなわけで今日は車が一切使えない・・・

 あー、無知って損だぁ! 日本に帰って自動車修理工場で修行しなきゃ・・・ 給料ゼロの奉仕でもいいから、修理工場で修行をしながら、他の仕事で月50万円貯めるのは結構ハードだな。

 車が使えないので、コンビ(ミニバスのボツワナ名)で町中に買い物に行く。 すっげー不便だぁ!

 気分を切り替えて、午後3時からサンセットクルーズ・ツアーに参加する。 これは、チョべ川をボートで回りながら動物を見るツアーだ。
 オーバーランド・トラックの連中と一緒だったのだが、お前ら写真同好会か?!って位に写真撮りまくり。 しかもミートボールみたいな体型したブス! そんな連写機能使って、鳥撮らなくてもいいのに。
 俺らはゾウとか見飽きた動物ばかりなので、特に写真を撮る気も起きず。
 ただ、ワニとカバには今までより接近出来たのは良かった。 あと、川を渡るゾウの群れも見れた。
 でも、ナミビア側からゾウが川を渡ってボツワナに入って来たってことは密入国だぜ。

 ボートに乗っている黒人のガイド2人に、カサネで評判の良い修理工場がないか聞いてみた。
 「問題は何だ?」と聞くので、クラッチが利かないことを言うと、「多分、クラッチオイルがないんじゃない?」と言う。 おぉ、俺が思っていたことと一緒じゃん!
 俺って天才。
 で、「クラッチオイルってどこから入れるの?」と聞いたら笑われた。

 彼らに、俺らが泊まっている宿で働いているクリスという人を紹介してもらった。 彼は車のエンジニアだそうで、話をすると明日にも俺の車を見てくれるとのこと。 もしクラッチオイルだけの問題なら、お金が掛からなくて助かる。 そして、そうであることを祈る。

今日の走行距離; 0km
今日の出費(2人分)
ビール: 16.50プーラ
コンビ代: 9.00プーラ
食費: 44.30プーラ
タバコ: 22.20プーラ
氷: 6.00プーラ
合計: 98.00プーラ(約2,105円)

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2005年8月20日(土)
洗濯板道路

 早朝6時半に起きる。 テントを畳んで出発の準備をする。 プーラの現金が残り少なくなってきたので、これ以上国立公園内に滞在するのがきつくなってきた。

 1時間半で準備を終わらせ、サヴティを発つ。
 昨日の夕方行った水場に寄ってみると、またまたライオンの群れ発見! どうやらここが彼らの棲家になっているようだ。 今日は昨日よりも水場に近い場所にいる。
 でも水場ではゾウが水を飲んでいる。 さすがゾウだ、ライオンがすぐ近くにいるも余裕。
 昨日よりも至近距離でライオンを撮れたから大満足。 最大望遠85mmのレンズでよくここまで撮れたと自画自賛したい。 写真のライオンで3m強の距離まで近づいて撮った。 もちろん車の中からだけど。

 近くのブッシュを車で回ってみると、ブッシュの中でライオンの家族が何かを食べていた。 子ライオンも交じって、皆でオデコを付き合わせて一心不乱に食べている。 お腹が一杯のライオンはそのまま眠っている始末だ。
 でも、さすが百獣の王ライオン。 他の動物は車で近づくだけで逃げていくのに、全く意に介さない様子。 もしかして観光客慣れ?

 サヴティを出て北北東に向かって走る。 道は砂が深い・・・ 20kmは砂で、残りの10kmはゴハ・ヒルズを越えるので小石の多い道路になる。 この30kmを走るのに1時間弱掛かった。 ようやく辿り着いたのはゴハ・ゲート(Gcoha Gate)。

 書類に名前を書き込んでチョべ国立公園を出ると、すぐにチョべ・フォレスト・リザーブに入る。
 森の中をひたすら走る道路だが、ここも砂が深い・・・
 他の車が走った跡がわだちになっているので、レールの上を走る電車のようだ。 しかも真直ぐの道路だったらまだいいのだが、わだちがギザギザと曲がっているのでハンドルを握っているだけでも大変。

