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アジア横断シルクロード日記


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現在地はどこなの?

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サイラン・バスターミナルの前
2007年8月13日(月)
カザフスタン共和国入り

 おっっしゃぁ〜!! 移動だぁー。
 ビシュケクに48泊した後の移動は、初海外旅行に出掛ける時と同じ緊張感がある。
 言葉が通じないけど大丈夫だろうか?
 1人でバスに乗れるだろうか?
 安宿が見付かるだろうか?
 迷子にならないだろうか?
 自分の名前を言えるだろうか?
 えなりかずきは石原軍団に入れるキャラだろうか?
 SMAPを辞めてオートレースに行った森君は、今も幸せなんだろうか?
 『魁・男塾』が実写映画化されるらしいが、観るに耐えられるだろうか?
 昔、キョンシーが流行ったのはなぜだろう?
 心配しだすと限がなく、「『ズンドコ節』の氷川きよしはホモって本当ですかーぁ?!」と大声で叫びたくなる衝動に駆られるほど情緒不安定になった。

 本当らしいけどね。
 プライベートでもズンドコ・・・

 しかも、今日は昨日よりもさらに具合が悪くなり、吐きそうだ。 でも気合で出発する。
 ビシュケクの西バスターミナルから、アルマティ行きの直行マルシュルートカに乗り込む。
 ビシュケクから国境までは、わずか1時間ちょっと。 出国手続きは簡単に終わり、あっさり出国。

 ついに、俺にとって“〜スタン”4カ国目になる『カザフスタン共和国』にやって来た。
 税関で最初に開けられた荷物がガスマスクだったため、「なんじゃ、これは?!」と税関職員の仕事魂に火をつけてしまい、30分ほど荷物検査をされる羽目に・・・
 ガスマスクの次に出てきた荷物が、独立国にして永世中立国トルクメニスタンの初代にして終身大統領の故ニヤゾフ大統領の写真がプリントされたお茶缶だったことが功を奏し(?)、あまりにヘンチクリンな荷物しか出てこないので無事解放された。

 カザフスタンに入ると、道路が良くなる。 さすが石油マネーで潤っているだけある。
 アルマティに向かう車内から外の景色を眺めると、右手に天山山脈に連なるアラ・トー山脈が見える。 この山脈の真裏に、ビシュケクからイスィク・クルまでの道路が走っている。 山々の頂には雪が見える。

 3時間弱でカザフスタン最大の都市アルマティに到着。 以前は首都だったアルマティだが、1997年に首都機能はアスタナに移されて首都ではなくなったが、未だに経済の中心地である。
 このところの石油バブルの煽りを受けて、物価急上昇中のアルマティは、宿代も高い。 バス・ターミナル内にある宿泊所のドミトリーで800テンゲ(約800円)で泊まることにしたが、これが最安の部類に入るだろう。
 以前は1泊800テンゲで泊まれる宿もそれなりにあったらしいが、どこも値上げして約2倍の1,500テンゲが相場になってしまった。

 ちなみに、100テンゲ=100円で計算が非常にしやすい。 ATMで5,000テンゲを下ろしたら、5,000テンゲ札が1枚出てきたので驚いた。
 最高額紙幣は幾らですか?
 だって、トルクメニスタンの最高額紙幣1万マナトは約50円。 ウズベキスタンの最高額紙幣1千スムは約94円。 どこもしょぼい国ばっかりだったから・・・

旅の出費
食費: 35ソム
タクシー: 30ソム
マルシュルートカ(→アルマティ): 300ソム
使途不明金: 1,700ソム
食費: 473テンゲ
タバコ: 65テンゲ
外食代: 600テンゲ
生活用品: 55テンゲ
宿代(1泊分): 800テンゲ
インターネット: 170テンゲ
合計: 2,065ソム+2,163テンゲ(約8,670円)

アルマティ市内を一望
2007年8月14日(火)
パンフィロフ隊28士

 やはりカザフスタンは中央アジアの中では断トツで物価が高い。
 ただ、宿代に関して言えば旧ソ連の中では普通で、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバと比較しても特別に高いわけではない。 ただ、東から来る旅行者は東南アジアや中国と比較してしまうから特別に高く感じてしまうのだろう。
 宿代よりも「高い!」と感じたのが、外食代である。 これは中々馬鹿にならないと思った。
 タバコは周辺国と比較すれば高いが、まぁ普通の値段。 昨日は65テンゲの『West』を買ったが、今日は『マルボロ・メントール・ライト』を見付けてしまったので200テンゲで買ってしまった。 イスタンブールでは4ユーロ(約600円)で買っていたので、それと比較すれば3分の1である。
 比較の対象がおかしいか?

