早朝7時半に車の修理のために『Riley's Garage』に行く。 全く利かないハンドブレーキと、キーキー音がひどくなってきたブレーキパッドと、この前いきなり外れたクラッチの修理をしてもらった場合の見積もりをしてもらう。
車を点検している1時間半をボーっと待って、出て来た見積書に唖然。 3,670プーラ(約78,900円)!
おいおい、俺はこのオンボロ車に幾らお金を払えば調子良くなるんだ? さすがに8万円近くも出せないので、何を修理して、何を修理しないか迷う。 エンジニアのお兄さんによると、クラッチが寿命で修理が必要らしい。 でもクラッチボックスとか高いしな・・・
クラッチの修理をしないだけで1,050プーラ(約22,575円)まで落とせる。 お兄さんの忠告を無視して、クラッチを直さず、どうでもいいハンドブレーキを直して、ブレーキパッドを交換することにした。 一応、クラッチの部分のパーツも1つだけ換える。
午前中のうちには終わるだろうと思っていた修理も、12時を過ぎても終わる気配はない。 1時が過ぎ、2時が過ぎ、結局ガレージで10時間もボーっとする羽目に。
ボーっとしている間に、久しぶりに自分の将来設計を考えてみた。 この旅行が終わって一段落したら、約8年ぶりに日本に本帰国しようかなと思う。
3,000万円ほどお金を貯めなければいけない。 3,000万あれば、1,000万でトヨタのランドクルーザーか、2tトラックをシャーシだけ購入して、思う存分ワイルド仕様に改造出来る。 残りの2,000万で海上輸送費やら燃料費やらを入れても、2年くらいは世界を回れるだろう。
お金を貯める期間は最長でも5年が望ましい。 5年後だったらまだ32才だし、ケチって貯金するモチベーションを保つには限度の長さだ。 3,000万円を5年で貯めるには、月50万円の貯金が必要になってくるが、生活費を考えても60万円くらいの手取りは必要だな。
日本は家賃が高いのがネックだが、河川敷にテントを張れば家賃は浮かせられる。 アフリカの川にはワニがいるが、日本の川にはいないから安全だ。
問題のお金を稼ぐ方法だが、色々ある。@全資産を現金に換えてカジノに行くor宝くじを買う、A会社を興す、B非合法行為をする、C教祖になって宗教法人を作る、D傭兵になる、E株、そして最後にF働く。
Fの『働く』も、真っ当な会社で働いて月収60万も貰えるなどとは思ってはいない。
@は確率が一番低いし、俺にギャンブルの才能がないことは過去に実証済みだ。
Aもそれなりにリスクがあるし、通常は会社経営が軌道に乗るまで時間を有するから、5年という期限は厳しい。
Bはノーコメント。
Cはカリスマ性と教義が必要だ。 でも麻原彰晃に出来て、俺に出来ないことはないと思う。 それに俺は麻原彰晃よりカッコいい。
Dは死亡する確率が高いし、格闘技や兵器のエキスパートじゃないから無理かも。 今も募集してるか知らないけど、ミャンマーの反政府武装勢力『カレン民族解放戦線』なんかも外国人傭兵が多かった。 あとはアフリカの内戦している国。 あと傭兵ではないけど、イスラエルとパレスチナの間の鉄条網を張り替える仕事も待遇がいいらしい。 でも、これは日本にわざわざ帰る必要ないな。
Eの株も、実績から行くと無理だ。 タイ株を始めて1年半、現在は元本の半分にまで減っている。
Fが一番普通で嫌だが、金銭的リスクなしで一番堅実。 新薬実験用人間モルモットの謝礼は高額だが、3,000万円貯まる前に副作用で体が蝕まれるのがネック。 あと、人間モルモットになることが“働く”ことなのか、ちょっと疑問。
いずれにしても月収60万円くらい貰える職種をネットで探さないと。
久しぶりに自分の目標が出来たので嬉しくなっているところに、ボツワナ人が近づいて来て、さも親しげに話し掛けてきた。 そして「いい腕時計してるねぇ」と来た。
おっ、中々いい目をしてるねぇと思っていると、「オイラに頂戴」だって。 アホかぁ?!ボロボロの中古車くらいは買える位のお金で買った時計を、見ず知らずのお前にプレゼントするほど、俺はいい人ではない。
車の修理は夕方5時半を過ぎても終わらず、購入以来初の外泊。 いつも一緒の車が傍にないと少し寂しい。 そんなに重症ではないし、2日も掛かって修理するほど何かをしているわけでもない。
見ていると非常に手際が悪い。 もし俺に彼らほどの車に対する知識があったら、半日で全て終わる。
まずハンドブレーキのワイヤーを交換する前に、交換する新しいワイヤーがこの車の長さに合うのかどうか?、古いワイヤーを外す前に確認する。
彼らのように、古いワイヤーを外してみました。 さぁ、新しいワイヤーを付けようと思ったら短かったので、また古いワイヤーを付け直すという無駄な作業のために半日を費やしたりはしない。
夜、車の名前を考えた。 ナミビアのプロスで出会ったイアンには、「自分の車に名前を付けてないのか?!」って驚かれたし、ウィンドフックで出会ったダンも「車を家族だと思っている」と言っていたくらいだから、絶対名前を付けてるはず。
そこで我がイスズKB280にも命名した。
『ケムケム号』!
我ながらセンスゼロのネーミングだが、他に全く思い当たらん。 理由は単純に、排気ガスがものすごいから。 ものすごい理由はスワコプムンドの修理工場で知った。 エンジンの寿命が近いらしい・・・
しかし、不思議なものでトラブルが多いほど愛着が湧く。 正直、BMWより愛着が強いかもしれん。
今日でケープタウンを発ってからちょうど1ヶ月が過ぎた。 この1ヶ月を数字でまとめて見ると、使ったお金の合計は226,500円。 内訳と、それぞれの全体に占める割合は、
◎自動車・燃料費&修理費=90,390円(40%)
◎テント設営代=44,335円(20%)
◎外食費=7,940円(3%)
◎食費=21,940円(10%)
◎国立公園=22,870円(10%)
◎その他雑費=39,025円(17%)
やはり自動車関係に占める出費が大きい。 ただ、これにはスペアタイヤ購入費も入っているので、今後は全体に占める割合は下がっていくものと思う(壊れなければ)。 自動車を売却した後に、購入額との差額で自動車本体のコストを出してから、レンタカーで行った場合と、ツアーで行った場合の比較をしてみる。
ちなみに21日間のオーバーランド・トラックで、1人約24万円掛かる。 俺らは1ヶ月で1人当たり11万3千円だ(車両本体コストは含まず)。 もちろんオーバーランド・トラックはそれなりに改造しているから、車両の減価償却費が高いとか、燃費が『ケムケム号』より悪いとか、ドライバーの人件費が掛かるとしても、利益率は良さそうだ。 人数が多い方が色々な点で1人当たりのコストを下げれるはずだし。
初期投資にそれなりにまとまったお金が必要というのと、1年の間平均して高い集客率を保持しないとキャッシュフローが大変そうということを考えても、面白いビジネスかも知れない。
走った距離は7,324.6km。
1ヶ月の内3週間はナミビアで、残りはボツワナで過ごしている。
今日の走行距離; 41.6km
今日の出費(2人分);
タバコ: 15.85プーラ
外食費: 21.75プーラ
雑費: 33.95プーラ
合計: 71.55プーラ(約1,540円)
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