 ゴハ・ゲートから20kmで、道は2車線になる。 砂が深くなくなったのはいいが、波状道路・・・ この昔の洗濯板みたいな道路も困りモノだ。 キャノピーに積んでいるエンジンオイルの容器は摩擦で穴が開いてオイルがこぼれ出たし、車の中のどこかの部分のカバーが外れて転がるし、燃料メーターは壊れるしで良い事がない。
 今日の道も、20km/h以上スピードを出すと車ごとピョンピョン飛び上がって、乗っている方も気持ちが悪い。

 この波状道路を20km走ると、カチカウ(Kachikau)という村に着く。
 ここからの道路は、舗装道路と砂利道と砂道を足して3で割ったような道路だ。 まぁまぁいい道路。
 さらにここまで来ると、ライオンやゾウの群れの代わりに牛やヤギなどの家畜が現れだす。 人里に戻って来た。

 ナミビアとの国境チョべ川沿いにしばらく走ると、いきなりキレイな舗装道路に出る。 今まで悪い道ばかり走ってきたから、というのもあるがそのキレイさにちょっと感動。

 このンゴマ(Ngoma)から、今日の目的地カサネ(Kasane)までは、このキレイな舗装道路チョべ・トランジットルートで約60km。 同じ距離を2時間以上掛けたのに、このルートは1時間も掛からず着いた。
 やっぱり、道路がキレイって素晴らしい。

 今日の目的地カサネは、チョべ国立公園の玄関口だ。
 俺らは南からオカバンゴ・デルタを通ってチョべ国立公園に入ったが、通常は北のカサネから入るのが一般的。
 町自体は大して大きくないが、チョべ川沿いにホテルやスーパーなどが並んでいる。 宿は『Thebe River Camping』にした。 川沿いのキャンプサイトで、対岸のナミビアが見える。

 カサネで久しぶりに外食をした。 『The Old House』というレストランは、ボツワナ人の旦那と台湾人の奥さんがやっているレストランで、中華料理もある。 中国人の団体もいて、久しぶりに見るアジア人の団体にちょっと驚いた。

今日の走行距離; 192.5km
今日の出費(2人分)
テント設営代: 76.00プーラ
外食費: 102.00プーラ
食費: 40.25プーラ
合計: 218.25プーラ(約4,695円)

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2005年8月19日(金)
初物尽くし

 昨日は真っ暗になってからキャンプ場についたので、キャンプ場の設備が良く見えなかった。
 南ゲートで、この北ゲート・キャンプ場を予約した時に設備を聞いたのだが、「トイレは水洗だし、ホットシャワーもあるよ」と言っていた。 確かにトイレは水洗だ。
 ホットシャワーだが、あるにはある。
 ゲートのお兄ちゃんもウソはついていない。 ただ、ここのホットシャワーは大きな窯の上にドラム缶が載っており、「シャワーを浴びたい人は、自分で火を焚いてホットにしてね」状態なのだ。 残念ながら、薪は昨晩全部燃やしてしまったし、火を焚いてまでシャワーに入る元気がない。

 近くでキャンプをしていた南アフリカ人の3家族と話をする。 昨日の夜に着いた時にも、テントを張る場所を探してくれて助けてもらったのだ。
 彼らの第一声が、「昨夜キャンプ場にライオン出たの知ってる?」だった。 俺は爆睡していて全く気付かなかったが、どうやらテントの近くでライオンやイノシシが歩き回ったり、鳴いていたそうだ。
 南アフリカ人たちの中に、ツアーガイドをやっているおばさんがいた。 彼女は仕事で何回もボツワナに来たことがあり、今回はプライベートで旅行しているそうだ。
 彼女の旦那に「勇敢だ」と言われた。 でもあんまり嬉しくない。 だって勇敢な理由が『GPSも持たず、アウトドアの知識もなくよくやって来た』だからだ。 “勇敢”っていう単語より、“無謀”の方があってると思うんだけど。

 おばさんにチョべ国立公園までの道を教えてもらった。

 午前10時ちょうどに、モレミWRの北ゲートを出て、チョべ国立公園のマバベ・ゲート(Mababe)に向かう。 このルートはおススメだ。 川沿いを走る道のため、色々な動物を見ることが出来る。
 全長3mのワニが寝そべっていたり、ゾウの群れが水を飲んでいたり、いきなり道路に飛び出して来たり、対向車がキリンだったり、日本鹿みたいな馬みたいなのがいたり、道を倒れた木が塞いでいたり、面白い。