 今日は、朝9時に宿を荷物ごと追い出されたので、強制観光する羽目になった。 チェックアウトは朝9時、しかも連泊する場合でも荷物ともども一度出ないといけないのが不便この上ない。

 アルマティの見所を一通りは回ってみたが、基本的には別に特筆するほどのレベルでもない。
 唯一面白かったのは、パンフィロフ隊28士記念公園。 ナチス・ドイツがソビエトに侵攻した際、最大の山場になったモスクワ攻防戦で活躍したカザフスタン出身の軍人を記念して造られた公園だ。 巨大なモニュメントがソビエト臭さを存分に残していて面白い。

 このパンフィロフ隊28士記念公園の目の前に、軍人会館がある。 その中に、軍事史博物館が入っていたので覗いてみた。 最初に言っておくと、入場料に200テンゲ取られるが、内容は200テンゲの価値もない。
 内容は、旧ソ連に数多くある大祖国防衛戦争(対ドイツ戦)博物館と何ら変わりは無い。
 カザフ人のおばあちゃんが説明に付き、ロシア語でまくし立てる。 最初は俺を中国人だと間違えていたようだったが、「日本人だ」と言うと急に親近感を示すおばあちゃん。 「カザフ人と日本人は顔が似てるからどうこう」みたいな話を身振り手振りで言われた。 でも、それで言ったら中国人だって一緒じゃねーのか?
 「大日本帝国と帝政ロシアが戦った日露戦争には、カザフ人も参戦したのか?」と聞いてみたが、上手く伝わらなかったようで第2次世界大戦コーナーに連れて行かれた。 しかし、カザフ人の軍人は板垣退助みたいな顔をしている奴もいて、日本人と変わらない。

 夕方からは、キョクテョベ山に登ってみた。
 市の外れ、テレビ塔のある山で標高1070m。 この上が展望台になっており、アルマティ市内を一望出来る(写真)。 が、完全に逆光であまり良く見えなかったのが残念。
 一望してみた感想は、「思ったより大したことない」。 石油マネーで沸く都市のわりには、同じく石油バブルのアゼルバイジャンの首都バクーよりは高層ビルが少ない。 それでも聞くところによると、不動産がバブルで数千万円とか億とか日本と変わらないような値段がするらしい。
 早く弾けちゃえばいいのに。

 夜は日本領事館のS井さん夫妻とお食事。
 バンコク→ケープタウン→アルマティと、俺がS井さんの勤務地を追いかけているような感じですが、別に国際ストーカーではありません。
 かっなり久しぶりに、石焼ビビンバという料理をご馳走になった。 やっぱ東アジアの食文化は中央アジアの食文化とは比較にならないほど多種多様だ。

旅の出費
食費: 130テンゲ
タバコ: 200テンゲ
外食代: 770テンゲ
入場料: 200テンゲ
タクシー: 800テンゲ
市バス代: 160テンゲ
シャトルバス: 200テンゲ
ケーブルカー: 500テンゲ
宿代(1泊分): 1,750テンゲ
合計: 4,710テンゲ(約4,710円)

パンフィロフ隊28士記念公園
2007年8月15日(水)
日本センターで暇つぶし

 夜行バスのチケットを買ったのは良いが、問題は出発時刻までどうやって時間を潰すか?である。
 『観光する』という手もあるが、旅行者を自負する俺としてはそれだけは避けたい。
 そこで、チェックアウトぎりぎりの12時までダラダラと部屋で過ごす。 一昨日はドミトリーに泊まったら早朝9時に追い出されたので、昨日は倍以上の金額を払ってツインに移動した甲斐があった。

 12時に嫌々宿を出て、日本センターに行った。
 ここでインターネットをして時間つぶし。 他のインターネットカフェなら1時間300テンゲ位するのに、ここでは1時間100テンゲで出来る。
 インターネットに飽きたら、日本の雑誌を読んでました。 ふと周りを見てみれば、お茶の点て方を習っているカザフ人がいたり、カザフ人同士で「ごめんなさーい!」と日本語が出だしの会話を始めていたり、変な場所だった。
 あっ、「ごめんなさーい!」って言ってたのは、多分待ち合わせに遅れてきたからだと思われる。 その後はロシア語だったから、俺はさっぱり分からず。 どうせなら日本語だけで会話して欲しかったけどね。

 夜8時過ぎに、バスに乗り込む。
 公営バス会社のバスなので、見た目ボロボロ。 座り心地はまぁまぁだから許すけど。
 ただ、いつも長距離移動の時は長袖シャツを持ち込むのだが、久しぶりの旅行だからすっかり忘れていて、夜中に急激に気温が下がったにも関わらずTシャツでブルブル震えながら乗っている羽目になった。
 砂漠気候なのか、夜は気温下がり過ぎ!