 約40kmでチョべ国立公園のマバベ・ゲートに到着。 距離はそれほどでもないが2時間掛かった。 道路は悪い。

 マバベ・ゲートを越えて20kmほど走ると、道路が2本に分かれている。 どちらの道路も最終的にはサヴティ(Savuti)に着くのだが、今朝のおばさんの忠告で右側の道路を選んだ。 左側の方が距離は若干短いのだが、砂が深いらしい。 じゃぁ右側の道路の状態が良いか?っていうと、悪い。
 石があるわけではないのでパンクの心配はないが、砂が深かったり、波状道路で20km/hで走っていてもシートから飛び上がったり、デカイ穴が開いていたりと予断は許さない。 結局60kmの距離を走るのに4時間近く掛かった・・・
 今日の宿はサヴティ・キャンプサイト。 公共のキャンプ場だ。 入り口には注意書があり、『ライオンやハイエナに食べられないために』何をしてはいけないか書いてある。
 キャンプ場の中に入ると、いきなりゾウが葉っぱを食べてるぜ。

 日陰になっていた場所にテントを張った後、シャワーを浴びる。 ここはモレミWRのキャンプ場のシャワーよりも近代的で、ソーラーパワーの電気温水器が付いている。 お湯加減が最高。
 ちなみにシャワー&トイレは要塞のようになっており、動物が入って来れないようになっている。

 夕方、キャンプ場の近くにある壁画(ロック・ペインティング)を見に岩山に行く。 サン族(ブッシュマン)によるものと思われるが、見に行ってみると既に4台くらい車が止まっており、皆双眼鏡で何かを見ている。 一緒になって見てみると、豹がいた! 岩山の上からこちらを見下ろしている。 なんだか悠々としていてカッコ良かった。

 さらにキャンプ場の2kmほど離れた所にある水場に行くと、ライオンの家族発見! ナミビアのエトーシャ国立公園ではイマイチ良く見えなかったライオンだが、ここではかなり間近で寝ている。 ただやる気がないのか、お尻の穴をこちらに向けて寝ている。

 でも今日は、初ヒョウ、初間近ライオンと初物尽くしだった。

今日の走行距離; 130.8km
今日の出費(2人分)
国立公園入園代: 290.00プーラ
テント設営代: 60.00プーラ
合計: 350.00プーラ(約7,525円)

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2005年8月18日(木)
カバちゃん

 ようやく長居をしていたマウンを出る。 昨日のうちに、燃料、水、食料は補充しておいたので、準備万端のはずだ。

 マウンを出て、A3号線を北東に向かって走ると、約50kmほどでショロベ(Shorobe)という集落に着く。 ここから先は未舗装道路だ。
 しばらく走ると、警察の検問所があった。 やはり思った通り、マウンに通じる道全てに警察の検問所がある。 盗難車や密猟の取り締まりをしているらしい。 今まで検問所の度に絡まれた俺だが、ここの警察官は何だか知的そうな顔をしているし、前のナンバープレートが無いことも指摘せず、簡単に通してくれた。

 さらにしばらく走ると、左に曲がる道がある。 そこを曲がると、オカバンゴ・デルタの『モレミ・ワイルドライフ・リザーブ』がある。

 オカバンゴ・デルタとは、アンゴラが水源のオカバンゴ川が、アンゴラとナミビアの国境を流れ、ナミビアのカプリビ地方を通って、ここボツワナで扇状に広がる。 つまり、海に出ることのない川の終点だ。

 水があるということは、当然動物も多い。 “ボツワナと言えばオカバンゴ・デルタ”という位、国内でもチョべ国立公園と並んで代表的な観光地だ。

 ショロベ(Shorobe)からの未舗装道路、モレミ・ワイルドライフ・リザーブの南ゲートまでの道路、モレミWR内の道路、どれも『セントラル・カラハリGR』より悪い。 ほとんどの区間は4WDにする必要はないが、砂が深かったり、穴が開いていたり、湿地帯の中を走るので道路が水に陥没していたりする。