 写真は、パンフィロフ隊28士記念公園にある巨大モニュメント。 この前で、タキシードとウェディング・ドレスを着た新郎新婦が記念撮影をしていました。

旅の出費
外食代: 695テンゲ
荷物預り: 300テンゲ
市バス代: 120テンゲ
インターネット: 450テンゲ
荷物代(バス): 270テンゲ
バス代(→シュムケント): 1,450テンゲ
合計: 3,285テンゲ(約3,285円)

チマチョゴリを着た集団 in アルマティ
2007年8月16日(木)
2度目のウズベキスタン入り

 午前11時半、ウズベキスタンとの国境近くでバスを下ろされた。 アルマティを発ってから15時間。
 ここからタクシーに乗って国境に向かう。

 実は、今日で俺のカザフビザが切れてしまう。
 確か、ビザを取った時は1ヶ月ビザだったはずなのだが、入国日指定が7月17日、出国が8月16日になっていた(俺が決めた通りの日程)にも関わらず、俺が実際にカザフスタンに入ったのは8月13日。
 わずか3日しかいれなかった・・・

 カザフスタンの出国も簡単に終わり、今回2度目になる『ウズベキスタン共和国』に入った。
 中央アジアをグルグル回っているような気がしますが、気のせいです。 きちんと日本に向かって、やや南西に移動しています。 それに、再来月くらいには中国に入る予定だし、日本は眼前。
 国境から首都タシュケントまでは20km弱で、非常に近い。 乗合タクシーに乗って久しぶりにタシュケントに戻って来た。

 この前もウズベキスタンには1ヶ月ぴったりいたけど、今回もウズベキスタンには1ヶ月いる予定。
 別にウズベキスタンが好きって訳でもないんだけど、やはり観光地だけあって滞在はしやすいかな? 首都タシュケントを除けば。

 写真は、アルマティの歩行者天国で歌っていた謎のチマチョゴリ集団。 中央アジアには、スターリンに連行されて来た朝鮮族が多いが、チマチョゴリは始めて見た。 もしかしたら、北朝鮮か韓国から歌を歌いに来ただけの人たちかも知れないけど。

旅の出費
タクシー: 200テンゲ
食費: 1,200スム
外食代: 2,700スム
タクシー: 4,000スム
宿代(1泊分): 9,000スム
合計: 200テンゲ+16,900スム(約1,820円)

ウズベキスタンで両替すると札束が・・・
2007年8月17日(金)
久しぶりに「ニェット・スム」

 100USドルを両替してきました。
 宿の近くの銀行に行ったら、「ニェット・スム(金がねぇ!)」と言われ、「嗚呼ウズベキスタンに戻って来た」と実感。
 銀行のくせに金がないなら、銀行やめちまえ!
 仕方がないので、国立銀行まで出向いて両替。
 両替をしたら、写真のような札束が出てきました。 今日の為替レートでは、100USドルは127,100スム。 それを500スム札(約46円札)でよこしやがって、254枚の札束になった。 もし、これが1万円札だったら、250万円分の厚みになります。
 全っ然うれしくねぇー! 邪魔で仕方がない。 大体、宿代を払うのにお札18枚とかだから、数えるのが面倒なことこの上ない。
 銀行から帰って来る時も、ジーンズのポケットに札束を無理やり押し込んで、ジーンズがやけにパンパン。
 宿に帰ってから、マネーベルトに札束を入れてみたら、チャックを閉めるのが大変な上、マネーベルトを腰に巻くのが大変ということに気が付いた。 無理に巻くと下腹部が妙にモッコリして、ちょっとエロティック。
 こんな国、早く滅びちゃえばいいのに。

 今日でケープタウンを発ってから1年と7ヶ月が過ぎた。 急がねば2年とか経ってしまいそうで、まずい。
 この1ヶ月間で使ったお金は、8万7,160円。 1ヶ所に滞在していた割にお金を使っている気がするのはなぜだろう? 俺、何かしてたか?
 今度は節約系でいこうかな?と思ってます。

旅の出費
タバコ: 800スム
食費: 1,300スム
外食代: 3,700スム
宿代(1泊分): 9,000スム
インターネット: 1,300スム
合計: 16,100スム(約1,500円)

クラブ銀座 in アルマティ
2007年8月18日(土)
秋刀魚に興奮

 節約を始める前に、少しだけ贅沢を・・・ということで、夜は朝鮮料理を食べに行くことにした。
 『地球の歩き方』に載っている“韓国食堂”なるレストランに向かうべく、地下鉄に乗って行ってみた。 行き方の説明が「駅から北東に徒歩3分」と超大雑把なせいで、散々迷った挙句に見付けた“韓国食堂”は、内部が瓦礫の山と化していて潰れていた・・・
 えー、お口が焼肉モードに入ってたのに!!

 こうなったら、意地でも朝鮮料理を食ってやる!と、地図上に印だけ付いていた“ソウル”というレストランを目指すことにした。
 今度はトラムに乗り、警官に聞いたりしながら探しまくり、それでも見付からないので商店のおばちゃんに聞いてみると・・・「潰れて、跡地は銀行になった」だと。
 なぬー! 潰れまくりじゃねーか!?

 こうなると意地である。
 やはり地図上に印が付いている“アリラン”というレストランを目指して、今度はバスに乗り込んだ。
 今日は朝鮮料理を訪ね求めて、地下鉄、トラム、バスと公共交通機関を駆使している。
 ようやく辿り着いた“アリラン”。 最初の“韓国食堂”を探し始めてから2時間半が過ぎている。
 三度目の正直なるか?! “アリラン”はまだ潰れてなかったぁー!!
 大喜びで店内に入ると・・・「潰れるのも時間の問題」的雰囲気がプンプン漂っているガラガラの店内。
 明日は潰れてもいいが、今だけ、今だけでも開いていてくれて良かったぁ〜。

 空腹に眩暈を覚えながら席に着く。
 出てきたメニューを開いてみると・・・むむ、値段の桁が数えられん!
 刺身盛り合わせが、16万8千スム。 暗算が出来んが、俺の手持ちが1万スムしかないことを考えると、とてつもなく高級であることが分かる。 電卓で計算してみると、1万6千円くらいする・・・
 人肉の刺身でも出てくるんじゃねーか?!
 そもそも、何で“アリラン”に来てまで&内陸国ウズベキスタンに来てまで刺身を食わなきゃいけないのかが分からない。
 そこで、俺は大人しく節約系らしく『ロイヤルコース』なるものを選んでみた。 所持金よりも高かったので、一緒に行ったピロシ君に借金してまでのロイヤルであるが、ロイヤルファミリーな俺にはぴったりなネーミングである。
 内容は、キムチ盛り合わせ、秋刀魚の塩焼き、ご飯、味噌汁、串焼きである。

 久しぶりに食った秋刀魚は旨かった!! ご飯と合う! 俺としたことが少しだけ興奮してしまった。
 ビールも飲んだお会計の合計は・・・1万8千スム。 宿代2泊分である。

 写真は、アルマティで見付けた怪しいお店。
 クラブ銀座と書かれているが、鳥居のデザインがおかしいぞ!! あと、外人が日本の単語を表す時にもよく使うが、『GINZA』のフォントが嫌いである。
 ダサい。
 潰れちまえ、こんなお店。

旅の出費
食費: 200スム
タバコ: 600スム
コピー: 100スム
地下鉄: 1,500スム
外食代: 19,500スム
宿代(1泊分): 9,000スム
インターネット: 1,500スム
合計: 32,400スム(約3,010円)

サーカス in タシュケント
2007年8月19日(日)
カルボナーラ的日曜日

 今日は何をしようかなぁ〜、と散々悩んだ挙句、何もしないことに決めた。

 昨日は節約前の晩餐会として“アリラン”に行って宿2泊分も食ってしまったので、今夜はイタリア・レストランに行った。
 今日は、お口がカルボナーラだったのだ。

 実は俺はスパゲティでカルボナーラが大好きである。 でも、大抵は全部を食べ切れない。
 なぜなら、途中で気持ち悪くなるから・・・
 最初の数口は美味しいのだが、段々と濃い味にゲロを吐きそうになってしまう。 だが、未だにカルボナーラでゲロったことはないので、大好きなのである。 昔、クリームパンが大好きだったのだが、食べ過ぎてゲロってしまい、それ以来大っ嫌いになってしまった経験を踏まえての、“成長した男”の実力である。

 で、カルボナーラを頼んだわけ。
 そしたら「ニエット!(ねぇーよ)」。 くそー、邪道だがボロネーゼは? 「ニエット!(そんなもん、ねぇーよ!バーカ)」
 ・・・・・レストランなんて、やめちまえ!
 仕方がないので、嫌いなピザを頼んでゲロりそうになりながらも、何とか完食したのでした。

 いやー、今日も忙しい1日でした・・・

 写真は、タシュケントにあるサーカス。 いつも開催されているわけではなく、サーカスが来た時だけ開く。 キルギスの首都ビシュケクにもサーカスがあったが、そこは立ちんぼと悪徳警官が徘徊するデンジャラス・スポット。

旅の出費
外食代: 9,200スム
インターネット: 100スム
宿代(1泊分): 9,000スム
合計: 18,300スム(約1,700円)





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