 お昼は、16〜7頭のゾウの群れが水浴びをしているのを見ながら食べる。 しばらくすると、ゾウの群れは向こうに行ってしまったが、その後に水面に大きな黒い塊が見えた。 群れからはぐれた1頭が、まだ水の中で寝ているのかなぁと思ってみていると、徐々に姿を現したのはカバ!
 カバってデカイね。 人生初の野良カバの目撃は、モレミWR内だった。

 公園内を走り、Third Bridgeに寄る。 ここはウィンドフックで出会ったダンが泊まったキャンプサイトで、彼がここでテントを張った時に目の前にライオンが現れたそうだ。
 First Bridge、Second Bridgeは水が干からびていたが、Third Bridgeには豊富な量の水が流れており、それだけに野生動物も集まる。 橋には「ワニ危険」と書かれている。 あいにく事前に予約を入れれなかった為、既に一杯でうちらは泊まれなかった。

 Third Bridgeを越え、カカナカ(Xakanaxa)に向かう。 ここにもキャンプサイトがあるのだが、現在水道が壊れていて閉鎖中。
 カカナカから東に走って、Hippo Pool(カバ・プール)に寄る。 5匹ほどのカバが、水面から目の上を出してこちらを見ている。 たまに、「プッシュー」と音を立てながら、鼻からクジラみたいに水を噴き上げる。 しばらく見ていたが、陸に上がる気配がなさそうだったので、水際沿いに少し走ると、カバの死体を発見!
 車から降りて写真を撮った後、本当に死んでいるか、石を投げて確かめてみようと死体の近くをウロウロしていると、いきなりザバザバ音を立てながら、カバが6〜7匹水の中に逃げて行った。 どうやら直ぐ近くに潜んでいたみたいだったが、全く気が付かなかった。 さらに死んでいると思っていたカバまで起き上がって思いっきり威嚇された(写真)。
 なんでも、カバは実は凶暴らしく年間6〜7人がカバの犠牲になるそうだ(世界で)。 確率低っ! でも、もうちょっとでその数少ないカバの犠牲者になるところだった・・・

 そうこうしている内に、陽が沈んできた。 そこで今晩宿泊予定の、クワイ(Khwai)キャンプサイトに向かって走ってしばらくすると、なんだか見覚えのある景色が。 前と同じ所に出てきてしまった。
 「あれ?」とUターンしてウロウロしている間に、完全に日が暮れてしまった。 車のヘッドライトの明かりで見える他の車のタイヤの跡を頼りに走るのだが、完全に迷子になってしまった。
 道路が水に沈んでいる所は、タイヤの跡が見えないので怖い。 道路が2つに分かれている所も、周りの景色が全く見えないので、どちらに行ったらいいのか分からない。
 目指している場所が東だったので、月の位置を正面、もしくは右側に見るようにして走る。 これで曇っていたらお手上げだったね。
 暗闇を走っていると、ゾウの群れがいたり、インパラの群れやシマウマがいたりと、ナイト・サファリと一緒なのだが、何しろ自分が今どこを走っているのか全く分からない。 分かれ道だけは沢山あり、標識も何もないので、月の位置だけが頼り。

 教訓、曇っている場合も考えてコンパスくらいは持っておこう!

 暗闇を2時間以上走って、ついに灯りが見えた。 標識もあり、ようやく目指していた所に辿り着いたようだ。 真っ暗なキャンプ場で、焚き火をしてテントを張る。

 周りをハイエナがウロウロしている。 ハイエナって汚い野良犬みたい。

今日の走行距離; 227.3km
今日の出費(2人分)
国立公園入園代: 290.00プーラ
テント設営代: 60.00プーラ
合計: 350.00プーラ(約7,525円)

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2005年8月17日(水)
歌舞伎町

 今日の朝8時半に迎えに来ると言っていたのに、来ない。 ある程度予想はしていたがムカつく。 やることもなく、ボーっと待っていると12時前にようやく来た。 最初の一言が「長く待っていたから疲れたんじゃない?」だって。 アホかぁ?! まず謝れ。

 修理の終わった『ケムケム号』に乗って運転してみると、なんだか前より調子が悪くなってる気がするんですけど・・・ ハンドブレーキはそこそこ利くようになったが、クラッチが前より変だ。

 本当は、朝に『ケムケム号』が帰ってきたらそのままオカバンゴ・デルタに行こうと思っていたのに、時間をだいぶロスしたから明日に延期した。 結局、マウンには合計で7泊もしてしまった 。別にマウンに何かあるわけではないが、テントを張っている『Sedia Hotel』がまぁまぁ居心地が良い。 大して設備も良いわけではないが、静かなのが取り得。

 インターネットカフェでHPをアップデートしたついでに、月収60万円の仕事を探してみたが、それなりにあった。
 まず、平和島のエレガンスパブ・セ○ルでは、ウェイトレス・バニーガールを募集している。 時給2,000円以上だが、俺だとバニーボーイになってしまうのでダメだ・・・ ちょっとバニーボーイになった自分を想像したが、気持ち悪い。
 続いては、新宿・歌舞伎町のクラブ・エ○ーナルで、幹部候補を募集してる。 月給30〜60万+業績給で、俺の条件にピッタリ! なんだ、結構色々あるじゃん。

 夜、ホテルのプールサイドバーのハッピーアワーに合わせて飲みに行くと、一昨日知り合ったグレッグに再会した。 今日は“catch”の過去形を直されたぜ。 いっつも“catched”って言っちゃうんだよね。
 この白人のおっさんは、英語、アフリカーンス語、ドイツ語の他に、ズールー語やコサ語、ツワナ語など黒人の言葉も話せる。 ボツワナ人ともツワナ語で話していた。 これで黄人の日本語を話せればバイリンガルに磨きが掛かるのにな。 メールのやり取りをする約束をして別れる。

 写真は、マウン市内で見かけた床屋さん。 昔のヤンキーみたいな三人衆の絵が気になる。 超悪そう!
 日本のヤンキーたちは、マウンまで髪を切りに来ているという噂だ。

今日の走行距離; 25.3km
今日の出費(2人分)
ディーゼル代: 330.00プーラ
自動車修理費: 1,079.16プーラ
テント設営代: 80.00プーラ
タバコ: 33.45プーラ
氷: 10.00プーラ
食費: 100.00プーラ
ビール: 14.00プーラ
インターネット: 72.00プーラ
合計: 1,718.61プーラ(約36,950円)

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2005年8月16日(火)
初めての外泊

 早朝7時半に車の修理のために『Riley's Garage』に行く。 全く利かないハンドブレーキと、キーキー音がひどくなってきたブレーキパッドと、この前いきなり外れたクラッチの修理をしてもらった場合の見積もりをしてもらう。
 車を点検している1時間半をボーっと待って、出て来た見積書に唖然。 3,670プーラ(約78,900円)!
 おいおい、俺はこのオンボロ車に幾らお金を払えば調子良くなるんだ? さすがに8万円近くも出せないので、何を修理して、何を修理しないか迷う。 エンジニアのお兄さんによると、クラッチが寿命で修理が必要らしい。 でもクラッチボックスとか高いしな・・・
 クラッチの修理をしないだけで1,050プーラ(約22,575円)まで落とせる。 お兄さんの忠告を無視して、クラッチを直さず、どうでもいいハンドブレーキを直して、ブレーキパッドを交換することにした。 一応、クラッチの部分のパーツも1つだけ換える。

 午前中のうちには終わるだろうと思っていた修理も、12時を過ぎても終わる気配はない。 1時が過ぎ、2時が過ぎ、結局ガレージで10時間もボーっとする羽目に。

 ボーっとしている間に、久しぶりに自分の将来設計を考えてみた。 この旅行が終わって一段落したら、約8年ぶりに日本に本帰国しようかなと思う。
 3,000万円ほどお金を貯めなければいけない。 3,000万あれば、1,000万でトヨタのランドクルーザーか、2tトラックをシャーシだけ購入して、思う存分ワイルド仕様に改造出来る。 残りの2,000万で海上輸送費やら燃料費やらを入れても、2年くらいは世界を回れるだろう。
 お金を貯める期間は最長でも5年が望ましい。 5年後だったらまだ32才だし、ケチって貯金するモチベーションを保つには限度の長さだ。 3,000万円を5年で貯めるには、月50万円の貯金が必要になってくるが、生活費を考えても60万円くらいの手取りは必要だな。
 日本は家賃が高いのがネックだが、河川敷にテントを張れば家賃は浮かせられる。 アフリカの川にはワニがいるが、日本の川にはいないから安全だ。

 問題のお金を稼ぐ方法だが、色々ある。@全資産を現金に換えてカジノに行くor宝くじを買う、A会社を興す、B非合法行為をする、C教祖になって宗教法人を作る、D傭兵になる、E株、そして最後にF働く。
 Fの『働く』も、真っ当な会社で働いて月収60万も貰えるなどとは思ってはいない。
 @は確率が一番低いし、俺にギャンブルの才能がないことは過去に実証済みだ。
 Aもそれなりにリスクがあるし、通常は会社経営が軌道に乗るまで時間を有するから、5年という期限は厳しい。
 Bはノーコメント。
 Cはカリスマ性と教義が必要だ。 でも麻原彰晃に出来て、俺に出来ないことはないと思う。 それに俺は麻原彰晃よりカッコいい。
 Dは死亡する確率が高いし、格闘技や兵器のエキスパートじゃないから無理かも。 今も募集してるか知らないけど、ミャンマーの反政府武装勢力『カレン民族解放戦線』なんかも外国人傭兵が多かった。 あとはアフリカの内戦している国。 あと傭兵ではないけど、イスラエルとパレスチナの間の鉄条網を張り替える仕事も待遇がいいらしい。 でも、これは日本にわざわざ帰る必要ないな。
 Eの株も、実績から行くと無理だ。 タイ株を始めて1年半、現在は元本の半分にまで減っている。
 Fが一番普通で嫌だが、金銭的リスクなしで一番堅実。 新薬実験用人間モルモットの謝礼は高額だが、3,000万円貯まる前に副作用で体が蝕まれるのがネック。 あと、人間モルモットになることが“働く”ことなのか、ちょっと疑問。
 いずれにしても月収60万円くらい貰える職種をネットで探さないと。

 久しぶりに自分の目標が出来たので嬉しくなっているところに、ボツワナ人が近づいて来て、さも親しげに話し掛けてきた。 そして「いい腕時計してるねぇ」と来た。
 おっ、中々いい目をしてるねぇと思っていると、「オイラに頂戴」だって。 アホかぁ?!ボロボロの中古車くらいは買える位のお金で買った時計を、見ず知らずのお前にプレゼントするほど、俺はいい人ではない。

 車の修理は夕方5時半を過ぎても終わらず、購入以来初の外泊。 いつも一緒の車が傍にないと少し寂しい。 そんなに重症ではないし、2日も掛かって修理するほど何かをしているわけでもない。
 見ていると非常に手際が悪い。 もし俺に彼らほどの車に対する知識があったら、半日で全て終わる。
 まずハンドブレーキのワイヤーを交換する前に、交換する新しいワイヤーがこの車の長さに合うのかどうか?、古いワイヤーを外す前に確認する。
 彼らのように、古いワイヤーを外してみました。 さぁ、新しいワイヤーを付けようと思ったら短かったので、また古いワイヤーを付け直すという無駄な作業のために半日を費やしたりはしない。

 夜、車の名前を考えた。 ナミビアのプロスで出会ったイアンには、「自分の車に名前を付けてないのか?!」って驚かれたし、ウィンドフックで出会ったダンも「車を家族だと思っている」と言っていたくらいだから、絶対名前を付けてるはず。
 そこで我がイスズKB280にも命名した。
 『ケムケム号』!
 我ながらセンスゼロのネーミングだが、他に全く思い当たらん。 理由は単純に、排気ガスがものすごいから。 ものすごい理由はスワコプムンドの修理工場で知った。 エンジンの寿命が近いらしい・・・
 しかし、不思議なものでトラブルが多いほど愛着が湧く。 正直、BMWより愛着が強いかもしれん。

 今日でケープタウンを発ってからちょうど1ヶ月が過ぎた。 この1ヶ月を数字でまとめて見ると、使ったお金の合計は226,500円。 内訳と、それぞれの全体に占める割合は、

◎自動車・燃料費&修理費=90,390円(40%)
◎テント設営代=44,335円(20%)
◎外食費=7,940円(3%)
◎食費=21,940円(10%)
◎国立公園=22,870円(10%)
◎その他雑費=39,025円(17%)

 やはり自動車関係に占める出費が大きい。 ただ、これにはスペアタイヤ購入費も入っているので、今後は全体に占める割合は下がっていくものと思う(壊れなければ)。 自動車を売却した後に、購入額との差額で自動車本体のコストを出してから、レンタカーで行った場合と、ツアーで行った場合の比較をしてみる。

 ちなみに21日間のオーバーランド・トラックで、1人約24万円掛かる。 俺らは1ヶ月で1人当たり11万3千円だ(車両本体コストは含まず)。 もちろんオーバーランド・トラックはそれなりに改造しているから、車両の減価償却費が高いとか、燃費が『ケムケム号』より悪いとか、ドライバーの人件費が掛かるとしても、利益率は良さそうだ。 人数が多い方が色々な点で1人当たりのコストを下げれるはずだし。
 初期投資にそれなりにまとまったお金が必要というのと、1年の間平均して高い集客率を保持しないとキャッシュフローが大変そうということを考えても、面白いビジネスかも知れない。

 走った距離は7,324.6km。
 1ヶ月の内3週間はナミビアで、残りはボツワナで過ごしている。

今日の走行距離; 41.6km
今日の出費(2人分)
タバコ: 15.85プーラ
外食費: 21.75プーラ
雑費: 33.95プーラ
合計: 71.55プーラ(約1,540円)

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2005年8月15日(月)
終戦記念日

 今日は極東の小さな国では終戦記念日です。
 終戦記念日っていうか、敗戦した日であり、“国家”としての体裁を亡くした日だけどね。 敗戦から60年、売国奴たちに支えられ、アメリカの金魚の糞に成り下がった母国に、アフリカはボツワナから西郷隆盛の語録を一つ贈ります。
 『政道を歩み、正義のためなら国家と共に倒れる精神がなければ、外国と満足できる交際は期待できない。 その強大さを恐れ、和平を乞い、みじめにもその意に従うならば、ただちに外国の侮辱を招く。 その結果、友好的な関係は終わりを告げ、最後には外国につかえることになる』

 マウンの自動車修理工場に行く。 サイドブレーキと、ブレーキパッドと、クラッチを修理してもらおうと思ったのだが、今日はあいにく予約で一杯らしく、明日の早朝に予約を入れる。 ここでも、マネージャーは白人のお兄ちゃんだった。

 ホームページの更新でインターネットカフェに行くが、相変わらずめちゃくちゃ遅い! 2時間掛かって日記だけアップデートするも、メールは2時間掛かっても全部受信出来なかった・・・ 結局、合計4時間もネットカフェにいるも、ほとんど何も出来なかった。

 今、テントを張っている『Sedia Hotel』のプールバーでは、夜7時からハッピーアワーになる。 普段は6プーラ(約130円)のビールが、3.5プーラ(約75円)になる。
 ハッピーアワーを狙ってバーに行き、ビールを飲んでいると、隣のテーブルのおっさんが話し掛けてきた。
 南アフリカは、ケープタウンから来たというおっさんは、マウンで建設中の病院に関係して会社から派遣されているらしい。 来年の10月までいるらしいから、かなり長いこといるみたい。
 このグレッグというおっさんは、酔っ払っているせいもあってか、いちいち俺の英文法を直してくれたりと面白い。 ビールまでご馳走になった。 最後にはメルアド交換をして別れる。

 写真は、ナミビアのスワコップムンドで。 ナミブ砂漠でバギー! これ、超楽しいからおススメ。

今日の走行距離; 35.2km
今日の出費(2人分)
テント設営代: 40.00プーラ
食費: 3.90プーラ
ビール: 17.50プーラ
インターネット: 116.50プーラ
合計: 177.90プーラ(約3,825円)





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